ソフィ

 
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(A)魔女っ子 ソフィ(A)元気な魔女っ子 ソフィ(A+)夜空を駆ける魔女 ソフィ
ASハッピー5ファイブ・スペルファイブ・スペル
SSミックスジュースミックスジュースマジカルパフェ
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(S)魔道少女 ソフィ・ハーネット(L)空飛ぶ大魔道 ソフィ・ハーネット
ASウィッチ・リンクウィッチ・ドライブ
SSマジカルパフェマジカルスィープ
登場時期:2013/10/31 ウィズセレクションガチャ 2015/07/16 L化 

ハロウィンver

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(SS)祝祭の夜空 ソフィ・ハーネット(L)祝祭の流星群 ソフィ・ハーネット
ASおまたせ! いっくよー!ソフィのいたずらがはじまるよー!
SSソフィにまかせて!ソフィにぜーんぶおまかせ!
登場時期:2014/10/15 ハロウィン期間限定ガチャ 2015/10/07 L化 

ソフィ&リルム

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(SS)やんちゃ過ぎる ソフィ&リルム(L)私たち、超無敵の ソフィ&リルム
AS止まらない二人のマジカル止まれない二人の超マジカル
SS合体!グレートザッパー超合体!真・グレートザッパー
登場時期:2015/07/31 3500万DL記念 限定ガチャ 

アルティメットver

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(SS)王都の看板娘 ソフィ(SS+)幸せを運ぶ魔道少女 ソフィ(L)夢を描く箒星 ソフィ・ハーネット
ASムーンサルト・ライドシューティングスター・ライドシューティングスター・ライド
SSソフィのほほえみランタンソフィのほほえみランタンソフィのしあわせランタン
登場時期:2015/09/30 超魔道列伝☆限定ガチャ 

共通情報

名前ソフィ・ハーネットCV山崎 はるか種族術士
登場超魔道列伝☆アルティメットガールズ
世界魔道を追及し、魔道を極める異界
所属-
特徴ワード夢と憧憬を抱く少女、割と常識人
関連キャラ超魔道列伝☆アルティメットガールズ
セリフ1「ソフィは、ソフィの大切なモノのために、絶対に負けたくない!」
セリフ2リルムちゃんはそんなに悪い子じゃないよ。それは知ってるでしょ?」
セリフ3「ちょっと、みんな、ちゃんと話聞いてあげようよ。」
補足情報田舎から王都へ出てきて魔道修行中。今では王都の名物娘として名が知れている。

パーソナルストーリー


バックストーリー

――『ソフィ』は魔女見習いの女の子。今日も元気いっぱいに魔道の修行中。
魔道の修行は厳しいけれど、みんながいっしょなら、『ソフィ』はぜったいくじけません。

王国一の立派な魔女になるため、今日も明日もがんばります!

※話の最初に戻る

バックストーリー(ハロウィン)


——魔道を追及し、魔道を極める異界。

その王都で、年に一度のハロウィンの日にだけ開催される最大の魔道対決〈トリック・オア・トリート〉。
王都の大通りには、その様子を一目見ようと、人々が詰めかけ、
通りに面する家々の全ての窓には、身を乗り出して特等席から見物する人々の姿があった。
そして司会者は魔道で大気を震わせて、全ての見物客にその声を届ける。

「続いての戦いは……この二人だ!!」

「名門ロロット家からの飛び入り参戦!
 戦いの始まりはいつも杖を投げる。
 今日も絶対に投げてやる。丸
 腰になってからが私の戦いだ!
 ロロット家の血はどうしたッ!!
 リルム・ロロットッ!!」

歓声が、禍々しい光を放つ杖を携えた少女を迎え入れた。
あ、あれを投げるのか…… 
見物客の誰もがそう思った。

続いて、その対戦相手が呼び込まれる。
すでに見物客の歓声は最高潮を迎えていた。
誰もが彼女の名を連呼していた。

「王都の名物娘の登場だ!
 相手が飛び道具なら、こっちだって飛び道具だ。
 私はホウキで王都の空を飛ぶ!
 ソフィッッッッ!! ハーネットッッッ!!」

ソフィが王都に来た頃の、最初のハロウィンの時。
ソフィは〈トリック・オア・トリート〉の光景に圧倒された。
そして猛烈に憧れた。

私もあの舞台に立ちたい、と。

あの時、憧れた光景が、いまこの場に実現している。
王都に来たばかりの頃には、冷たい眼をしていると思っていた王都の人たちが、
まるで身内のように声援を送ってくれている。

田舎から古臭いホウキを一本持って、やってきた魔女見習いの少女は、
いつしか“王都の娘”として愛されるようになっていた。

だから、必ず王国一の魔女になる!

ソフィはそう決意してこの〈トリック・オア・トリート〉に臨んでいた。
だが、この年の〈トリック・オア・トリート〉は誰もが予想だにしない方向へ展開した。

ソフィとリルムの戦いの最中、突如現れた巨大ジャック・オー・ランタン。
〈トリック・オア・トリート〉の戦いに敗れた魔女が怒りにのまれ、禁呪に手を出し、暴走させたのだ。
愛する街、愛する人々を傷つける怪物を、ソフィは決して許さない、いや許したくなかった。
だが、強大な敵に立ち向かうには、まだソフィの力が足りなかった。

そんな時——

『ソフィ……』
『ソフィ……』

と彼女を呼ぶ野太い声が聞こえた。
声のする方にはリルムの杖が落ちていた。

『我は〈魔杖エターナル・ロア〉だ。
 
 我を使え。
 さすればお前の望みは叶う。
 
 ただし、その代償としてお前の精神と肉体は奪わせてもらうぞ。
 さあ、選択せよ。
 そして我を手に取れ』

ソフィは迷わず杖を手に取った。
望みは叶う。
その言葉しか聞こえなかった。

「待って、ソフィちゃん。私も手伝うよ」
リルムちゃん……」ソフィは巨大な敵を見すえて、言った。
「〈トリック・オア・トリート〉は大切なモノを一つ賭けて勝負に挑む。
 ソフィは、ソフィの大切なモノのために、絶対に負けたくない!」
「ソフィちゃん。二人の力を一つに。さあ、私にも杖をかして」

『小娘。まさかとは思うが……』
「うん。行くよ、リルムちゃん! 

 行っけー! 
 グレェェ——トザッパァァァ——ッ!!」

『だから投げるなと言っているだろうに!!』

※話の最初に戻る

①飛べ!エターナル・ロア

我だ。〈魔杖エターナル・ロア〉だ。我を使う者は絶大な力を得る代償として……
我に精神と身体を奪われる……はずである。
ほい!
あうっ……!
あ、右だ
杖が右むいたから右に行こ。ソフィちゃんもそれでいいよね?
ソフィはいいけど、リルムちゃんは大丈夫なの?
魔道百人組手のこと? 大丈夫、大丈夫!
魔道百人組手。簡単に言えば百人の名のある魔道士と試合をすることである。
小娘は家の掟として、そんな厳しい旅を課せられているのだ。
なるほど若い身の上で、ずいぶん立派ではないか。……と思うかもしれない。
組手の事は明日考えるから、今日は早く街にたどり着いて、おいしいもの食べようよ。
ところがこの小娘の主な行動は、買い食いをする、得体の知れない可愛いものを買う。
ふざける、寝る、物を壊す、我を投げる、などとおおよそ魔道とは無関係なことばかり。
いかんではないか。
親不孝ではないか。アホなのか。バカなのか。魔道士としてダメではないか。
……と思うかもしれない。我も思う。
いいなー、ソフィちゃんは飛べて。私もソフィちゃんみたいに飛びたいなー。
でもホウキじゃないからなー。杖じゃなー。
小娘! 口を慎めよ。我を誰だと思っている。〈魔杖エターナル・ロア〉だぞ!
ソフィ、ホウキ以外でも飛べるよ。
マジ? じゃあ、意外と杖でも飛べちゃうかも?
バカモン! 飛べるか! 乗るな! 降りろ!
ムムム……。
あれ? 我、浮いてる? もしかして我飛べる? やだ、我……飛んじゃう!
すごい! すごい! その調子だよ、リルムちゃん。
だが、この小娘……でたらめではあるが、才能はあるのだ。
いっけーー! グレェェートザッパァァーー!
ぬああぁぁぁーー。
はやー……。あ、リルムちゃん! 止まり方知ってるのぉ!?
うわああああーー! 止まらなーい!
ぬうぅぅー! こ、小娘! 何とかしろ!
リルムちゃ-ん! えーと……と、とりあえずがんばってー!
あ! やば……! 人ッ! ど、どいてー!
うわぁ……。超……何か突っ込んでくる。
我、死ぬと思った。杖だけど死ぬと思っていた。ところが……。
ええーい!
その魔道士の周囲に炎が立ち上ったかと思うと、一瞬にして彼女は魔力の軌道を捻じ曲げた。
気づけば、我と小娘はその魔道士の前にいた。
けほッ! けほッ! な、なにが起こったの?
だ、大丈夫、リルムちゃん。それに、あなたも……。
私は平気。そっちの子はどうかな? ちょっと荒っぽいことしちゃったけど……。
だーいじょうぶ! 超無事!
そっか。よかった。私はレナ。これも何かの縁だね。よろしく。
レナっ! レナ・イラプション! ちょ、ちょっとリルムちゃん!
どうやらソフィはこの魔道士に心当たりがあるようだ。
我のいる世界では全ての者が魔道を志し、魔道を極めんとする。
魔道こそがこの世界の理である。有名な魔道士なら、その名はすぐに知れ渡る。
リルムちゃん、あの人、すっごい有名だよ。
マジ?
うんうん。爆炎のレナ。みんな知ってるよ。
や、やべー。いま私そんな人とぶつかりかけたの? もしかして怒られる?
あ……。怒られるかも……!
いや、いま、よろしくと言っていたぞ。
に、逃げちゃう?
逃げよう!
だから、よろしくと言っていたぞ。
何をコソコソ話しているの?
す、すいませんでしたー!
でしたー!
あ、ちょ、ちょっと……。行っちゃった。
リルム……。何か聞き覚えがあるなあ。それにあの杖……。喋ってた?

※話の最初に戻る
リルムの決断

レナとかいう魔道士から慌てて逃げ出した後、ソフィと小娘は近くにある学園都市に宿を取った。
小娘の目的は修行と魔道百人組手の達成のはずだが、街が祭りの最中だと見て取るや……。
よし。遊ぶぞ!
とまあ、この調子である。
と思ったけど、お金が足りないや……。どうしよ。
ソフィが、少しだけ貸してあげようか?
大丈夫、大丈夫! 今日、父さんからの仕送りが届くはずだから。
それに友達からは借りたくないよ。
そっか。それならいいんだけど。じゃ、ソフィ、ちょっと用事があるから行くね。
うん。行ってらっしゃーい。
ところがこの直後に受け取った手紙で小娘は絶望に叩き落とされてしまう。
し、仕送りが……。と、止められた。
あれだけ遊びほうけていれば当然だ。
やばい……。お祭りが終わっちゃうよ。
もっと他に考えることがあるだろう。
そうだ……。杖を売ろう! そうすればお金が手に入る。
そうそう。そうやって路銀を稼ぐことをまず第一に考えるのが──
わ、我を売る!?
それがいい。父さんの杖だし、きっと高いものに違いない。
バカモノ! 我は魔杖だぞ! いろいろ厄介なんだぞ! 売っていいわけがあるか!
よし! 磨こう!
なにきれいに磨き始めている! 包むな! 丁寧に包むな!
よおし、完璧!
と、言うわけで。
我が尋常ならざる魔力を得て、意思を持つようになってから幾星霜。
名だたる魔道士たちを邪悪な力により、傀儡とし、世界を恐怖の底に落とした挙句……。
我は質屋に売られるらしい。
小娘、考え直せ。我を売ったところで高く買ってもらえんぞ。
我、ちょっと癖が強いからな。道具としては使い勝手が悪いのだ。
すいませーん! この杖買ってくださーい!
杖の話を聞け!
店先にホウキと一緒に並んでいる我……。憐れ。
ロ、ロアちゃん! どうしてこんなところに!
ソフィ……。我を手に取るのだ。そして我を……買い戻してくれ。
う、うん。良いけど。いまちょっと用事があるからそれを終わらせてくるね。
簡単な魔物退治だからすぐ終わるよ!

(戦闘終了後)

そうです。このおっきい杖をください。あ、包まなくていいです。そのまま使いますから。
運良くソフィに買い戻された我は、彼女と二人きりで川辺に並んで座り、そのいきさつを話した。
なるほど、そういうわけなんだ。
今回ばかりは我も我慢の限界だ。あの小娘の元にはもう戻らん。
でも、ロアちゃん。リルムちゃんはそんなに悪い子じゃないよ。それは知ってるでしょ?
……たしかに根は悪いヤツではない。それは知っている。だが……。
正直者で、正義感だって強いし、すごく前向きだし。
でも、どうしようもなくアホだ。
うん。
そもそも小娘は我の声に耳を貸さん。
聞こえているのか、聞こえていないのか。あんなヤツは始めてだ。
聞こえてるよ。リルムちゃん、ロアちゃんの声、聞こえてるって言ってた。
ではなぜ、聞こえないふりをする……。まさか、我に悪しき力を使わせまいとして……!
ううん。杖が喋るとか意味不明だから、無視してるんだって。
……やっぱり我、アイツの所には絶対戻らん。
……ソフィ、我の持ち主となってくれ。我の力を全て差し出そう。精神も奪わん。だから、頼む!
ロアちゃん……。
ソフィ、杖使わないよ。
……うむ。そうだったな。
悲しい風が吹きすさんだ。すると、その風に乗って聞きなれたマヌケ声が聞こえてきた。
おーい!
やっぱりソフィちゃんだったんだ。ホウキを持った子が買ったって言ってたから……。
リルムちゃん、あのお店に行ってたの? どうして?
どうしてって? もちろん買い戻すためじゃん。
売ったのはいいけど、やっぱりよくない気がしちゃってさ。
……!
ほら、そのためのお金も稼いできたんだよ!
小娘はとんでもない額の金を我とソフィの前に出した。
すごい。で、でもこんなお金どうやって?
ん? レナって人と戦うなら、ってお金もらえたの。
ふーん……? え? リルムちゃん、レナと戦うのー!
うん。ソフィちゃんもだよ。
え? えーー!

※話の最初に戻る
③魔道少女VS魔道少女

この世界では魔道士同士の戦いが最も人々を喜ばせる。
祭りの余興として名のある魔道士の戦いを用意すれば、それこそ大いに喜ばれるだろう。
ただし、それは魔道士からすれば相応の危険も孕んでいるのだ。悪ければ命を落とすことも……。
へえ。レナってそんなに強いの?
案の定、小娘はさして考えもなく、この戦いを受けたのだが。
リルムちゃん、相手は大魔道士だよ。私たちじゃ敵うかどうかわからないよ。
んー、たぶん大丈夫! こういうのは考えたって仕方ないよ。やるだけやろうよ。
……そっか。そうだよね。
そうだよ。やるだけやろ!
我には小娘のその態度が虚勢であることはわかっていた。
我を握る手が震えていたのだ。
小娘、聞け。相手は相当な手練れと聞く。勝つ見込みはあるのか?
…………。
初めてではなかろうか。小娘が我の言葉に反応したのは……。
……ないよ。
……小娘、我を使え。
……!
投げても構わん。我を見くびるなよ。我は〈魔杖エターナル・ロア〉だ。
投げられるうちにコツを掴んだ。いまなら山くらい吹き飛ばせるだろう。
……いいの? 私は売ろうとしたんだよ?
だが買い戻そうとした。その為にこの戦いを引き受けたのなら……。
我が力を貸すのは当然だ。お前は我の持ち主のはずだ。自由に使えばいい。
……ありがとう。杖の人。
〈エターナル・ロア〉だ。
私も、「小娘」じゃないよ。
ふん。100年早いわ。「小娘」が。
我ながらなぜこんなことを言ったのか……。いまでは少し後悔している。
だが、自然と言葉が出たのだ。
どうしたの? リルムちゃん?
ううん。ソフィちゃん、絶対勝とうね!
あの時の子がロロット家の……。 あの杖が〈エターナル・ロア〉。
興味あったんだよね、〈エターナル・ロア〉。どんな力を秘めてるのか……。
この戦いを見るために、多くの人々が集まっていた。
レナはもちろん、ソフィと小娘の名も観客を呼ぶことに一役買っていたようだ。
小娘、用意はいいか?
もちろん! ソフィちゃん! やろう。
うん。リルムちゃん!
そして、戦いの始まりが告げられた。
我を見よ。これが〈魔杖エターナル・ロア〉の力だ!
すごい……魔力ね!
行くぞ! 小娘! ソフィ!
そして、小娘は我をおおきく振りかぶった。
行っけぇー!
グレェェート!
ザッパァァァーッ!!
と見せかけてリルム系ラジカル融合魔法ドーン!
マジカルパフェ!
は?
フェ、フェイント!? くッ、こっちだってフルスロットルよ!
うわー! 負けるか! しゃにむに複合魔法ドーン!
お、おい……。
ウィッチリンク!
あの、我は? 我本気になったんだけど……?
杖、邪魔!
あうッ!
てやー!
とあー!
えーい!
……おーい。我がおるぞー。本気になった我がおるぞー? 聞いてるかー?
こなくそー!
リルムちゃん、行くよー! 超マジカルで!
超ラジカルッ!
おーい。おーい。我はー? 我はー……。
……
我だ。〈魔杖エターナル・ロア〉だ。我を使う者は絶大な力を得る代償として……。
我に精神と身体を奪われる。
ほい! ……お、右だ!
こっちは自由都市の方だね。
あそこって、いろんなものが売られているんだよね? きっとおいしいものがいっぱいだね!
うん。いまから楽しみだね!
ま、我を使えば、の話である。

※話の最初に戻る

さよなら魔道少女

我だ。 <魔杖エターナル・ロア> だ。
グリモワール・グランプリが終わり、我は再び旅をしている。
小娘と……ソフィと。だがそれも、もう終わりを迎えるようだ……。
4998……4999……5000! 5000!!
やったーー!!
ソフィちゃん。すごーい。あの金額をたった一年で返しちゃうなんて……。
小娘とソフィは王都にやって来ている。いや、帰ってきたと言うべきか。
旅の始まりは一年前の、ハロウィンの祭りで賑わう王都だった。
魔道士が互いに大事な物をひとつ賭けて戦う <トリック・オア・トリート> 。
その対戦相手として、小娘はソフィと出会った。
うん。お城の半分を修復するお金だから、ソフィももっと時間がかかると思ってた。
小娘とソフィの対決は、途中で余計な邪魔が入ったせいで、決着はつかなかった。
あのかぼちゃオバケをぶっ飛ばすつもりが、間違ってお城を壊しちゃった時は焦ったなあ。
そのかわり、小娘がやらかした失態の連帯責任を負う形で、ソフィは多額の借金を背負った。
ソフィが小娘と旅に出たのは、借金の返済が目的である。
それが返済し終わったということは……ソフィの旅もこれで終わり。
じゃ、ソフィはこれからお城に行って、お金を返してくるね。
私も父さんに立て替えてもらった分を返さなきゃなあ……でも今は――。
お祭りが大事! ……と思ったけどお金がない。
お前、そればかりだな。少しは計画性を持ったらどうだ? ソフィを見習え。
お金、お金……お金かあ。チラッ。
ギクッ!
チラッ。チラッ。
ギクッ! ギクッ!
チラッ! チラッ! チラッ!
ギクッ! ギクッ! ギクッ!
もう、リルムちゃん。ロアちゃんを売ろうとしちゃダメだよ。
へへへ。冗談だよ、ソフィちゃん。
やって良い冗談と悪い冗談があるぞ、小娘!
大丈夫、けっこう厄介な物らしいから売らないよ。それに、大して高くないしなあ。
小娘、いつか泣かす。
では私も、ソフィちゃんを見習って、魔物でも退治して、そっこーでお金を稼いでくるか。
行っくぞー!
あ、リルムちゃん! ロアちゃんは?
どうせ使わないから、ソフィちゃん持っておいて。
う、うん。
…行っちゃった。リルムちゃん、わかっているのかな?
…………。
借金を返済し終わったということは……ソフィの旅もこれで終わり。
小娘はそのことが分かっているのか。アホなのでその可能性は低いだろう。
ちょうど、一年後のハロウィンの日に、その日が訪れるというのも、少々皮肉なものである。


賠償金を、城に返済し終わったソフィと我は、祭りの気配で賑やかな街中を歩いていた。
ソフィ。小娘との旅はもう終わりか?
ロアちゃん……。気づいていたんだ。
魔杖だからな。
これでいいんだよ。リルムちゃんなら、私なんかがいなくても大丈夫だよ。
だが、相当のアホだぞ。
うん。……でもロアちゃんもいるし。
ソフィ、我の昔話を聞いてくれるか? ……我は昔、尖っていた。
触れる者全てを傷つけるような……そんな生き方をしていた。
だが小娘やソフィと旅をしているうちに、我ながら丸くなった気がする。
それは本当だった。我はいま、ソフィに杖として扱われている。ただの杖として。
小娘には杖としてすら扱われていないが、どちらにしても、昔の我からは考えられない姿だ。
それはきっと小娘やソフィの特別な力だ……。まあ、魔法と言っていいだろうな。
それを失っていいのか。お前たちふたりの魔法を。
ロアちゃん……。
昔、槍だったの?
尖っていたというのは、形状の話ではないな……。ちょっと例えが難しかったか。
ううん。なんとなくわかるよ。ホントはね、私たぶん、リルムちゃんに嫉妬しているんだ。
ソフィもあんなふうに生きてみたいな……って思う。自由で、努力なんかしてないのに……。
あんなにすごい魔道士で……。だから、リルムちゃんとずっと一緒にいたらソフィはダメになる。
そんなふうに思う時があるんだ。だからここでお別れにしようと思う。
そんな考え方では、どこへ行っても無駄だぞ。闘ってみなければわからんではないか。
闘う前から負けた気になっている者は――。小娘以上のアホだ。
…………。
ちょうどいい機会だ。もう一度 <トリック・オア・トリート> で小娘と闘ってみろ。
闘ってみてダメでも、きっといまとは違う景色が見えるはずだ。
どうだ? 我もソフィを手伝うぞ。
ロアちゃん……ありがとう。
まったく。最近の我はどうかしている。
そろそろ <魔杖> の名も返上せねばならんかもな。


そして、対決の時はやってきた。
こうやって、ソフィちゃんと対決するのも、一年ぶりなんだね。
なんか、変な感じだね。
そういえば一年前のあの時、我はソフィに使ってもらいたいと思っていた。
一年の時を経て、その願いが叶ったわけだ。つくづく今年のハロウィンは妙な偶然がある。
だがあの時とは、我も小娘もソフィも、少し変わったのかもしれん。
成長。もう数百年生きている我が言うのも、おかしなものだが、そういうことなのだろう。
行くよ。ソフィちゃん。
うん。リルムちゃん。
小娘。悪く思うなよ。今回ばかりはソフィに勝ってもらうぞ!
とあー! リルム式ハチャメチャ――!
あ! ちょっと待って、リルムちゃん!
ほえ?
うっかりロアちゃん、持ったままだったよ。ちょっと置いてくるね。
は? 我も一緒に闘うぞソフィ! 我を使い、小娘に打ち勝つのだ。
そして、弱い自分を超えるのだ、ソフィ。
うん。でも、ソフィはひとりで闘う。
……そうか。そうだな。ひとりで闘わなければ意味はないか……。我が間違っていたな。
ううん。違うよロアちゃん……。
ソフィ、杖使わないから。
あ。そっち? ……そうだったな。
もういい? ロアちゃん。
うむ……。
じゃ、リルムちゃん。改めて試合開始だよ!
望むところだ、ソフィちゃん!
……ま、いいか。


ほい!
はうっ……! こ、小娘、もうちょっと低く投げろ……。き、傷がつく。
左か……。
小娘……。
左は秘宝都市だね、リルムちゃん。
ああ、そっか。全然分からなかった。
小娘、いい加減地図くらい読めるようになれ。
対決の結果……。というかふたりの大暴れの結果。
ソフィの魔法が再び城を破壊し、またしてもソフィは借金返済の旅をする羽目になった。
だが、我はソフィがわざとやった気がしている。
怪我人がひとりもいないというのは、少々出来すぎた偶然に思えるからだ。
ともかく我と小娘とソフィの旅は、再び始まる。今度の目的地は……。
リルムちゃん、乗って。秘宝都市までひとっ飛びだよ。
オッケー!
小娘、もっと我をしっかり持たんか! 前みたいに途中で落とすなよ!
目指すは!
秘宝都市! のなんて名前だっけ?
プレ=ボ、プレ=ボだ。小娘。少しは地名も覚えるようにしろ!
あー、耳が痛ーい。
ふふふ。ロアちゃん、リルムちゃんのお母さんみたい。
せめてお父さんにならんか……。


今度の目的地は秘宝都市プレ=ボ。さて、何が起きるのやら……。


※話の最初に戻る

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