ユッカ
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№ | 482 | 483 | 484 |
名 | (A)時計整備士 ユッカ | (A)時間整備士 ユッカ | (A+)時空整備士 ユッカ |
AS | ハードラッシュ++ | ハードラッシュ++ | クイックレイジ |
SS | 紅炎の魔術 | クロノフレイム | クロノフレイム |
№ | 485 | 2049 | 4860 |
名 | (S)時をかける整備士 ユッカ・エンデ | (SS)時を守りし時空少女 ユッカ・エンデ | (L)時空機工師 ユッカ・エンデ |
AS | リバースエンド | フレイム・クラスター | リターンエッジ・タイムクラスター |
SS | クロノインプロード | クロノ・ボルケイノ | カイロス・コロナフレア |
クリスマスver
№ | 1110 | 3188 | 5183 |
名 | (S)聖光なる時の少女 ユッカ・エンデ | (SS)聖雪と舞う時の少女 ユッカ・エンデ | (L)聖鐘は彼女のために ユッカ・エンデ |
AS | クロノテンペスト | クロノクリムゾンクエーサー | クロノスカーレット・ギャラクシー |
SS | エターナル・クロノス | エターナル・クロノス | エターナル・クロノスタシス |
正月ver
№ | 3252 | 5542 |
名 | (SS)一撃粉砕の年越し ユッカ・エンデ | (L)時空激震の年明け ユッカ・エンデ |
AS | 爆砕! 年始めハンマー! | 今年も一発、砕き染め!! |
SS | スキップ・ワンオーセブン | ジョヤ・ベル ハッピーデイブレイク |
エターナル・クロノスⅡver
№ | 3794 | 3795 | 3796 |
名 | (SS)時間塔の整備士 ユッカ | (SS+)すご腕時間整備士 ユッカ | (L)時空の聖鎚 ユッカ・エンデ |
AS | クロノスパーク | クロノスパーク | クロノイグニッション |
SS | 緊急停止します! | ちょ、ちょ、ちょ、超緊急停止ッ! | ちょ、ちょ、ちょ、超緊急停止ッ! |
グリコver
№ | 4346 | 4347 |
名 | (SS)ホッと一息 ユッカとドロリッチ | (L)時忘れの新感覚 ユッカ |
AS | マジカルゼリー&クリーム | デリシャスゼリークラッシュ |
SS | ドロ~リ、リッチな新食感ですっ | おいしく楽しく行きましょう! |
ユッカ&アリス
№ | 5438 | 5439 | 5440 |
名 | (SS)時計塔生活向上主任 ユッカ&アリス | (SS+)時を超えた親友 ユッカ&アリス | (L)いつでも大成功! ユッカ&アリス |
AS | ユッカとアリスのとびっきり! | ユッカとアリスのとびっきり! | ユッカとアリスのとっておき! |
SS | エンド・オブ・イヤー! | ハッピー・ニューイヤー! | ハッピー・ニューイヤー! |
ユッカ&マール
№ | 5581 | 5582 | 5583 |
名 | (SS)ポキッと弾む! ユッカ&マール | (SS+)軽快プレッツェル! ユッカ&マール | (L)ラッキーポッキー! ユッカ&マール |
AS | ラッキーあげるよ~ | ポッキープレゼント! | ポッキープレゼント! |
SS | スウィートクロノス | スウィートクロノス | チョコレートハピネス |
共通情報
名前 | ユッカ・エンデ | CV | - | 種族 | 術士 |
登場 | エターナル・クロノス | ||||
世界 | 鋼鉄の剣と魔法に支配されし異界 | ||||
所属 | 時計塔の時間整備士 | ||||
特徴ワード | ネジの緩みにご注意 | ||||
関連キャラ | エターナル・クロノス | ||||
セリフ1 | 「私細かい作業が苦手なんです。前もネジ締め忘れちゃったし。」 | ||||
セリフ2 | 「うう、アリスちゃ~ん、脅かさないでよぉ~。」 | ||||
セリフ3 | 「こ、これで整備作業中でもその場でティータイムがとれるね!」 | ||||
補足情報 | 時計塔エターナル・クロノスで時間の整備を行う勝気な少女。 偉大な時計整備士の父の後を継ぐべく修行中。 ある日、時計機構のかすかな歪みにより 時空の狭間へはじきだされ、いろいろな異界を転々と彷徨うことになった。 | ||||
(※2014ねこまつりGP人気投票 コメント) | |||||
[投票前] | ……うーん、原因がわかんないなぁ。 とりあえず叩いて直してみよっか! | ||||
[発表後] | 私、こんなにいっぱい応援されてたの? あわわわ、ありがとうございます! |
パーソナルストーリー
バックストーリー
鋼鉄の剣と魔法によって支配されし、ある異界――
世界の中央にそびえ立ち、刻まれる時を管理する唯一の時計塔。
あらゆる国家、人種、民族に属さず、中立を保つその塔だけが、
流れる時間に秩序を与えることを許されています。
一瞬の揺らぎさえ許されず、故に優秀な魔道士のみが管理の責務を負うその場所で、
整備士を務める少女・ユッカ。
どこか抜けたところがありつつも、
確かな技術と高い精度で機構のメンテナンスを行う彼女。
他の魔道士からの信頼も厚く、将来を嘱望されていましたが、
あるとき微かな機構の歪みにより、時空の狭間へとはじき出されてしまいます。
「ねじ......しめ忘れちゃったかな......?」
身一つで異次元に放り出され、時をさまよう彼女を待ち受ける運命とは!?
※話の最初に戻る
バックストーリー(クリスマス)
冬の澄んだ空気の中。
少女はその光景に息を飲んだ……。
色鮮やかな「イルミネーション」によって飾り付けられた街路樹。
赤を基調にデコレーションされ、時計広場に飾られた、豪華で煌びやかなモミの木。
楽団が奏でる旋律に乗って合唱される”喜びを謳った歌”。
そして様々な色の光に照らされて――幻想的に輝く……
無数のクリスタルが集合した”巨大なシャンデリア”。
同じようにその光景を眺める人々も、みんな楽しげで幸せそう。
光と音が創り出す「幻想的な世界」の前に、
”見知らぬ異界”を転々と彷徨う「時の迷い子になった少女」も
思わず心が踊りだす。
「ちょっとくらい……いいよね?」
――雪。
柔らかい粉雪が 優しく空から降りてくる。
初めて目にした雪は……儚く綺麗で。
初めて手にした雪は……冷たいだけでなく、どこか温かで。
遠く聞こえる「賛美歌」の音色に耳を傾けながら。
色鮮やかな「イルミネーション」によって創り出された「幻想的な世界」を眺める。
――綺麗だね。
”誰か”からの問いかけ。
――うん、そうだね。
私からのお返事。
ほんとは……”元の世界”に帰らなきゃいけないんだけど――。
「もうちょっと……あと少しだけ……いいかな?」
この世界を後にするのは……もう少しだけ……。
※話の最初に戻る
バックストーリー(正月)
「フム……なるほど、『ボンノーという108の欲望を』……フムフム」
時計塔エターナル・クロノスで、ユッカ・エンデは
時空の狭間から飛び出てきたとある本を読んでいた。
「ユッカちゃん、何読んでるの?」
同僚であり、時詠み師であるアリス・スチュアートが
ユッカの読んでいる本をのぞき込むと、
タイトルは、「和ノ国流新年の過ごし方」とあった。
著者は見たこともないような名前の人物で、
ひと目見ればその本がトンデモ本であることがわかる作りをしている。
だが、ユッカはその本に夢中になっていた。
和ノ国という異界は他の異界と比べ文化面で異質な部分が多く、
自分たちの文化との違いに彼女は大いに惹かれていたのだ。
「フム……『モチゴメを大きな槌で叩いて伸ばす』……」
「ユッカ様はどうされたんですか、変な本を片手にうなってらっしゃって」
お茶を運んできたメイドのエイミーは、
そんなユッカの様子を横目で見ながら不審の眉を寄せた。
「さあ、わかんない。エイミーは和ノ国って知ってる?」
「ええ、噂程度ですけれど。なんでもこの時期になると
『ジョヤ・ベル』という儀式を行うとか」
「……なにそれ」
「何やら新しい年になるタイミングで『ジョヤ・ベル』を叩くと、
その1年幸せになるとか」
言いながら、エイミーはため息混じりにお茶をカップに注ぐ。
その偏った和ノ国知識を、ユッカは聞き逃さなかった。
「エイミー! それ! その『ジョヤ・ベル』しよう! ね!」
「か、構いませんけど……『ジョヤ・ベル』が
何をどうすればいいかなんて、私は存じ上げませんよ?」
「いいからいいから! 私に任せて!」
かくして、時計塔エターナル・クロノスにて、
なんだかよくわからない『ジョヤ・ベル』なる儀式が行われるに至った。
用意されたのは、短い丸太をくりぬいて作られた『ウス』。
そして幸い近隣の村で栽培していた『モチゴメ』を蒸したもの。
最後に、ユッカのハンマーを改造した『大槌』。
「……で、これで何をどうすれば良いの?」
準備を終えノリノリのユッカに、眠そうな目をこすりながら、
アリスは困り顔のまま首を傾げる。
時刻はもうすぐ12時――巨大な短針と長針が重なる寸前で、
時計塔にも新年が訪れようとしていた。
「ボンノーを叩き出すんだよ! 新年になったタイミングで!」
「たたく……?」
「でね、このモチゴメを叩くと『オモチ』っていう美味しい食べ物になるらしいんだよ」
「へー」
「それでね、ボンノーっていうのは108個あるらしいから、結構パワーがいるはずなの」
「ふむふむ」
「なので全力でいきます」
「えっ」
ユッカの言葉に、アリスの眠気は一瞬で吹き飛ぶ。
ここはエターナル・クロノスの中。
そんなところでユッカが全力を出して『ウス』をぶん殴れば――。
「あのね、ユッカちゃん。落ち着いて聞いて欲しいの。全力はちょっと――」
その時、エターナル・クロノスの長針と短針が、重なる!
響き渡る鐘の音、そして――!
「いっくよー!」
「ちょっ、おやめくださ――」
アリス同様嫌な予感を感じたエイミーが止める間もなく、ハンマーは振り下ろされた!
「ハッピーニューイヤー!!」
かくして、エターナル・クロノスに物理的な激震が走った。
今年も良い一年になりますように、という願いを込めて。
※話の最初に戻る
パーティーの出しもの
油断してたらニューイヤーパーティー? | ||
そう。ほら、ティータイムでも、作業しながらまだかな? まだかな? って待ってるよりも、 | ||
ティータイムだよ―! って急に呼ばれた方がうれしくない? | ||
そうかな……? | ||
だからさ、急にニューイヤーだよ―! ってパーティー始めるの! | ||
急にニューイヤーになるの? | ||
油断してて、気づいたら新年。あ、もう年越し? パーティー? うれしー、みたいな? | ||
そんなうかつな人いないよぉ。 | ||
うーん。そう言われてみると、そうだね……。新しいと思ったんだけどな。 | ||
時を司る時計塔エターナル・クロノスには娯楽が少ない。 | ||
時計塔で働く者の常として、時間の正しい管理のため、羽目を外すことは出来ないのだ。 | ||
娯楽らしい娯楽はなく、必ず時間通りに行われるティータイムだけが、楽しみ―― | ||
という者も少なくない。 | ||
年に一度の大イベントだもんね。 | ||
出来ればすごいものにしたいよね。 | ||
だが、それではいけない、という時の女神イレーナの提案により、 | ||
ユッカとアリスは生活向上主任に就任することになった。 | ||
そして、今回のニューイヤーパーティーが彼女たちの最初の大仕事となるのである。 | ||
いやがうえにも、肩に力が入る。 | ||
なんとしてもパーティーを成功させたい。 | ||
彼女たちはそのための、最後のピースとなるものを探していた。 | ||
パーティーの目玉となる何かを。 | ||
うーん。やっぱりここはみんなの意見を参考にした方がいいんじゃないかな? | ||
その方がみんな喜んでくれるだろうし。 | ||
そうだね……。みんなの意見を聞いてみるか……。 | ||
私は皆さんの自主性にお任せします。 | ||
ウチは急にパーティーが始まった方がうれしいな。 | ||
そうだ! いきなりニューイヤーパーティーとかどう? | ||
とりあえず、ティータイムにしましょうか? | ||
時の3女神に意見を聞いたところ―― | ||
……なんの参考にもならなかったね。ステイシー様のアイデアもちょっとね……。 | ||
(ユッカちゃんも似たようなこと言ってたけどな……) | ||
ニューイヤーパーティーのアイデアに進展は見られなかった。 | ||
アイデアと言われても……申し訳ございません。お力になれず……。 | ||
ですが、料理のことはお任せください。腕によりをかけて作りますので。 | ||
普通にやりなさいよ。普通に。これだから子どもは……。 | ||
わ、私はふたりが考えたことならなんでも楽しいと思う……。 | ||
うーん……むずかしいなあ。 | ||
なんかないかなあ……。 | ||
迷走する二人に、ひとつのきっかけをもたらしたのは、ルドルフの一言だった。 | ||
そうですな。ならば吾輩の発明品をずらりと並べそれを眺めながらのパーティーはどうですかな? | ||
却下。 | ||
そ、即答……。 | ||
そうだよね、そんなの見ても面白くないもんね。 | ||
そんなの……。失礼ながら、吾輩が造る機械の仕掛けはまさしく芸術ですぞ! | ||
仕掛け? ……これ、使えるかも。 | ||
どうしたのユッカちゃん? | ||
時計塔に大きな仕掛けを作るんだよ。それで新年を迎えると同時に、その仕掛けが動き出すの。 | ||
バーンって、音楽とか鳴って、お祝いするんだよ。 | ||
それ……いい! すごくいい! それいいよ、ユッカちゃん! | ||
よし、じゃあルドルフ行くよ! | ||
へ? どこへ? | ||
機関部だよ……大掃除しなきゃ! | ||
皆さん、悲しいことが起きました……。と、エリカはおごそかに切り出します。 | ||
是……。 無念! 無念! | ||
アムドはただ様子を見ていた。 | ||
せっかくのパーティーだというのにアリスもユッカもエリカをないがしろにしています。 | ||
エリカの「エ」はエターナル・クロノスの「エ」であるにもかかわらず……。 | ||
是! | ||
エの字! エの字! | ||
アムドはただ黙っていた。 | ||
彼らに思い出させてあげないといけませんね。 | ||
エリカの仕事が、人の幸せにけちをつけることだということを! |
※話の最初に戻る
エイミー、それは何を作っているの? | ||
これですか? これは煮詰めた血色の豆に甘味を加えたものでございます。 | ||
これでライスを包んだ魔界のお菓子があるのでございます。 | ||
ら、ライスを? 魔界ってすごいところなんだね。 | ||
わたくしの生まれ故郷に近いところの銘菓で、〈ダークサンブラッド〉と言います。 | ||
へえ、楽しみ。 | ||
一年という時間の区切りを迎えつつあるエターナル・クロノスはにわかに色めきたっていた。 | ||
エイミーはいつも以上に、料理の腕を振るおうと張り切り、 | ||
ちょっと! なんでわたしだけが整備作業してるのよ! | ||
ルドルフちゃんも、ユッカのバカもパーティーの準備とか、なんなのよ! | ||
ヴァイオレッタはいつも以上に、整備の仕事に忙しかった。 | ||
いや、働かされていた。 | ||
当のユッカとルドルフはというと、時計塔の機関部にこもり、最終確認を行っていた。 | ||
どう? 順調? | ||
吾輩にかかれば、このようなもの造作もないことです。 | ||
所詮、ただのからくり時計ですからな。 | ||
ということは……準備万端だね! | ||
そうですな。 | ||
よし。じゃあ戻ろう。 | ||
承知いたしました。 | ||
ところで、ルドルフ? あれは出来た? | ||
は? | ||
私の新作ハンマー。 | ||
ああ、あれですか……。あまりかんばしくないですな。……ちょっと無理というか。 | ||
やっぱりしゃべるハンマーはダメか……。 | ||
あと、飛ぶのもむずかしいですね。……というかそれってもうハンマーではないですぞ。 | ||
ちょっと別案考えるか。 | ||
現実的な案をお願いします……。 | ||
その日の夜から始まったパーティーは午前零時が近づいた頃、山場を迎えつつあった。 | ||
皆さん、注目してください! そろそろ時計の針が零時に近づいてきましたよ。 | ||
今回はみんなで一斉にカウントダウンを行っていただきます。 | ||
そしたら、私とユッカちゃんが用意したとっておきのサプライズが起こりますよ。 | ||
へえ、なんだかおもしろそうだね。 | ||
もう充分楽しいパーティーなのに、ふたりとも本当に頑張りましたね。 | ||
こんなパーティーなら毎日あってもいいかも。 | ||
おっと、おしゃべりはそこまでですよ。 | ||
あ、そうだ。皆さん、カウントダウンです。カウントダウン。 | ||
一同はそろって大時計の針を見た。その針は年明けへの時を一秒一秒を刻んでいた。 | ||
みんな、声をそろえて、その刻まれる時間を読み上げた! | ||
さーん! | ||
にー! | ||
いーち! | ||
ぜー! ……あれ? 時計が止まった? | ||
と、同時にパーティー会場の部屋の扉が開け放たれ、 | ||
大量の〈バグ〉と共に、エリカがその場に乱入してきた。 | ||
ふっふっふ! そこまでです! 本当のサプライズはここからですよ! | ||
是! | ||
時計塔はエリカと闇の同志たちが占拠させてもらいました。と宣言します。 | ||
占領じゃ! 占領じゃ! | ||
アムドはその場の様子を見ている。 | ||
悔しかったら、エリカと終わりなき宴をしなさい。 | ||
エリカが満足したら、年を明けさせてあげます。とにやりと笑ってやります。 | ||
もうエリカ! なんてことするの! | ||
こうなったら整備班の全力をあげて、事態を収拾してみせる! | ||
(戦闘終了後) | ||
パーティー会場での戦いを終え、一同がその場を見渡すと、すでにエリカの姿はなかった。 | ||
もう! 逃げ足速いなあ……。 | ||
まだ時間が動いてない……。 | ||
きっとエリカが何かしてるんだよ。 | ||
それなら追いかけるしかないね。行こう、アリスちゃん! | ||
ウチたちも手伝うよ。エリカたちをぎゃふんと言わせてやらなきゃね。 | ||
そうだよ。こっちはもうプンプンしてるんだから。 | ||
加勢に名乗り出た一同をたしなめるように、ユッカは首を横に振った。 | ||
だめです。これはパーティーの責任者である私たちの仕事です。 | ||
皆さんはもてなされる側なんです。ここは私たちに任せて、ゆっくりしていてください。 | ||
そうです。ユッカちゃんの言う通りです。私たちに任せてください。 | ||
……そうですね。今回は、ふたりに任せましょう。ただし、その時間には限りはありますよ。 | ||
問題が大きくなるようなら、有無を言わさず、我々が介入します。 | ||
はい! | ||
じゃあ、行ってまいります! ヴァイオレッタ! ルドルフ! 行くよ! | ||
は? | ||
え? 吾輩たちも? | ||
だってふたりは整備班だし。違う? | ||
(そこは譲らないんだ……) | ||
そして、ユッカたちはエリカの後を追い、部屋を飛び出していった。 | ||
アリスちゃん、ユッカちゃん……頑張って。 | ||
にしても、あの子たち、成長してるんだね。 | ||
……そうですね。 | ||
ほんと、頼もしい。ねえ、エイミー? | ||
(誰?) |
※話の最初に戻る
ユッカちゃん、後ろ! | ||
そこか! | ||
アリスの指示に合わせて、ユッカは振り向きざまに、ハンマーを横に振り抜く。 | ||
彼女の背後に忍び寄った〈バグ〉を打ち落とした。 | ||
それでも、そこらじゅうには〈バグ〉たちがけたたましい羽音をたてながら、飛び交っている。 | ||
やっぱり、エリカを見つけてなんとかしないと……。 | ||
でもこれじゃあ……。 | ||
目の前の〈バグ〉たちは幾重もの壁となり、ユッカたちの行く手をさえぎっている。 | ||
そうやすやすと、その壁は抜けられそうになかった。 | ||
仕方がないわね……。ねえ、ルドルフちゃん? | ||
マダム……ちょうど吾輩も同じことを考えておりました。 | ||
ユッカ、アリス。ここは私たちが引き受けたわ! 先に進みなさい。 | ||
ヴァイオレッタ……。あなたたちだけじゃ……。 | ||
ユッカちゃん……ふたりの言う通りにしよう。いまは急いだ方がいい。 | ||
ユッカはうつむき、しばらく考えて、顔を上げた。 | ||
……うん。ヴァイオレッタ、ルドルフ。ここをお願い。 | ||
主任にそう命令されちゃ、断れないわね、ルドルフちゃん。 | ||
……ですな。 | ||
さあ、私たちが道を開くわ。その隙にここを抜けなさい! | ||
ヴァイオレッタはありったけの銃弾を放ち、〈バグ〉が作る壁に風穴を空ける。 | ||
そこへユッカとアリスは間髪入れずに飛び込み、包囲網を抜け出した。 | ||
ヴァイオレッタ! 無理だけはしないでね。 | ||
……ユッカ。ほんと、バカな子ね。 | ||
……それにしても、この後どうしようかしら、ルドルフちゃん? | ||
……完全にノリで言ってしまいましたな、マダム。 | ||
……逃げるしかないわね。 | ||
……ですね。 | ||
時計塔の機関部にエリカはいた。 | ||
追い詰められたというよりは、待ち構えていた。そんなふうだった。 | ||
ほほう。どうやらエリカを止めるのは、あなたたちふたりですか。 | ||
少々物足りないと、エリカは断言します。 | ||
エリカちゃん。わたしたちが物足りないかどうか……。 | ||
やってみなくちゃわからないよ。 | ||
まあ、口ではなんとでも言えます。まずは実力を示しなさい。 | ||
いでよ、我が闇の同志たちよ! | ||
エリカの呼びかけとともに〈バグ〉たちが現れ、一斉にユッカたちに襲いかかる。 | ||
アリスちゃん……行くよ。 | ||
うん。私たちの手で新しい年を取り戻すんだね。 | ||
さあ、来い! | ||
(戦闘終了後) | ||
激闘は終わり、エリカはしこたま叱られた。 | ||
しくしく。しくしく。しくしくのしく。……エリカはただ、寂しかっただけなんです。 | ||
ニューイヤーパーティーだというのに、エリカはアリスたちの仲間に入れてもらえないし。 | ||
特に意見も求められないし……悲しかったんです。 | ||
エリカの「エ」はエターナル・クロノスの「エ」なんですよ。ひど過ぎる。 | ||
エターナルひどいです。 | ||
そっか……エリカちゃん。寂しかったんだね。それなら、これからパーティーをやりなおすから…… | ||
是非参加してくれるかな? | ||
ホントですか! エリカ、エターナルうれしいです! | ||
じゃあ、改めてパーティーの再開だよ! | ||
(絶対、エリカ、ウソ泣きだったんだけどなあ……。まあ、いいや) | ||
再びパーティーの会場に一同は集まった。 | ||
時は止まったままだったが、元に戻す準備は整っていた。 | ||
今度のカウントダウンは、時の再始動と新年を同時に迎えるカウントダウンである。 | ||
では、いきますよ! さーん! にー! | ||
いーち! | ||
すると、時計塔から仕掛けが出てきて、楽しげな音楽と共に動き出した。 | ||
ユッカとアリスが企画したエターナル・クロノスのニューイヤー特別仕様である。 | ||
その夜、その瞬間、時計塔の住民は見慣れたはずの時計塔を飽きずにずっと見上げていた。 | ||
アリスちゃん! | ||
ユッカちゃん! | ||
やったね! 大成功ー! | ||
時計塔エターナル・クロノスの時は淀みなく流れ続ける。 | ||
永い時計塔の歴史の中で、それはたった一年の時を刻んだだけに過ぎないかもしれないが……。 | ||
時計塔のふたりの少女にとっては、たった一年とは言えないなにかがきっとあったはずだ。 | ||
……と、エリカはいい感じに語ります。いやあ、一件落着。エターナル幸せな感じです。 | ||
めでたしめでたしです。 | ||
そうだね! | ||
(ユッカちゃん、だまされちゃだめだよぉ!) |
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