熱き刃の肝試し
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![]() | うむ、ここであるぞ皆の衆。 | |
──浜辺を越えた君たちは、ようやく旅館に到着した。 | ||
──リチャードとの戦いにずいぶん手間取ってしまった。もう日が沈み始めている。 | ||
また罠じゃないだろうな、これ。 | ![]() | |
![]() | あれはそなたらに対する試練だと言ったろう。旅館に泊まる資格があるか確かめるためのな。 | |
旅館に泊まる資格ってなに……? | ![]() | |
腕っぷしの強さを証明すりゃ、泊まってもいいってことだろ? わかりやすいじゃんよ。 | ![]() | |
![]() | その通りだ諸君、よくぞ試練を乗り越えた! | |
![]() | そしてノア君! 君の制服が完成したぞ。これを着てくれたまえ! | |
わーい! ありがとうございます! | ![]() | |
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あの……例の『試練』は、学園長の差し金だったということですか? | ![]() | |
![]() | むろんだ。臨海学校とは己を鍛える場。気を抜けるものではないのだと知りたまえ! | |
えぇ~……合宿なんだし、もうちょっと軽いノリでいいじゃないですか~……。 | ![]() | |
![]() | あ……イツキ君、ニコラさん! | |
![]() | みなさん、こんばんは! | |
![]() | ふん。遅い到着だな、貴様ら。 | |
![]() | 役者はそろったようだね。では、夜のイベントを始めようではないか。 | |
夜の……イベント? ま、まだ何かやるんですか? | ![]() | |
![]() | 当然。臨海学校の夜と言ったら……肝試しだ!! | |
![]() | さあ、ここにクジを用意した。心して引きたまえ! | |
──君たちは、言われるままにクジを引く。 | ||
![]() | 同じ色のクジを引いた者同士、チームを組めるようにしている。確認してほしい。 | |
──君たちは、顔を見合わせ、チームを確認する。 | ||
──クジによって選ばれた組み合わせ……それは……。 | ||
──ジョージ&エミリア組、リンカ&ニコラ組。 | ||
──イツキ&アキラ&アーシア組、ヴォルフ&シャーリー組。 | ||
──君は、ノアとのチームだ。 | ||
![]() | よろしくお願いします、魔法使いセンパイ! | |
![]() | では諸君! そこにある山の頂上に赴き、『肝試し完了の証』を取ってくるのだ! | |
──君とノアは、そろって山道を歩いている。 | ||
![]() | うーん……なんだろ……センパイがた、なんだかギクシャクしてる気がする……。 | |
──ノアのつぶやきに、どう答えたものかと君が考えていると……。 | ||
![]() | ……!? これ、悲鳴ですよ! | |
──離れたところから、女性の悲鳴が響いてきた。あれは、ニコラだろうか? | ||
──君たちは、急いでそちらへと向かった……。 | ||
──その頃、リンカ&ニコラ組……。 | ||
![]() | …………。 | |
…………。 | ![]() | |
![]() | ね……リンカ、さ。最近、ちょっとこう……平常心、って感じじゃない時、あるよね。 | |
そう……かしら? | ![]() | |
![]() | うん。特に、ほら……ヴォルフ、絡んだときとかさ。 | |
……! | ![]() | |
![]() | ノアが来てから、ずっとぴりぴりしてる。昼間の戦いもさ……らしくなかったよ。 | |
私は……別に、そんなことは……。 | ![]() | |
![]() | ──そんなこと、あるじゃん。 | |
![]() | そこ、ごまかすのは……よくないよ! 自分に気づいてないフリ、するのはさ……。 | |
![]() | だって、傷ついちゃうじゃん! リンカも……あの人も……あたしだって! | |
ニコラ── | ![]() | |
![]() | ||
![]() | ──若いな。 | |
……!? 誰っ!? | ![]() | |
![]() | 俺はツキカゲ。貴様らの『肝』を試すため雇われた、流れの武士だ……。 | |
え、ええ!? いや、『肝試し』ってそういう意味じゃ……。 | ![]() | |
![]() | 仕事は仕事……果たさせてもらう! | |
きゃ、きゃあぁあぁあーっ!? | ![]() | |
──驚いたニコラは悲鳴を上げて尻もちをつく。 | ||
同時に足首をひねってしまい、痛みに震えた。 | ||
いたぁっ……! | ![]() | |
ニコラ! | ![]() | |
──割って入ったリンカが、ツキカゲの剣を刀で受け止める。 | ||
![]() | ほう、いい腕だ。だが、俺の二刀をさばけるか!? | |
──ツキカゲの高速の連撃が放たれる。 | ||
リンカは右腕を強打され、刀を取り落した。 | ||
くぅっ……、これは、模造刀!? | ![]() | |
──刃がないのだ。斬られたわけではないが、強烈な打撃を受けた右腕に激痛が走る。 | ||
リンカ、ニコラ! | ![]() | |
無事か、おまえら! | ![]() | |
悲鳴が聞こえたから来てみりゃ……これ、おばけでもなんでもないだろ! | ![]() | |
──ツキカゲに斬りかかるイツキ。ツキカゲは軽やかにかわし、イツキに目標を切り替える。 | ||
イツキ君! | ![]() | |
く── | ![]() | |
──拳を固めたまま、ヴォルフは動けない。狼を殴ることにためらいがあるのだ。 | ||
ふたりを連れて下がれ、ヴォルフ! | ![]() | |
イツキ……! だがよ──。 | ![]() | |
早くしろッ!! | ![]() | |
くっ……、すまねぇ──わかった! | ![]() | |
──ヴォルフは、負傷したリンカとニコラを連れて後退していく。 | ||
![]() | 身をていして仲間をかばうか。よい覚悟だ! | |
──ツキカゲの攻撃をしのぎながら……イツキは、かすかに笑う。 | ||
──その視界のすみに、黒猫が颯爽と姿を現していた。 | ||
──ニコラの悲鳴を聞きつけた君たちは、狼の獣人と剣を交えるイツキに加勢した。 | ||
とりゃぁああっ! | ![]() | |
──ノアが、ツキカゲに低い姿勢でタックル。その剛力で、獣人の強靭な足腰を揺るがす。 | ||
──直後、君の魔法がツキカゲの顔面に炸裂し……ツキカゲは、倒れた。 | ||
![]() | ぐはっ……み、見事……! | |
イツキセンパイ、大丈夫ですか!? | ![]() | |
![]() | ああ。おまえと魔法使いのおかげだよ。ノア、おまえ本当にパワーあるよな……。 | |
それだけが取り柄です! | ![]() | |
──その場でイツキの手当てをしていると、リンカたちが近づいてきた。 | ||
イツキ……! 大丈夫!? | ![]() | |
![]() | ああ、軽傷さ。リンカこそ、腕は平気か? | |
ええ。手当てはすませたわ。 | ![]() | |
……すまねぇ、イツキ。 | ![]() | |
──ヴォルフが、苦々しい表情で言う。 | ||
俺が動物を殴れねぇばっかりに……。 | ![]() | |
![]() | 気にすんなって。互いをカバーするのが生徒会のやり方だ。そうだろ? | |
──イツキは、屈託なく笑う。 | ||
![]() | それより、シャーリーはどうしたんだ? こっちはアーシアをアキラに任せてきたけど。 | |
あいつ、山歩きでテンション上がって、1人で突っ走っていっちまってな……。 | ![]() | |
![]() | あー、なるほど。苦労するよな、ヴォルフ。 | |
いや。あいつはあれくらい元気な方が、その……いいと思ってるからよ。 | ![]() | |
──照れたように、頭をかくヴォルフ。 | ||
──その後ろで、リンカとニコラは、うつむきがちに沈黙していた……。 | ||
──なお、その頃、ジョージ&エミリア組……。 | ||
![]() | お兄ちゃん、なにか出そうだよぅ……。 | |
大丈夫だ、エミリア。なにが出たって、兄ちゃんが守ってやるからな! | ![]() | |
──アキラ&アーシア組……。 | ||
![]() | ね、アキラ君……イツキ君って、その、どんな料理が好きなのかな……? | |
そうだなぁ、焼きトウモロコシか焼きそばかで言ったら焼きそば……いや、タコ焼きも……。 | ![]() | |
![]() | あの、屋台料理以外で。 | |
──そして、シャーリーは……。 | ||
![]() | いっちばん乗りぃー! いえー! ……ってあれ? 先輩? 先輩どこぉー!? |
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