フレイ
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№ | 852 | 853 | 854 |
名 | (A)花に囲まれた姫 フレイ | (A)花と戯れる姫 フレイ | (A+)花に愛されし姫 フレイ |
AS | ティンクル・スプライト | ティンクル・スプライト | レディエンス・マナ |
SS | いっしょにあそぼっ! | おはなたちとおしゃべり☆ | おはなたちとおしゃべり☆ |
№ | 855 | 2901 | 5695 |
名 | (S)佳麗に咲く姫 フレイ・エレン | (SS)花園の舞蝶姫 フレイ・エレン | (L)麗しの園の妖精女王 フレイ・エレン |
AS | レディエンス・マナ | ファタ・フルール | ファタ・シルヴァネッラ |
SS | しあわせのおまじない♪ | しあわせのおまじない♪ | あたたかなおくりもの♪ |
正月ver
№ | 3253 | 5543 |
名 | (SS)新年和色の花園 フレイ・エレン | (L)初春の御園は花盛り フレイ・エレン |
AS | 千変万化のベスティール | 和妖折衷ドレスアップフェアリー |
SS | 妖精界新春コレクション | 妖精姫のスフィラータ・ディ・モーダ |
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パーソナルストーリー
バックストーリー
バックストーリー(正月)
新年明けて早々、妖精界にとてつもないブームが巻き起こっていた。
「ねえねえ、この『オビ』っていうとこにレースつけてもいい?」
「その『れーす』ってのをつけるのは構やしませんがね、何に使うんです?」
「可愛いから着けるの! この『キモノ』って服、ちょっとシンプルだから!」
そう、それは『着物』。
時空の歪みが近年大きくなった影響か、ここ妖精界と『和ノ国』という異界を
繋ぐ穴が開いてしまったのだ。
その折、和ノ国の呉服問屋『菱松屋』が妖精界に出店、
卸していた着物に妖精界の女王が目をつけ、現在に至る。
この世界の女王候補であるフレイも、当然そのブームに乗っかって、
様々な着物を試しては改造を繰り返していた。
「フレイ様、『れーす』付け終わりましたよ。着心地いかがでやしょ」
「うん、いい感じ! はぁ~、ステキステキ! 着物すごいわ!」
魔法で作った鏡の前で、フレイはくるくると回ってみせる。
裾を短くし、妖精界ならではの形になってしまった着物を見て、
『菱松屋』の源七はレースを手に苦笑していた。
「しかしどうやって作るんですかい、この『れーす』ってのは」
「簡単にいえば、糸を結んで作るんですよ。それを繰り返して作っていくんです」
「なるほど、面白いですなぁ」
手にしたレースをいじくりながら、源七は何かを考えるように空を見上げた。
「……ねえ、ゲンシチさん、お願いがあるの」
フレイはそう言うと、源七を真剣な表情でじっと見つめる。
「な、なんでしょうか」
「この服の染め方と織り方を、この世界の妖精たちに教えて欲しいの!」
「あー、ええ、構やしませんがね、その代わり……条件があります」
源七は言いながらニヤリ、といびつな笑みを浮かべる。
瞬間、周囲に居たフレイの侍女妖精たちが、その笑みを見て警戒を強め身構えた。
「……どんな条件でしょうか」
対し、フレイは真っ直ぐ、凛とした表情で彼を見つめる。
時期女王候補らしい、しっかりとした意思を持つ、強い瞳。
だが、源七はそれを見てもう一度クックッ、と低く笑った。
「あなたにお願いするのも……少しおかしな話ですがね。
こればっかりは私も商売ですから」
「どうぞ、なんなりと仰って下さい」
「ほほぉ、大きく出ましたな。では、遠慮なく……」
それから少し長い沈黙の後、少し不安げに唇を噛むフレイに、彼はこう言った。
「この『れーす』の編み方を、私どもに教えて欲しいのですよ」
「は?」
「いや、ですから、この『れーす』の編み方を、どうか!
どうか教えていただきたく!」
力強くそう言う源七に、フレイの肩から力が抜けていく。
同様に周囲の侍女妖精たちもへたり込んだり、ほっとため息をついていた。
「はぁ~、怖かった! 変なこと言われるかと思っちゃって」
「いやいや、滅相もない! それで、教えていただけますか?」
にっこりと笑う源七に、フレイは元気よく返事を返す。
「もちろん!」
それから数日の間、時空の歪みが閉じるまで、妖精界と和ノ国の交流は続いた。
しばらくの後、フレイは、和ノ国織りの生地と、
妖精界のレースを組み合わせた新作に袖を通す。
「ステキステキ! やっぱり着物、いいなぁ~♪」
……彼女の部屋で行われるファッションショーは、まだ終わりそうにない。
※話の最初に戻る
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