これが最後の試練だ!
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──翌日も、朝から夕方まで、魔道の勉強会が行われた。 | ||
![]() | ほらニコラ、これは水の紋章の亜種で、雷の力にも対応しているんだ。 | |
だから雷雨の紋章というわけね。それにこっちは──。 | ![]() | |
えーと、あれ? 火と水はなんだっけ? | ![]() | |
![]() | それはこれにゃ。 | |
![]() | あ、黒猫さんが踏んでる紋章! それそれ! | |
マジかよ。この猫、ひょっとして頭いいのか? ……魔法使い、ちょっと抱っこさせて──、 | ![]() | |
![]() | ヤにゃ。 | |
並び替え問題、ぜんぜんわかんないです~。こうなれば……ええい、ままよー! | ![]() | |
![]() | なんでサイコロ持ち歩いてんだ……。 | |
──勉強会が終わり、夜。今日は臨海学校最後の夜ということで、浜辺で花火を楽しむ予定だ。 | ||
やっと来たか、貴様ら! | ![]() | |
![]() | みんなで花火するの、ずーっと楽しみにしてたんです! | |
花火は、アキラ君が用意したんだよね? | ![]() | |
![]() | おう! ここにこうして、たっぷりどっさり……。 | |
![]() | あれ? | |
![]() | ふはははははははは! | |
──突如として響く高笑い。見ると、岩場の上にダンケルが立っている。 | ||
![]() | 諸君! よくこれまで試練を乗り越えてきた! ノア君もがんばったね。新しい制服だ! | |
ありがとうございますー! | ![]() | |
![]() | ||
だからちょっと制服授与のテンポ早くないですか!? | ![]() | |
![]() | さておき! こうなれば、臨海学校最後の試練を君たちに課さねばなるまい! | |
『なるまい』も何も、試練を課す必要がそもそもないと思いますけど! | ![]() | |
![]() | 君たちのためを思えばこそだ! | |
![]() | 夏だ海だ恋の三角関係だと浮かれる君たちに喝を入れるため、私は試練を用意してきた! | |
夏で海なんだから、別に浮かれたっていいじゃないですか~! | ![]() | |
![]() | 問答無用! 君たちの大事な花火は預かった。返してほしくば、私を倒してみせるがいい! | |
![]() | できなければ……全・員・留・年ッ!! | |
って、ふざけんなぁーっ!! | ![]() | |
![]() | ふははははー! こーこまーでおーいでー! | |
──コウモリたちが作るハンモックに乗って、ダンケルは優雅に夜のビーチを飛んでいく。 | ||
どう考えても、いちばん浮かれてんのはあのおっさんじゃねぇか!? | ![]() | |
![]() | あの方が悪ノリすると、ロクなことにならないわね……。 | |
て、ていうかヤバいよ! アタシ、留年したくなーい! | ![]() | |
![]() | みなさん! こうなったら──。 | |
ああ。学園長をぶっちめて、平穏な青春を取り戻すぞ! | ![]() | |
おおーっ! | ||
──逃げるダンケルを追って、君たちはビーチの魔物を薙ぎ倒していく。 | ||
──イツキたちに迷いはない。悩みはあれど、生徒会として戦うという意志は鈍らない。 | ||
こいつで、最後だ! | ![]() | |
──イツキとリンカの剣が、最後に残った魔物を叩き伏せた。 | ||
さっすがみなさん! バッチリですね! | ![]() | |
ああ──だな! これならあのおっさんも目じゃねぇぜ! | ![]() | |
ふはははははははッ!! | ||
──突如として闇が立ち込めたかと思うと、その奥から、ゆるり、とダンケルが姿を現す。 | ||
![]() | ||
![]() | 調子に乗るのもそこまでだ、諸君。ノリノリのときの私は、自重というものを知らんぞ! | |
いや、それはもう、だいぶ前からわかってるんで……。 | ![]() | |
![]() | クク……君たちには補修を受けてもらおう! 絶望のなんたるかを教え込んでくれる! | |
補修は正規の手続きを踏んだうえでお願いします、学園長。 | ![]() | |
![]() | ま、まじめに返さないでくれるかね、リンカくん! | |
とにかく! あんたがどれだけノリノリでも、勝ってみせる! オレたちの心はひとつだ! | ![]() | |
留年っ、やだぁーっ!! | ![]() | |
![]() | 来るがいい! 波しぶきのように散らしてやろう!! | |
![]() | ふははははは! 喰らえ、身体を回し腕を大きく横に振って希望を打ち砕く波動! | |
闇の波動がバリアーになっている……このままでは近づけないわ! | ![]() | |
あらゆる力を押し返す闇の波動……あれを打ち破る方法は、1つしかないよ! | ![]() | |
すなわち……力ずく!! | ![]() | |
……わかりました。あたし、行きます! | ![]() | |
![]() | 危険だぜ。押しきれなかったら、吹っ飛ばされることになる。 | |
大丈夫です! このくらいで怖気づいてちゃ、学園の平和なんて守れない! | ![]() | |
![]() | ──立派だ、ノア。 | |
──笑いながら言って、イツキが水の剣を振る。 | ||
──すると、ノアの周囲に霧が生じた。 | ||
![]() | 清めの霧だ。気休めくらいにはなるさ。 | |
![]() | こちらは炎の魔力で背中を押すわ。 | |
![]() | あたしとシャーリーは、飛んでくる魔法を迎撃するね! | |
みなさん……ありがとうございます! | ![]() | |
行かせてもらいます、学園長! | ![]() | |
![]() | 来るがいい、教え子よ! 命乞いの仕方を教育してやろう! | |
──駆け出していくノア。 | ||
──彼女を狙って放たれる魔力は、君とニコラ、シャーリーが撃ち落とす。 | ||
──リンカの炎を受け、グンと加速したノアが、ダンケルを守るバリアーへと激突する。 | ||
ぐぅうぅうううっ……! | ![]() | |
──イツキの清めの守りがあってなお、闇の魔力に押し返されそうになる……。 | ||
――それでもノアは、構えた大剣を押し込みながら、じりじりと前に進んでいく。 | ||
行きます……。 | ![]() | |
──止まらない。 | ||
行きまぁーすっ……! | ![]() | |
──あきらめない。 | ||
どこまで、だって……踏み出して、突き抜けますっ!! | ![]() | |
──進みゆく足取りが、徐々に加速し……、 | ||
──その直後、闇のバリアーとノアの剣とが、同時に砕け散った……。 | ||
![]() | 破った、だと!? | |
でも、武器が! | ![]() | |
かまうこたぁねぇ。 | ![]() | |
──腕を組み、目を閉じていたヴォルフが、大声を張り上げる。 | ||
武器がねぇならアタマを使え! 根性かませやド新人! | ![]() | |
押忍っ!! | ![]() | |
──そのまま、ノアは突進していく。 | ||
──意地とガッツを乗せた頭突きが、ダンケルの鼻柱をまともに直撃した。 |
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