GUNDOWNER
(0コメント) - GUNDOWNER - ![]() | ||
![]() はっ! | ||
腰だめに構えた拳銃から六連射。 | ||
見事に命中──弾丸の直撃を受けた〈ロストメア〉が倒れ、溶け崩れてゆく。 | ||
お見事、と君はルリアゲハに声をかけた。リフィルは敵の魔力の回収に向かっている。 | ||
すごい銃さばきだにゃ。いったいどうやったら、あんな連射できるにゃ? | ![]() | |
![]() | ファニング、っていう技法よ。引き金を引いたまま、左手で撃鉄を何度も叩くの。 | |
ルリアゲハは、いったいどうしてそんな技を身に着けるに至ったのだろう? | ||
![]() | あたし、もともと武家の姫なの。だから、この手の武芸はたしなみみたいなものでね。 | |
お姫さまにゃ!? | ![]() | |
![]() | 言ってなかった? | |
言われてたら絶対に忘れないにゃ! | ![]() | |
![]() | ああ、でも、今は違うのよ。国を出奔したから、もうお姫さまでもなんでもないの。 | |
どうして国を出たの? と訊くと、ルリアゲハは苦笑を浮かべた。 | ||
![]() | 実は、国がピンチになっちゃって。これはもう戦うしかない、って覚悟を決めたんだけど── | |
![]() | あたしが戦の準備をしてる一方で、妹が、平和的・政治的な解決方法を模索していたの。 | |
![]() | そうしたら家臣たちが、あたし派と妹派で割れて、その隙を敵国に突かれそうになってねえ……。 | |
![]() | だから、あたしが国を出たのよ。内乱を未然に防ぎ、妹の交渉を成功に導くために……ってね。 | |
ルリアゲハは、それでよかったにゃ? | ![]() | |
![]() | そうねえ……。 | |
遠くを見つめて、ルリアゲハは小さく笑った。 | ||
![]() | 実を言うと、あたし、驚いたのよ。 | |
![]() | 国を守り、民を守る。それがあたしの夢で、だからあたしはとことん武芸を磨いてきた。 | |
![]() | でも、冷静に考えたら、間違いだった。妹の考えの方が、正しかったのよ。 | |
![]() | 産業が発達した今の時代、より性能のいい兵器をより多くそろえた方が勝つ……。 | |
![]() | あたしはそれに気づかず、力で乗り切ろうとしたけど……妹は理知と策とで戦いを回避しようとした。 | |
![]() | だからね。これからのことを考えれば、あの子に任せた方がいいって、そう素直に思えたのよ。 | |
ウィズが、わずかに目を細めた。 | ||
そのまま残って妹さんに協力しても、結局、内乱が起こるように敵が手を打ってくる──と考えたにゃ? | ![]() | |
![]() | さすが猫ちゃん。そのとおりよ。 | |
それでルリアゲハは国を出奔し、流れた果てにこの都市に来た、ということらしい……。 | ||
夢見ざる〈メアレス〉となったのも、”国を守り民を守る”という夢を失ったからなのか。 | ||
![]() | 失った、とは思ってないわよ、魔法使いさん。〈夢見ざる者〉ではあってもね。 | |
![]() | あたしの夢は、預けてきたの。あの子に……あの子なら、きっとうまく叶えてくれるって信じて、ね。 | |
![]() | その分あたしはここで戦う。万が一にも〈ロストメア〉が現実に出て、国に害をなさないように。 | |
![]() | だから、今の自分を悲観しちゃいないわ。夢はなくても、楽しくやれてる。 | |
そう言って、ルリアゲハはぱちり、と鮮やかなウィンクを飛ばした。 | ||
![]() 頼れる相棒たちと一緒にね。 | ||
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ||
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ||
![]() ![]() ![]() | ||
![]() |
コメント
旧レイアウト»
0
コメントを書き込む
タグ
タグ一覧>1 | トップページ |
2 | ディートリヒ |
3 | wiki管理人のぐだぐだ日記 |
4 | ハクア |
5 | 黄昏メアレス |
6 | ミカエラ |
7 | ティア |
8 | アイ |
9 | カノン |
10 | ホーリー |