ノイン

 
最終更新日時:
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(S)怠惰な星術士 ノイン(S)ぐうたら星術士 ノイン(S+)ごろごろ大星術士 ノイン
AS星ずらし星ずらし星ずらし
SS星がささやくんだ星がささやくんだ星々が教えてくれるよ
22715690
(SS)渾天大賢 ノイン・ケーラ(L)九天通暁 ノイン・ケーラ
AS天歩星辰自在術星羅天倫如意御法
SS星々が教えてくれるよ星が、休めっていってる気がする
登場時期:2014/06/30 2700万DL記念 限定ガチャ 2016/02/17 L化 

バレンタインver

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(SS)おサボり星術士 ノイン(SS+)星の流れを変える ノイン(L)恋を運ばない大賢者 ノイン・ケーラ
AS賢者ぐるぐる星送り渾天ごろごろ星操作渾天ごろごろ星操作
SSチョコ食べて、にへにへ!チョコ食べて、にへにへ!にへにへラブアタッーク!
登場時期:2016/02/12 2016バレンタイン期間 限定ガチャ 

共通情報

名前ノイン・ケーラCV千管 春香種族術士
登場-
世界聖界
所属星術士
特徴ワードめんどくさいので天体操作
関連キャラクラリスヒカリソラナ
セリフ1「にへにへ~」
セリフ2「だるいし。疲れるし。足を動かすのもめんどくさいし。」
セリフ3「やたっ、成功~! お休みお休み~~♪」
補足情報星の運行に関して膨大なる知識を持ち、その応用で絶大なる魔力を持つ大賢者。
極度のめんどくさがりであり、歩く行為すらだるい。
特殊な渾天儀を用い、天体運行すら操作することができる。

パーソナルストーリー


バックストーリー

――ノインは、「歩く」という行為に絶望すら感じていた。

「だるいし。疲れるし。足を動かすのもめんどくさいし。
 そもそも歩かなきゃいけない理由とかあったっけ?」

ないわけがない。
星の運行が及ぼす魔力への影響を応用し、魔法の力を高める星術士――
そのなかでもノインは、膨大なる知識と絶大なる魔力を持つ大賢者として知られている。
今夜も、名だたる賢者を集めた会議に出席せねばならない。
サボりたいところだが、議長が厳しい恩師なので、そうもいかなかった。

「あ~……会議、めんどくさいなぁ……雨降って中止になんないかなぁ~……」

ごろごろと寝っ転がりながら、しばし思案していると――
ぴん! と、ノインの脳裏に閃きが訪れた。

「そっか! 雨を降らせばいいんだ!」

とんでもないことを言い始めた。

そこからノインは恐るべき集中力を発揮し、
大きな渾天儀――この世界の模型――を造り上げた。

この渾天儀、ただの模型ではない。
呪文を唱えると、周囲に小さな星々が浮かぶようになっている。
しかもこれは、実際に天を巡る星々と同調しているのだ。

さらに――

「えーっと、水の気を増やすわけだから、この星をこっちにやって、えいっと」

渾天儀上の星々をつまみ、ひょいひょいと位置をずらす。
するといきなり、窓の外でザーッと激しい豪雨が降り始めた。

渾天儀上の星々を操作することで、
実際の星々の位置すらも入れ替え、天候のバランスに影響を与えたのだ。
とてつもない、というか、もはや完全に人知を超えたレベルの魔法である。

そんな神のごとき所業を成し遂げた本人は、

「やたっ、成功~! お休みお休み~~♪」

渾天儀に乗っかり、うれしそうに、にへにへとだらけるのだった。

この渾天儀を媒介として星々の運行を自在に制御できるのだとすれば、
世界を掌握することすら夢ではないが――
どうやら、そんなつもりはなさそうだった。

――なお、会議は雨天決行であったため、後でしこたま怒られた。

※話の最初に戻る

突然の辞令!?

地上の人たちは、いつも忙しそうに働いていた。
その様子を横目で眺めながら、私は今日も星の行く末を見守り続けている。
この星は、いつも元気だなとか、この星は今日は元気がないなとか……。
あっちこっちに気を回す必要があるので、とても神経を使う仕事なの。
でも……。


ふあ~あ……。

星を見守るだけで過ぎていく毎日は、ちょっぴり退屈。
なにか面白いことはないかな。
あ、そうだ。
仕事が終わったら、ソラナを誘って遊びに行こう。
ん? あの子は……。


にへにへ~。

廊下の向こうからやってくるあの子は、ノイン・ケーラだ。
星術士として凄く優秀な子で、人々から大賢者様と尊敬を集めているそうだけど……。
いつも「にへにへ」笑っているノインは、とても賢者と呼ばれるような偉い人には見えないな。
ヒカリって、厳しい人? それとも優しい人? どっちかな? にへにへ~。
ノインの方から話しかけてくるなんて珍しい。
しかも、その質問はどういう意味?
それはノイン次第かな。なにも悪いことをしてない人に意味なく厳しく当たったりしないよ。
私は、この時点で嫌な予感がしていた。
ねー、ヒカリ。実はね、凄くいい話があるの。
ノインの声色は、まるでお母さんに甘える子どもみたい。
どんなお話かな?
今日からヒカリは、私の教育係になるのです! それが星の導きなのです!
ぴしっと言い放ったあと、ノインはいつものようににへにへ~と笑った。
キョ……キョウイクガカリ……?
私は、その言葉の意味がよくわからなかった。
うん。クラリス様たちがね、お前みたいな性根の曲がった奴は、もう手に負えん──、
ヒカリ・スフィアならば、ノインの曲がった根性を叩き直してくれるだろうって、にへにへ~。
ちょっと待って。それって……ノインの面倒を見ろってことなの? 私が!?
ノインは、相変わらず人懐っこい笑みを浮かべながら、こくこくっとうなずいた。
というわけだから、ヒカリこれからよろしく。にへにへ~。
私とノインは、こうしてたまに顔を合わせる程度。
仲が悪いわけじゃないけど、凄く親しいというわけじゃない。
それなのに、どうして私が……。
私の頭に真っ先に浮かんだのは、ソラナの顔だった。
こういう時は、まずソラナに相談しよう! うん!


私の親友ソラナは「星詠みの聖女」と呼ばれ、人々の願いを聞いてあげている優しい聖女さんだ。
でも、今日ばかりは私の悩みの相談に乗って貰いたくて私はソラナを訪ねたのだった。


……というわけなの。

どうして私が、ノインの教育係に任命されたのか。
そしてノインがなにをしでかして、神様たちの怒りを買うことになったのか……。
諸々を半ば泣きつくように、ソラナに相談する。
ふあ~……あぅ。
ねぇ、ソラナ聞いてる?
今日に限ってソラナはとても眠そう。
普段は、夜更かしするような子じゃないのに。
あ、ごめんなさいっ。……それで、教育係は引き受けたの?
クラリス様の命令なら、断れないよ。どうしよ?
ノインちゃんは……。
ティーカップを持つソラナの手が止まった。
言うべき言葉を頭の中で選んでいるみたいだ。
とても、いたずら好きなの……。
それは私も聞いてるよ。でも、子どものいたずらでしょ?
子どもの……。
ソラナの顔がいままで見たことがないくらい、冷たく凍りついていた。


ふっ……ふふふっ。ふふふっ……。

え!? なにそのソラナらしくない笑い声は!?
子どものいたずら……。ふふふ……。その程度で済んでたら神様たちも怒らないのに……。
な、なにがあったの?
ノインちゃんのいたずらは、とてもスケールが大きいの。
たとえば?
会議をサボりたいという理由で、星を動かして地上の人たちを惑わしたり……。
その話、聞いたことがある……。
ノインは、星を動かすことができる──。
だけど、無闇に星を動かしちゃうと、人々の生活に多大な影響を及ぼしてしまう。
でもノインはお気軽に星を動かして、聖界を大混乱に陥れた。
いたずらと片付けるには、あまりにもスケールが大きい、いたずらだ。
うふふふ……私も、以前ノインちゃんのせいで神様たちに叱られたことがあったの。
そんなノインちゃんの教育係にされるなんて……ヒカリ、ご愁傷様です。
そんな! ソラナ、私を見捨てるの?
余裕があれば、私もヒカリに手を貸してあげたいけど、でも今日は無理なの。
どうして──あ!?
私はやっと気がついた。
そうか。明日は、ステラの祝祭だ。
ステラの祝祭では、地上の人々はそれぞれの想い人にチョコレートを送る習慣がある。
ソラナの元には、想いを成就したい人々からの切なる願いが、山のように寄せられている。
そうなの……ううっ。今日は、一晩かけて「星の祝福」を配る作業をするつもりなの。
人々の願いに応えるために、ソラナは星の祝福を地上の人々に与える役目を負っていた。
星の祝福が宿ったチョコレートを相手に渡せば、きっと想いは成就するはず──
という人々の勝手な願いを、ソラナは律儀にも叶えてあげている。
でも、ソラナ。さっきからずっと眠そうだよ?
実は……緊張して、昨日は全然眠れなかったの。
大丈夫なの? 夜まで、まだ時間あるし少し眠ったら?
そうね。一晩中の作業になると思うから、少しでも睡眠をとっておくことにするわ。
ゆっくり休んで。寝過ごすといけないから、私が起こしてあげるよ。
本当に? それは凄く助かる……。じゃあ、ヒカリ夜中になる前に起こしに来てくれる?
任せて!
ヒカリが起こしてくれるなら安心ね。ゆっくりと休めるわ。
小さなあくびをしてから、ソラナは自分の部屋に帰っていった。


参ったな……。
いざという時、私が頼れるのはソラナ一人なのに、ソラナはそれどころじゃなさそう。
でも親友として、ソラナのお仕事の邪魔はしたくないし……。


よーし、こうなったら、私ひとりでやってみせるよ!

教育係といっても、なにから始めたらいいのかわからない。
だけど、私なりにやれることはやってみようと思った。
というわけで、ノインには新しいお仕事をお願いすることにします。
お仕事って嫌な言葉~。そういうの嫌いだね~。
ダメよ。神様たちのお怒りが解けるように、真面目になったところをちゃんと見せないと。
ヒカリは、厳しい人だったんだー。がっかりだよ。萎えなえ~。
ノインがまたがっているのは、渾天儀という大きな惑星模型。
その上で、ふてくされたように頬を膨らましている。
それで、お仕事の内容はね……って聞いてるの?
きこえな~い。
私は、心の中でため息をついた。
私に言われたとおりにしないと、神様たちのお許しは貰えないわよ? それでもいいの?
ノインは、渾天儀をふわふわ上下させた。
どうやらそれが、ノインの返事代わりらしい。
あとは、にへ~、にへ~と力なくつぶやくだけだった。
そんな態度に呆れながらも、私は星を監視する役目をノインに任せた。
今日だけ頑張れば、神様は許してくれる~?
今日だけじゃ無理かな。当分大人しくしてなきゃ、反省しているって伝わらないと思うな。
それはやだー。ノインには、もっとやりたいことがあるのに~。全然、にへにへ出来ないよ!
にへにへ出来ないってなんだと思いつつ、私はソラナのことを気にしていた。
夜中になる前に起こすと約束したんだから、絶対に時間を間違えるわけにはいかない。
ノインに星の監視の仕事を教えながら、私は何回も時間を確かめた。


朝が来た。
うーん、とっても気持のいい朝だ。
私は、燦々と照っているお日様を見上げながら、朝の空気を思いっきり吸い込んでいた。


そういえば、今日はステラの祝祭だったわね。

あとで、ソラナを誘ってお祭りに顔を出してみようかな。
なんて考えている途中で、ふと思った。
あれ? あ……朝? いつの間に?
私、眠ったっけ……?
確か昨日は、ノインにお仕事を教えてて──あれ? それからの記憶がない……。
それに──。
ああ!? ソラナを起こしてない! 夜中になる前に起こすって約束したのに!
夜中を通り過ぎて、もう朝になってる!
いまから起こしても間に合わないのは分かってる。でも──。

※話の最初に戻る
まさか寝過ごすなんて!



そんな……。

朝になっているのを見て、ソラナは力なく膝をついた。
夜中の間に、星の祝福を地上の人々に配る予定だったのに……。
私が、ソラナを起こさなかったせいだ。
ソラナ……あの……。
何て謝ったらいいのかわからない。
私のせいで、ソラナは星詠みの聖女としての役目を果たせなかった。
地上の人々は、さぞやがっかりしてるだろう。
私のせいだ。ごめん、本当に……。
頭を下げるしか、私には出来ることはない。
う、ううん。ヒカリのせいじゃないよ。自分で起きれなかった私が悪いのよ。
といいながら、ソラナの目はどこか虚ろだった。
私が仮眠をすすめたからだ……。
やめてよ、ヒカリ。そんな顔しないで。
本来、私ひとりが果たすべき役目だったの。ヒカリのせいじゃないわ。
でも……。
本当は、とてもがっかりしているはずなのに──
ソラナは落胆した顔を私に見せないように、気丈に振る舞っている。
今からでもまだ間に合うわ。全員には祝福を配れないだろうけど、時間の許す限り頑張ろうと思う。
ソラナは、今から星の祝福を配るという。
そこまでして聖女としての役目を果たそうとしているソラナの健気さに──
私は胸が締め付けられそうになった。
私も手伝うよ! 私の責任だもん、手伝わせて!
うん。ヒカリと一緒だと心強いわ。
そう言ってくれたソラナの笑顔が、とてもまぶしかった。
ノインも手伝って。緊急事態だからお願い。ね?
ぐ~。ぐ~……。
こらー、起きろ!


ステラの祝祭前に配れなかった星の祝福を、これから直接届ける……。
だけど、それは簡単なことじゃない。
地上にいるのは、温厚な人たちだけじゃない。
悪い人もいるし……危険な魔物も沢山いる。
ソラナ、疲れてない? 少し休む?
ううん、平気よ。まだ頑張れるわ。
朝からずっと歩き通しで星の祝福を配っても、まだ十分の一も配れていなかった。
日も暮れかけている。ステラの祝祭が終わっちゃう。
じゃあ、喉渇いてない? お水でも汲んでこようか?
んもう、ヒカリったら。
ごめん。ちょっとしつこかったかな?
そんなことないわよ。私がうんざりしているのは、ヒカリのその曇った顔よ。
ぴしっと、ソラナは私を指差した。
顔って言われても……。
自分が今どんな顔をしているのかなんて、私にはわからないよ。
いつまでもそんな暗い顔されてたら、逆にこっちが気を遣っちゃうよ?
今回のことは、私の責任でもあるから、そんな暗い顔しないで。ね、ヒカリ
ソラナ……ごめんね。
だからもう、謝らなくてもいいから。
そんな私たちの目の前に、大きな惑星の模型が漂ってきた。


へなへな~。もう疲れたよー。

このノイン様に、こんな仕事を手伝わせるなんてなんて不届きな奴らだ! にへ!
大変なんだから、ノインも少しは手伝ってよ。
でも、こんな面倒な仕事は嫌だー! ノインは、毎日をにへにへ笑って過ごしたいのー!
もー! こんな大変な目に遭うのなら、星を動かして、時間を巻き戻す必要はなかったよー。
え?
ノインの聞き捨てならない台詞に、私とソラナは同時に足を止めた。
時間を巻き戻した……?
どういうこと?


私がノインの教育係として、ノインに仕事を教えたのが、祝祭前日のお昼から夕方にかけて。
そして、夜になったら、仮眠を取ってるソラナを起こしてあげるはずだった。
だけど、気がつくと朝を迎えていた。
「まだ夕方だと思っていたら、気がつくと朝になっていた」
言葉にすると、まったく意味がわからない……。
でも、そんな意味不明なことになってしまった原因は、ノインのせいだと判明した。
とても不思議だったの。だって、一晩眠った気がしなかったし……。
それは、つまり……。
にへ~。
ノインは渾天儀の上で、だらしなく伸びている。
聞きなさいよ! つ・ま・り! 星術士であるノインが、その渾天儀を使って──
ステラの祝祭前日の夕方を、朝に戻したってことなのね?
まあ、端的に言うとそうかな。にへにへ~。
ということは、今日はまだステラの祝祭前日なの? そうなの!?
ソラナは、今まで誰にも見せたことないくらい焦った表情で、ノインに問いただす。
そうだよ~。
もう夜になっている。
けど、本来ソラナは、「ちょうど今」起きる予定だった。
まだ「今日」は、ステラの祝祭の前日……? よかった~。
私たちは、ほっと胸をなで下ろした。
今年も、ソラナは自分の役割を果たせるんだ。
あまりにもほっとしすぎて、思わず目に涙が滲んできた。
でも、これで一件落着じゃない。
どうして渾天儀を使って時間を半日巻き戻したの? ちゃんと答えて。
だって……。
さすがにノインは、気まずそうに顔を逸らしている。
ヒカリは、もっと優しい人だと思ったのに~。すっごく厳しかったからさー。
だから、別の……もっと優しい人に教育係になってもらいたくて……。
その渾天儀で星を動かして、私が教育係になる前の時間に戻そうとしたのね?
そうだよ。でも誤算だったのは、時間は巻き戻ってもヒカリの記憶は巻き戻らなかった。
大賢者ノイン様とあろう者が、とんでもない失敗だよ~。にへにへ~。
あまりにものんきに言うので、私はそれ以上、ノインを怒る気になれなかった。
そんなことより──。
ヒカリ、私これから星の祝福を配ってくる!
あ、うん! ああ! 私も手伝う!
今は、ステラの祝福の前日の夜。
つまり、ソラナの本番はこれから始まるんだ。
ノインのことは、ひとまず置いておいて──
私はソラナを追いかけようとした。
だけどそこに、神様の使いを名乗る人が現れた。


え? 聖界の神様たちが、私を呼んでいる?

なんだろう……?
とても嫌な予感がする。

※話の最初に戻る
神々のお叱り

「ノイン・ケーラ──星術士の術を用いて、勝手に星の運行を戻したること許しがたし」
「反省するまで、奉仕期間を無期限に延長する」
「同時に、神々の許可なく戻した時間──半日分を直ちに正常な状態に正すこと」
つまり、いますぐ時間を半日「進めて」帳尻を合わせろということ。
それが、聖界の神々からのお告げだった。
これから一晩かけて、星の祝福を配るつもりだったのに……。
今から時間を半日進めるとなると、ステラの祝祭当日の朝になってしまう。
ソラナ……。
でも、神様が言うならしょうがないよね……。
がくっとソラナは肩を落としていた。
また、星を動かすのか~。面倒だな~。
なに言ってるのよ! それもこれも、全部ノインのせいなんだからね!
ノインに当たってもしょうがないんだけど……。
ソラナの気持を思うと、思わず声を荒げずにはいられなかった。
にへ……にへにへ……。
さすがにノインは、しゅんとしている。
いつもの「にへにへ笑い」に元気がない。
ごめん……言い過ぎた。
じゃあ、ノインちゃん。時間を進めてくれる?
神様に言われた通り、ノインが勝手に戻してしまった時間は──
どこかで帳尻を合わせなきゃいけない。
じゃないと、今後の星の運行に多大な支障が出てしまう。
にへにへ……。にへにへ。にへ……。
どうしたの? 早く渾天儀を使って時間を進めなよ。


にへ……。に……。にへ……。にへー!? にへー!?

突然、ノインの「にへ」に元気が戻った。
私たちは何事? と目を丸くする。
ソラナ、落ち込むことないよ。みんなのところに星の祝福を届けられるよ。
だから朝になっても大丈夫。安心して……。にへにへ~。
本当に?
どっからそんな自信が来るのよ?
いいから! じゃあ、時間を半日進めるよ……にへにへっ、にへっ!!


にへにへ~にへっ!
ノインが、渾天儀を使って星の運行を早めた。


天に瞬く星たちは、大急ぎで歩みを早めて──聖界に朝が訪れた。

今度は、私たちの勘違いじゃないんだね。
正真正銘、ステラの祝祭当日の朝を迎えた。
ふえええん! 疲れたよー。
渾天儀の上でぐったりと寝転がっている。
ふう、しょうがないよね。時間はかかるけど、地道に祝福を配りましょう。
結局、元の木阿弥。
ソラナの作業は、また振り出しに戻ってしまった。
当然私も付き合うわよ。
ソラナは、私の言葉に驚くでもなく、当然のように──。
うん! 頼りにしてる。
その気兼ねのない返事が、私にはなによりも嬉しかった。
ソラナに頼りにされてる……。
私の心は、ふんわり軽くなって天にも登ってしまいそうになる。
今から星の祝福を配りに行くの~? そんな面倒なこと、やめた方がいいよ。にへにへ~。
もう、ノインは黙ってて。時間ないから行こう、ソラナ
待って~。だから、もう、そんな面倒なことする必要ないの~。
うるさいなぁ。星の祝福を配るのは、ソラナの役目なの! わかってよ!
いや、知ってるよ。
さっきまでにへにへしていたノインが、突然、真面目な顔になっているのを見て──
私は、驚いてしまった。
ノインの渾天儀を使えば、星から一斉に祝福を降らせることができるよ。にへにへ~。
本当に? でも、今は……。
ソラナは晴れた空を見上げた。
星は、今も空の向こうで輝いているんだ。ノインたちには、見えないだけでさー。
じゃあ星の祝福を、地上のみんなに届けることができるの?
もちろん! にへにへ……にへにへっ!
いつも以上に明るく笑いながら──
ノインは、渾天儀をくるくると回しはじめた。


ノインの星術士の力で、星の祝福は、地上の人々が持つチョコレートに降り注いだ。
私たちは、改めて胸を撫で下ろすと同時に、ノインに感謝したのだった。
やっぱり、大賢者と呼ばれるだけあって、凄い人だったのね……ちょっぴり見直した。
星詠みの聖女としてお礼を言います。ありがとう、ノインちゃん。
にへにへ~。
渾天儀の上で、ノインは照れたように笑う。
でも、ノインの教育係として言うわ。今後、渾天儀の使用は禁止します。
やだ~。厳しい人は、やだ~。あっちいけ~。
没収されないだけ、助かったと思いなさい。
ノインちゃんの力は凄いわ。でも、その力を無闇に使うと、とても大勢の人たちに迷惑がかかるの。
私の言ってること、分かりますよね?
子どもを諭すようにゆっくりと語りかけるソラナ
すると、ノインは素直にこくっとうなずいた。
でも、来年のステラの祝祭に、また星の祝福を配るでしょ?
その時は、また渾天儀の力を使ってよ。その時まで、こいつは封印しておくよ。にへにへ。
まあ、年に一回、いたずらで使うんじゃないならいいかな。
今度渾天儀をいたずらで使ったら、神様たちの怒りは頂点に達するだろう。
そうなると、次はどんな罰が待ち受けているのか、私にも想像つかない。
でもでも~。来年まで待つのは退屈だよ。来月あたりに、使っちゃいたいな~。
ダメ! 星の祝福は、意味なく配るものじゃないんだから。
話を聞いていたソラナが、なにかを思い出したようにぽんっと手を打った。
来月……星の祝福を配るのは、いい考えかもね。
ええ!? どうしたのソラナ!? ノインのわがままを真に受ける必要ないのに!
実は以前から、聖なるチョコレートを貰った人たちからお願いされてたことがあるの。
その願いとは──「受け取った愛をお返ししたい」というものだった。
ふーん。ステラの祝祭から一月後に、お返しする日を新しく作るの?
そうなの! それでこそ、お互いの気持が通じ合うと思うの!
ソラナらしい優しさだね。ま、そういうことなら、反対はしないかな。
本当?
じゃあ、一月後にまたノインは、渾天儀を動かしていいんだね? やったー! にへにへにへ~。
だけど、星の運行を遅らせたり、早くしたりはなしよ?
あくまでも、星の祝福を配るだけだから。いいわね?
うん、わかったよ! にへにへ~。
本当にわかってるのかなと思いながら──
けど、教育係として出来の悪い生徒にちょっぴり期待したりもしている。
それじゃあ、帰りましょうか。
うーん……もうちょっとゆっくりしていかない? せっかくいい天気なんだからさ。
ひなたぼっこ? なんだかヒカリらしくなくていいかも。
そうかな?
本当は、ひなたぼっこでも星を見るのでも……なんでもよかった。
ぽかぽかお日様の下で、みんなでお昼寝だね。にへにへ~。
ソラナと一緒にいられれば、私はそれでいい。
でも、ソラナはなんて思ってるのかな。
なんて思いながら隣を見ると、ちょうどソラナも私を見てて……お互い目があった。
とっさに目を逸らして、飛び跳ねる心臓を押さえつけながら空を見上げた。
聖界の空は、今日も青く透き通っている。


たまには地上から見上げる空も、いいものね……。ね? ヒカリ

うん、とても新鮮だね。

そらから、およそひと月後の朝。
ソラナの星の祝福を、約束どおりノインが渾天儀で降らせたのでした。
星の祝福は、白い幾筋もの光となって地上に降り注ぎました。
それを目撃した地上の人々は、白い雨が降ったと噂するのでした。
やがて、その日は「白い日」と呼ばれることになり──
チョコレートを貰った相手に、お返しする日として、地上の人たちの間に定着したのです。

※話の最初に戻る

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