迷子の子羊?
(0コメント)| コヨミの警戒が解けたところで、お互いの状況を打ち明け合った。 | ||
|  | 俺もクロも……気づいたら、この島に迷い込んでいたんだ。 | |
|  | キワムにーには、どうしたらいいのかわかんなくて迷子になってるわたしを助けてくれたんだよ。 | |
| すいません。私が、魔人と戦うために戦ってくれそうな人を呼び寄せたんです。 |  | |
|  | じゃあ、俺がここにいるのは、お前らに呼ばれたからなのか……。 | |
| デザートンを倒せば、すぐに元の世界にお帰しますので……! |  | |
| 申し訳なさそうに頭を下げる。 | ||
|  | いや、すごいな。そんな魔法があるなんて! | |
| 純粋に驚くキワムとは対照的に、コヨミはタローの頭を撫でながら、険しい表情を見せる。 | ||
|  | どうしてみんなケンカするのかなぁ……? みんな仲良くすればいいのに……。 | |
|  | キャン! キャン! | |
| 話し合って、すぐにわかりあえる相手ではなかった……ということだ。 | ||
|  | デザートンか……。 | |
| なにか知っているの? と君はキワムに問いかけた。 | ||
|  | いや、俺は── | |
| その時だった。 | ||
| ふっ、ふっ、ふっ……。よく来たね。哀れな迷子の羊たち……。 | ||
| あやしげな笑い声が、どこからともなく聞こえてくる。 | ||
| お、男の声? 一体どこにいるの!? |  | |
| あそこだ! |  | |
|  ボクは、ほら、見てのとおりのハンサム! だから名前もハンサム! この城へようこそ! | ||
| ハンサム? 自分で言ってちゃ世話ないにゃ。 |  | |
| ほんとね……。 |  | |
| ハンサムと名乗るあやしい男は、君たちの前に立ち塞がる。 | ||
|  | デザートンを追うだなんてバカなことはやめて、このボクの美貌に見とれてるがいいさ。 | |
| そういうお前は何者だ? |  | |
|  | ボクは、デザートンの分身さ。彼のハンサムになりたいという願望がボクを── | |
| ハンサムは、地面を蹴って高々と飛び上がった。 | ||
| そして、空中で宙返りして華麗に── | ||
| ハンサムは、着地の瞬間、足首を捻ってしまった。 | ||
|  | ぐあっ! 足が!? だが……ボクは、こういう時でも華麗に……格好いいのさ! | |
| ハンサムは、びしっと(捻った足首に負担のかからない)ポーズを決めた。 | ||
| 面白い男にゃ。 |  | |
| はあ……。 |  | |
|  | この美しいボクを倒さなければ、デザートンの元に辿り着けないよ! | |
| なに!? |  | |
|  | この城は、一度入ると抜けられない迷宮! このボクに挑もうというのなら── | |
|  | 死にもの狂いで、ボクに追いついてごらん! | |
| 足を捻挫しているはずなのに、ハンサムの逃げ足は速かった。 | ||
| 見失う前に追いかけるにゃ! |  | |
| 行こうぜ! |  | |
| 君たちは、ハンサムを追うことにした。 | ||
| ハンサムを追いかける君たちは、アイスの城の内部を駆け回っていた。 | ||
| ハンサムは、こっちに向かったみたいにゃ。 |  | |
| いくら進んでも、出口に辿り着かない……。 |  | |
|  | あのハンサムを倒さない限り、先には進めないってことかよ。 | |
| 君は、アイスの床の上を走るが、さすがにアイスでできているだけあって、滑って走りづらい。 | ||
| きっと、これもハンサムの作戦なのでしょう。 |  | |
| ウィズは、一生懸命みんなに付いてくるコヨミを気遣った。 | ||
| いきなり巻き込むことになってごめんにゃ。大丈夫かにゃ? |  | |
|  | うん、コヨミは平気だよ。それにしても、さっきの人、足捻ってたみたいだけど大丈夫かなぁ? | |
| こんな時に、敵の心配かにゃ? 君は優しい子にゃ。 |  | |
| だからこそ、コヨミたちに負担がかからないよう、頑張ろうと君は思った。 | ||
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