ヒカリ

 
最終更新日時:
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(A)星を見る少女 スフィア(A)天体観測者 スフィア(A+)占星術師 スフィア
ASノーザンクロスノーザンクロスグランドクロス
SS聖者の餞聖者の餞聖者の餞
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(S)星読みの聖女 ヒカリ・スフィア(L)悠遠の星間を繋ぐ ヒカリ・スフィア
ASグランドクロススペリオルプラネット
SS輝く星の雨星降りのフォーチュンサイン
登場時期:2013/12/16 クリスタルガチャ 2015/07/16 L化 

ソラナ&ヒカリ

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(SS)星巡りの距離 ソラナ&ヒカリ(L)心繋がる星の夜に ソラナ&ヒカリ
AS祈りと歓喜の祝福を想いが導く聖女の奇跡
SS夢へと続くフォーチュンサイン彼方に届くコズミックウィル
登場時期:2015/07/31 3500万DL記念 限定ガチャ 

バレンタインver

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(SS)甘い聖女 スフィア(SS+)恋占いの占星術 スフィア(L)星降る夜の希望 ヒカリ・スフィア
AS聖女の固い友情教育係の愛の鞭教育係の愛の鞭
SS愛のミルキープラネット愛のミルキープラネット祝祭のフォーチューンチョコレート
登場時期:2016/02/12 2016バレンタイン期間 限定ガチャ 

共通情報

名前ヒカリ・スフィアCV瀬戸 麻沙美種族術士
登場-
世界聖界
所属星の観測者
特徴ワードおてんば笑顔のお姉さん
関連キャラノインソラナクラリスフラクタルマーガレット
セリフ1「行こう! あの流星よりも速く!!」
セリフ2「”私が出来ること”、”私の成すべきこと”を、ただ受け入れただけですよ?」
セリフ3「すごい情報を入手したの。ちなみにこれ、聞く?」
補足情報「奇跡を起こす聖女の家系」に生まれたお姫様。
おてんばで元気のよい性格をしており、ややお姉さん気質。
星型の占星魔法道具で星を詠むことができる、不思議な力を持つ。

パーソナルストーリー


バックストーリー

ここは”光を司る神々によって治められた「聖界」と呼ばれし異界”。

代々に渡って、「神に仕える神職」や、 「神に代わって奇跡を起こす聖女」を
数多く輩出してきた由緒ある家系に、また一人新しい「聖女」が生まれた。

彼女の名は「スフィア」。
星の行く末を見守る”観測者”であり、その身に「星の力」を宿した聖女。
彼女は聖女になることを受け入れた理由を問われるとこう返します。

「わたしは……”私が出来ること”、”私の成すべきこと”を、
ただ受け入れただけですよ?」

※話の最初に戻る

聖界の星詠み

聖界には、光を司る多くの神さまがいます。
人々が決して道を見失わないよう、照らし続けることが神さまのお役目のひとつです。
そんな中で、私は星を詠むことをお仕事にしています。
人々は古来より星に願いを託し、祈りを捧げてきました。
そんな人々の願いは、星に乗り私──ソラナ・カルナのもとへ届けられます。
素敵な想いの詰まった星たちは、それだけで私の心をワクワクさせてくれます。


今日も仕事がいっぱい……。

私──ことソラナ・カルナは、無数の本に囲まれ、慌ただしく働いていました。
ええっと……そろそろここの整理もしないと、どこに何があるのかわからなくなっちゃいそう。
星詠みに無関係の本も、全てここに運ばれてきます。
それだけに、この大図書館を管理する人が必要なのですが……。
何故か……いえ、いつの間にか! "なあなあ"で私が任されてしまっていました。
星詠みってなんだろう……?
私の中に、そんな疑問が湧いてきました。
ここにある本は、ひとつ残らず大切なものだということは理解しています。
だけど、私には星詠みという役目があります。
最近、本の整理に追われて、空を見ていない気がする……。
今日も聖界における司書──ではなく、星詠みの私は大図書館へと向かうのです。


んしょ……よいしょ……。
大量の本を置くと、埃がブワッと舞いました。
けほっ……こほ……。
……お掃除はしたはずなのに。
埃がたまりやすいのかもしれませんが、確か先日掃除をしたばかり……。
──って『室内で家庭菜園を作る方法』!? これいったい何の本なの!?
ちょうど置いたばかりの書物の一番上に、そんなわけのわからない本がありました。
まさか聖界の神さまが、家庭菜園?
そんな……いや、うーん、でも……うーん……。
私は頭を抱えました。
確かに、私のように神さまではなく、普通の人もここには多くいます。
だけど聖界の大図書館に入れる人は限られています。そうなると……やはり神さまが家庭菜園を?


あー! わかるー! クラリス様って俗っぽいもんね!

ちょっと、そういうことは言わないの。
私は振り返りざまに、そう言いました。
入れる人が限られているとはいえ、誰が聞いているのかわからないのです。
張りのある透き通った声。そんなの私が知るかぎり、ひとりしかいません。
あっ、すごーい。ホントにお野菜を部屋の中で作れるんだ。
私の言葉を無視して、ヒカリ──ヒカリ・スフィアは本を開きました。
クラリス様、そういうこと言われると落ち込んで部屋に閉じこもっちゃうんだから。
ごめんごめん。そんなつもりじゃなくって。
じゃあ、どんなつもりだったの? と聞いても、はぐらかされるのがオチです。
だから私は、ひとまず仕事に戻ることにしました。
断っておきますが、ヒカリは相手に言っていいことと悪いことを見極めるのが得意です。
それに今のことくらいでクラリス様は、怒りません。とても寛容な方なのです。
……ヒカリだって、こういう調子ですが、決して悪い子ではありません。
そうそう、わたし、ソラナに話があってきたんだけど……って、なんでこんなに汚れてるの?
ううん、わからないわ。お掃除はしたんだけど、今日きたらこんなことに。
もしかして、また?
……そうかも。
そう、悪意をもって侵入したわけではなく、構ってほしくて入ってきちゃう魔物が──。
ついつい悪戯をしてしまう。そんなことが……あるのです。
あっ! 見つけたよ! そっちに行った!
もう。ちゃんとお説教してあげなきゃいけないわね。
そう言ってヒカリとふたり、魔物が隠れている場所へと進みます。

(戦闘終了後)

それでね。ソラナに話したいことがあって。
うん。
魔物を外に逃したあとで、ヒカリは待っていましたと言わんばかりに口を開きました。
聞きたい?
うーん、そう言われると、あまり聞きたくないって答えたくなるわ。
そっかー、聞きたいならしょうがないなぁ。実はね……。
私の言葉を、やっぱり無視して、ヒカリは意味ありげに笑います。
こういうときは、"だいたい"よからぬことを考えているんです。
そして私は巻き込まれ、ちょっとひどい目に遭うのです。
ヒカリは小さな頃からの親友。
だから私は、彼女のことならなんだって知っています。
もう一度言います。こうやって意味ありげに笑うときは、よからぬことを──
流星群、見に行かない?
行く。行きます。いつ? どこ? もう出るの? 準備は? あっ、お弁当あったほうがいい?
あー、でもそうよね。いきなりだもの。私がお弁当を作るわ。フラクタルさんは? 一緒?
ソラナ、ストップ! ちょっと待って!
……私としたことが。
つい身を乗り出し、ヒカリの息遣いが聞こえる距離まで近づいてしまいました。
すごい情報を入手したの。ちなみにこれ、聞く?
うん、聞く。教えて。
何度だって言います。ヒカリが意味ありげに笑うときは、だいたいよからぬこと──
そして、ごくたまにとっても素敵なことを考えているのです。

※話の最初に戻る
ふたりの心は曇りがち



──というわけで、流星群観光ツアーが開催されることになったの。

すごいわ。誰が来るの? フラクタルさん?

シャイアは来ないよ。来られないって。
ヒカリの遠縁の親戚でもあり、私たちの親友でもあるシャイア・フラクタルさん。
様々な異界を渡り、聖界の伝説や逸話を伝え説く『聖界の伝道師』。
最近、お互い仕事に追われ、会う回数が減ってきたのが少し残念だったりします。
シャイアさ、今日こっちにいないんだよね。
忙しいのね。仕方ないことだけど……。
あれ? じゃあ、ほかに誰がいるの?
えっ? わたしとソラナ
ヒカリは、首を傾げました。そうしたいのは、私のほうなのに……。
でもソラナクラリス様に呼ばれてるんでしょ? ほんとうに行けるの?
私はハッとしてヒカリを見ました。
この大図書館から、本を数冊持ってきてほしいと仰せつかっていたのです。
細かくどれが必要かは聞いているのですが、決して容易な仕事ではありません。
……行けないかもしれない。
私は目を伏せました。
仕事は最優先です。サボるなんて、そんなことはできません。
大丈夫大丈夫! ほらわたしも手伝うから!
ヒカリは、私の背を押してずんずんと先へ進みます。
そうでした。こんなところで挫けてはいられません。
私は、ヒカリと流星群を見るのです。


大図書館は、聖界の中でもかなり広い場所です。
大量の本があるわけですから、それは当然です。
そこからジャンルの違う本を探し出さなければなならいのは、かなり大変です。
流星群を見に行くと予めわかっていたのなら、本日はお休みを……なんて言えたのですが……。
ソラナー! そっちはあったー?
ううん、ないわ、本当にあるのかしら……。
だんだん自信がなくなってきます。
星を見るための準備もしていません。
早めに出なければ、星を見逃してしまうかもしれない……そんな焦りが私を急かします。
……もう、間に合わないわ。クラリス様にも謝らなきゃ……。
ほらほら! 諦めるなんてソラナらしくないよ! 大丈夫。もうちょっとふたりで探してみよ?
後ろ向きな気持ちになった私のところまで来たヒカリは、言葉で私を元気づけてくれます。
クラリス様もきっと必要だから、ソラナに頼んだんだよ。
本なんて星の数ほどもないんだから、見つけられるよ!
星の数ほどあったら、きっともう諦めて帰ってるよ……。
私は顔を上げて、大きく息を吐きました。
うん。頑張らなきゃ。私たちの流星群のために!

(戦闘終了後)

見つかったー! うんうん! これで完璧だよね!?
よ、よかったぁ……。
最後の一冊は『室内で家庭菜園を作る方法』でした。
本当にクラリス様の!? と私は心底驚いてしまいました。
いや、だってその……クラリス様が……。
これでクラリス様のところに届けて、パーッと準備してパパッと外に出れば間に合うね!
お弁当も用意できるし、星の本も持っていけるし、あとあと……。
……いま、ヒカリがあげたの全部私がやることなんだけど。
ええっと、じゃあ、私は何をしよっか?
うーん……フラクタルさんがいるなら、連れてきてもらう仕事をあげたいんだけど……。
あっ! そうだ。私がクラリス様のところに本を持って行くよ!
ソラナは準備して待ってて! すぐに行くからさっ!
言い終わるやいなや、私が持っていた本を抱きかかえ、走り去っていきました。
──クラリス様って、ヒカリの"いじり"というのに非常に弱く、泣かされたりしているんです。
だというのに……行かせちゃってよかったのでしょうか。
なんてことは、流星を見られる喜びでいっぱいの私は、考えていませんでした。

※話の最初に戻る
想いの結晶、流星群



あれは、夏にしか見られない星で……。

多くの人たちの、いっぱいの想いが詰まった一等星。
私は、子どもに教えるようにひとつひとつ丁寧に星の話をします。
ヒカリは、星を詠む聖女のひとりです。
だからこんな話をするまでもなく、知っているはずなのです。
だけどヒカリは、
私はソラナに教えてほしいんだけどな~。
なんて、ドキッとするようなことを言うのです。
私もヒカリも星を見ることが好き。だからきっと今の仕事は天職なのでしょう。
でもこうしてふたりで空を見上げるのは、いつぶりでしょう?
フラクタルさんと3人で、お茶をする機会も少しずつ減ってきました。
きっと、ヒカリともそういう時間が……ううん、これは考えないことにします。
あの星は、少し輝きが弱いから、ソラナみたいだね。
あっ、ほらソラナって妙におとなしいことあるでしょ?
ヒカリが、まるで何も考えていないような表情で、ひどいことを言います。
じゃあ、その隣で一際"うるさく"輝いている星は、ヒカリでしょう。間違いありません。
さ、行こう、ヒカリ。あの奥に行けば、もっともっと空が綺麗に見えるわ。


辿り着いた先は、この世界の果て──なんてことはなく。
すぐそこには聖界の宮殿『エークノーム』があって、耳を澄ませば人の声も聞こえてきます。
ここから流星が見えるの?
ヒカリにも教えたことのない、私のとっておきの場所。
どうして教えてくれなかったの?
うーん……。
私は考えるふりをして、ヒカリから目を逸らしました。
そうしてまた顔を上げて、広すぎるくらいの空を見つめます。
もう……はぐらかすのが下手だなぁ。
ヒカリのひとりごとも、もちろん聞こえないフリです。
そんなの言えるはずがありません。
私が知るかぎり、一番美しく、星を見られる場所なのです。
いつか、特別なときにヒカリと一緒に星を見るために、ずっとずっと隠していたなんて──
そんなの言えるはずがないでしょう。
あんなに遠いのに、輝きはすぐそこにあるように見えて、すごく不思議。
私は答えずに、小さく頷きます。
目線を左に移せば、私よりちょっとだけ背の高いヒカリの顔があります。
どうしたの?
つとめて平静に。
できるだけ素っ気なく。
なんでもないわ。
なんて言ってしまうのです。ときにこの口が憎いような、そんな気さえしてしまいます。
そうしてお互いに沈黙し、星々を見つめていると……。
ガサガサッと物音が聞こえてきました。
草陰から飛び出してきたのは、紛れもなく魔物です。
まーた、悪戯しにいこうとしてるのかな?
静かにしてもらわないといけないわね。
私はヒカリと目を合わせ、首を縦に振ったあと、魔物へのお説教を始めました。

(戦闘終了後)



わあ──。

思わず声が漏れました。
流星群を見て感動──ううん、見たことはあるんです。
ヒカリと見たことも、フラクタルさんと見たことも、あるんです。
だけど何故か、今日は特別に感じました。
それは何故かはわかりません。
久しぶりにヒカリが来てくれたから?
それとも何年かぶりの流星群だから?
私には、やっぱりわかりませんでした。
綺麗だね。
うん。
私とヒカリが交わした言葉は、これだけでした。
人々の想いが詰まった星が、巡り巡っていく今の空を見ていたら──
それ以上の言葉が出てこなかったのです。
そうして星々が流れていったあとで、再びの静寂が訪れました。
風が草花を撫でる音が、まるで何かの余韻のように耳に入ってきます。
また、ソラナと星を見たいな。
ぼそっと、ヒカリが呟きました。
そんなの、私も同じ気持ちです。
美しく力強い輝きをみせる星々を、また一緒に見たいと思いました。
うん、私も……ヒカリと一緒に見たい。
今度は、ちゃんと言うことができました。
もっとふたりでこの時間を過ごしたいなんてワガママは、胸の中にしまっておきましょう。


うん、やっぱりほら、あの星はソラナにそっくり。
ソラナの綺麗な瞳の色と一緒。とっても綺麗。

そんなことを言われたら、時間が過ぎていくのが、どんどん惜しくなっていきます。
もったいなくて、でも何を言えばいいかわからなくなって……。
…………。
それで、私は少しだけ俯いてしまいました。
あっ、そうだ。ソラナソラナ
ヒカリが意味ありげに微笑んで、私の顔を覗き込みます。
何度だって言います。ヒカリがこうして笑うときは、
もうちょっとだけ、一緒に星を見よっか。
──とっても素敵なことを考えているのです。

※話の最初に戻る

突然の辞令!?

地上の人たちは、いつも忙しそうに働いていた。
その様子を横目で眺めながら、私は今日も星の行く末を見守り続けている。
この星は、いつも元気だなとか、この星は今日は元気がないなとか……。
あっちこっちに気を回す必要があるので、とても神経を使う仕事なの。
でも……。


ふあ~あ……。

星を見守るだけで過ぎていく毎日は、ちょっぴり退屈。
なにか面白いことはないかな。
あ、そうだ。
仕事が終わったら、ソラナを誘って遊びに行こう。
ん? あの子は……。


にへにへ~。

廊下の向こうからやってくるあの子は、ノイン・ケーラだ。
星術士として凄く優秀な子で、人々から大賢者様と尊敬を集めているそうだけど……。
いつも「にへにへ」笑っているノインは、とても賢者と呼ばれるような偉い人には見えないな。
ヒカリって、厳しい人? それとも優しい人? どっちかな? にへにへ~。
ノインの方から話しかけてくるなんて珍しい。
しかも、その質問はどういう意味?
それはノイン次第かな。なにも悪いことをしてない人に意味なく厳しく当たったりしないよ。
私は、この時点で嫌な予感がしていた。
ねー、ヒカリ。実はね、凄くいい話があるの。
ノインの声色は、まるでお母さんに甘える子どもみたい。
どんなお話かな?
今日からヒカリは、私の教育係になるのです! それが星の導きなのです!
ぴしっと言い放ったあと、ノインはいつものようににへにへ~と笑った。
キョ……キョウイクガカリ……?
私は、その言葉の意味がよくわからなかった。
うん。クラリス様たちがね、お前みたいな性根の曲がった奴は、もう手に負えん──、
ヒカリ・スフィアならば、ノインの曲がった根性を叩き直してくれるだろうって、にへにへ~。
ちょっと待って。それって……ノインの面倒を見ろってことなの? 私が!?
ノインは、相変わらず人懐っこい笑みを浮かべながら、こくこくっとうなずいた。
というわけだから、ヒカリこれからよろしく。にへにへ~。
私とノインは、こうしてたまに顔を合わせる程度。
仲が悪いわけじゃないけど、凄く親しいというわけじゃない。
それなのに、どうして私が……。
私の頭に真っ先に浮かんだのは、ソラナの顔だった。
こういう時は、まずソラナに相談しよう! うん!


私の親友ソラナは「星詠みの聖女」と呼ばれ、人々の願いを聞いてあげている優しい聖女さんだ。
でも、今日ばかりは私の悩みの相談に乗って貰いたくて私はソラナを訪ねたのだった。


……というわけなの。

どうして私が、ノインの教育係に任命されたのか。
そしてノインがなにをしでかして、神様たちの怒りを買うことになったのか……。
諸々を半ば泣きつくように、ソラナに相談する。
ふあ~……あぅ。
ねぇ、ソラナ聞いてる?
今日に限ってソラナはとても眠そう。
普段は、夜更かしするような子じゃないのに。
あ、ごめんなさいっ。……それで、教育係は引き受けたの?
クラリス様の命令なら、断れないよ。どうしよ?
ノインちゃんは……。
ティーカップを持つソラナの手が止まった。
言うべき言葉を頭の中で選んでいるみたいだ。
とても、いたずら好きなの……。
それは私も聞いてるよ。でも、子どものいたずらでしょ?
子どもの……。
ソラナの顔がいままで見たことがないくらい、冷たく凍りついていた。


ふっ……ふふふっ。ふふふっ……。

え!? なにそのソラナらしくない笑い声は!?
子どものいたずら……。ふふふ……。その程度で済んでたら神様たちも怒らないのに……。
な、なにがあったの?
ノインちゃんのいたずらは、とてもスケールが大きいの。
たとえば?
会議をサボりたいという理由で、星を動かして地上の人たちを惑わしたり……。
その話、聞いたことがある……。
ノインは、星を動かすことができる──。
だけど、無闇に星を動かしちゃうと、人々の生活に多大な影響を及ぼしてしまう。
でもノインはお気軽に星を動かして、聖界を大混乱に陥れた。
いたずらと片付けるには、あまりにもスケールが大きい、いたずらだ。
うふふふ……私も、以前ノインちゃんのせいで神様たちに叱られたことがあったの。
そんなノインちゃんの教育係にされるなんて……ヒカリ、ご愁傷様です。
そんな! ソラナ、私を見捨てるの?
余裕があれば、私もヒカリに手を貸してあげたいけど、でも今日は無理なの。
どうして──あ!?
私はやっと気がついた。
そうか。明日は、ステラの祝祭だ。
ステラの祝祭では、地上の人々はそれぞれの想い人にチョコレートを送る習慣がある。
ソラナの元には、想いを成就したい人々からの切なる願いが、山のように寄せられている。
そうなの……ううっ。今日は、一晩かけて「星の祝福」を配る作業をするつもりなの。
人々の願いに応えるために、ソラナは星の祝福を地上の人々に与える役目を負っていた。
星の祝福が宿ったチョコレートを相手に渡せば、きっと想いは成就するはず──
という人々の勝手な願いを、ソラナは律儀にも叶えてあげている。
でも、ソラナ。さっきからずっと眠そうだよ?
実は……緊張して、昨日は全然眠れなかったの。
大丈夫なの? 夜まで、まだ時間あるし少し眠ったら?
そうね。一晩中の作業になると思うから、少しでも睡眠をとっておくことにするわ。
ゆっくり休んで。寝過ごすといけないから、私が起こしてあげるよ。
本当に? それは凄く助かる……。じゃあ、ヒカリ夜中になる前に起こしに来てくれる?
任せて!
ヒカリが起こしてくれるなら安心ね。ゆっくりと休めるわ。
小さなあくびをしてから、ソラナは自分の部屋に帰っていった。


参ったな……。
いざという時、私が頼れるのはソラナ一人なのに、ソラナはそれどころじゃなさそう。
でも親友として、ソラナのお仕事の邪魔はしたくないし……。


よーし、こうなったら、私ひとりでやってみせるよ!

教育係といっても、なにから始めたらいいのかわからない。
だけど、私なりにやれることはやってみようと思った。
というわけで、ノインには新しいお仕事をお願いすることにします。
お仕事って嫌な言葉~。そういうの嫌いだね~。
ダメよ。神様たちのお怒りが解けるように、真面目になったところをちゃんと見せないと。
ヒカリは、厳しい人だったんだー。がっかりだよ。萎えなえ~。
ノインがまたがっているのは、渾天儀という大きな惑星模型。
その上で、ふてくされたように頬を膨らましている。
それで、お仕事の内容はね……って聞いてるの?
きこえな~い。
私は、心の中でため息をついた。
私に言われたとおりにしないと、神様たちのお許しは貰えないわよ? それでもいいの?
ノインは、渾天儀をふわふわ上下させた。
どうやらそれが、ノインの返事代わりらしい。
あとは、にへ~、にへ~と力なくつぶやくだけだった。
そんな態度に呆れながらも、私は星を監視する役目をノインに任せた。
今日だけ頑張れば、神様は許してくれる~?
今日だけじゃ無理かな。当分大人しくしてなきゃ、反省しているって伝わらないと思うな。
それはやだー。ノインには、もっとやりたいことがあるのに~。全然、にへにへ出来ないよ!
にへにへ出来ないってなんだと思いつつ、私はソラナのことを気にしていた。
夜中になる前に起こすと約束したんだから、絶対に時間を間違えるわけにはいかない。
ノインに星の監視の仕事を教えながら、私は何回も時間を確かめた。


朝が来た。
うーん、とっても気持のいい朝だ。
私は、燦々と照っているお日様を見上げながら、朝の空気を思いっきり吸い込んでいた。


そういえば、今日はステラの祝祭だったわね。

あとで、ソラナを誘ってお祭りに顔を出してみようかな。
なんて考えている途中で、ふと思った。
あれ? あ……朝? いつの間に?
私、眠ったっけ……?
確か昨日は、ノインにお仕事を教えてて──あれ? それからの記憶がない……。
それに──。
ああ!? ソラナを起こしてない! 夜中になる前に起こすって約束したのに!
夜中を通り過ぎて、もう朝になってる!
いまから起こしても間に合わないのは分かってる。でも──。

※話の最初に戻る
まさか寝過ごすなんて!



そんな……。

朝になっているのを見て、ソラナは力なく膝をついた。
夜中の間に、星の祝福を地上の人々に配る予定だったのに……。
私が、ソラナを起こさなかったせいだ。
ソラナ……あの……。
何て謝ったらいいのかわからない。
私のせいで、ソラナは星詠みの聖女としての役目を果たせなかった。
地上の人々は、さぞやがっかりしてるだろう。
私のせいだ。ごめん、本当に……。
頭を下げるしか、私には出来ることはない。
う、ううん。ヒカリのせいじゃないよ。自分で起きれなかった私が悪いのよ。
といいながら、ソラナの目はどこか虚ろだった。
私が仮眠をすすめたからだ……。
やめてよ、ヒカリ。そんな顔しないで。
本来、私ひとりが果たすべき役目だったの。ヒカリのせいじゃないわ。
でも……。
本当は、とてもがっかりしているはずなのに──
ソラナは落胆した顔を私に見せないように、気丈に振る舞っている。
今からでもまだ間に合うわ。全員には祝福を配れないだろうけど、時間の許す限り頑張ろうと思う。
ソラナは、今から星の祝福を配るという。
そこまでして聖女としての役目を果たそうとしているソラナの健気さに──
私は胸が締め付けられそうになった。
私も手伝うよ! 私の責任だもん、手伝わせて!
うん。ヒカリと一緒だと心強いわ。
そう言ってくれたソラナの笑顔が、とてもまぶしかった。
ノインも手伝って。緊急事態だからお願い。ね?
ぐ~。ぐ~……。
こらー、起きろ!


ステラの祝祭前に配れなかった星の祝福を、これから直接届ける……。
だけど、それは簡単なことじゃない。
地上にいるのは、温厚な人たちだけじゃない。
悪い人もいるし……危険な魔物も沢山いる。
ソラナ、疲れてない? 少し休む?
ううん、平気よ。まだ頑張れるわ。
朝からずっと歩き通しで星の祝福を配っても、まだ十分の一も配れていなかった。
日も暮れかけている。ステラの祝祭が終わっちゃう。
じゃあ、喉渇いてない? お水でも汲んでこようか?
んもう、ヒカリったら。
ごめん。ちょっとしつこかったかな?
そんなことないわよ。私がうんざりしているのは、ヒカリのその曇った顔よ。
ぴしっと、ソラナは私を指差した。
顔って言われても……。
自分が今どんな顔をしているのかなんて、私にはわからないよ。
いつまでもそんな暗い顔されてたら、逆にこっちが気を遣っちゃうよ?
今回のことは、私の責任でもあるから、そんな暗い顔しないで。ね、ヒカリ?
ソラナ……ごめんね。
だからもう、謝らなくてもいいから。
そんな私たちの目の前に、大きな惑星の模型が漂ってきた。


へなへな~。もう疲れたよー。

このノイン様に、こんな仕事を手伝わせるなんてなんて不届きな奴らだ! にへ!
大変なんだから、ノインも少しは手伝ってよ。
でも、こんな面倒な仕事は嫌だー! ノインは、毎日をにへにへ笑って過ごしたいのー!
もー! こんな大変な目に遭うのなら、星を動かして、時間を巻き戻す必要はなかったよー。
え?
ノインの聞き捨てならない台詞に、私とソラナは同時に足を止めた。
時間を巻き戻した……?
どういうこと?


私がノインの教育係として、ノインに仕事を教えたのが、祝祭前日のお昼から夕方にかけて。
そして、夜になったら、仮眠を取ってるソラナを起こしてあげるはずだった。
だけど、気がつくと朝を迎えていた。
「まだ夕方だと思っていたら、気がつくと朝になっていた」
言葉にすると、まったく意味がわからない……。
でも、そんな意味不明なことになってしまった原因は、ノインのせいだと判明した。
とても不思議だったの。だって、一晩眠った気がしなかったし……。
それは、つまり……。
にへ~。
ノインは渾天儀の上で、だらしなく伸びている。
聞きなさいよ! つ・ま・り! 星術士であるノインが、その渾天儀を使って──
ステラの祝祭前日の夕方を、朝に戻したってことなのね?
まあ、端的に言うとそうかな。にへにへ~。
ということは、今日はまだステラの祝祭前日なの? そうなの!?
ソラナは、今まで誰にも見せたことないくらい焦った表情で、ノインに問いただす。
そうだよ~。
もう夜になっている。
けど、本来ソラナは、「ちょうど今」起きる予定だった。
まだ「今日」は、ステラの祝祭の前日……? よかった~。
私たちは、ほっと胸をなで下ろした。
今年も、ソラナは自分の役割を果たせるんだ。
あまりにもほっとしすぎて、思わず目に涙が滲んできた。
でも、これで一件落着じゃない。
どうして渾天儀を使って時間を半日巻き戻したの? ちゃんと答えて。
だって……。
さすがにノインは、気まずそうに顔を逸らしている。
ヒカリは、もっと優しい人だと思ったのに~。すっごく厳しかったからさー。
だから、別の……もっと優しい人に教育係になってもらいたくて……。
その渾天儀で星を動かして、私が教育係になる前の時間に戻そうとしたのね?
そうだよ。でも誤算だったのは、時間は巻き戻ってもヒカリの記憶は巻き戻らなかった。
大賢者ノイン様とあろう者が、とんでもない失敗だよ~。にへにへ~。
あまりにものんきに言うので、私はそれ以上、ノインを怒る気になれなかった。
そんなことより──。
ヒカリ、私これから星の祝福を配ってくる!
あ、うん! ああ! 私も手伝う!
今は、ステラの祝福の前日の夜。
つまり、ソラナの本番はこれから始まるんだ。
ノインのことは、ひとまず置いておいて──
私はソラナを追いかけようとした。
だけどそこに、神様の使いを名乗る人が現れた。


え? 聖界の神様たちが、私を呼んでいる?

なんだろう……?
とても嫌な予感がする。

※話の最初に戻る
神々のお叱り

ノイン・ケーラ──星術士の術を用いて、勝手に星の運行を戻したること許しがたし」
「反省するまで、奉仕期間を無期限に延長する」
「同時に、神々の許可なく戻した時間──半日分を直ちに正常な状態に正すこと」
つまり、いますぐ時間を半日「進めて」帳尻を合わせろということ。
それが、聖界の神々からのお告げだった。
これから一晩かけて、星の祝福を配るつもりだったのに……。
今から時間を半日進めるとなると、ステラの祝祭当日の朝になってしまう。
ソラナ……。
でも、神様が言うならしょうがないよね……。
がくっとソラナは肩を落としていた。
また、星を動かすのか~。面倒だな~。
なに言ってるのよ! それもこれも、全部ノインのせいなんだからね!
ノインに当たってもしょうがないんだけど……。
ソラナの気持を思うと、思わず声を荒げずにはいられなかった。
にへ……にへにへ……。
さすがにノインは、しゅんとしている。
いつもの「にへにへ笑い」に元気がない。
ごめん……言い過ぎた。
じゃあ、ノインちゃん。時間を進めてくれる?
神様に言われた通り、ノインが勝手に戻してしまった時間は──
どこかで帳尻を合わせなきゃいけない。
じゃないと、今後の星の運行に多大な支障が出てしまう。
にへにへ……。にへにへ。にへ……。
どうしたの? 早く渾天儀を使って時間を進めなよ。


にへ……。に……。にへ……。にへー!? にへー!?

突然、ノインの「にへ」に元気が戻った。
私たちは何事? と目を丸くする。
ソラナ、落ち込むことないよ。みんなのところに星の祝福を届けられるよ。
だから朝になっても大丈夫。安心して……。にへにへ~。
本当に?
どっからそんな自信が来るのよ?
いいから! じゃあ、時間を半日進めるよ……にへにへっ、にへっ!!


にへにへ~にへっ!
ノインが、渾天儀を使って星の運行を早めた。


天に瞬く星たちは、大急ぎで歩みを早めて──聖界に朝が訪れた。

今度は、私たちの勘違いじゃないんだね。
正真正銘、ステラの祝祭当日の朝を迎えた。
ふえええん! 疲れたよー。
渾天儀の上でぐったりと寝転がっている。
ふう、しょうがないよね。時間はかかるけど、地道に祝福を配りましょう。
結局、元の木阿弥。
ソラナの作業は、また振り出しに戻ってしまった。
当然私も付き合うわよ。
ソラナは、私の言葉に驚くでもなく、当然のように──。
うん! 頼りにしてる。
その気兼ねのない返事が、私にはなによりも嬉しかった。
ソラナに頼りにされてる……。
私の心は、ふんわり軽くなって天にも登ってしまいそうになる。
今から星の祝福を配りに行くの~? そんな面倒なこと、やめた方がいいよ。にへにへ~。
もう、ノインは黙ってて。時間ないから行こう、ソラナ
待って~。だから、もう、そんな面倒なことする必要ないの~。
うるさいなぁ。星の祝福を配るのは、ソラナの役目なの! わかってよ!
いや、知ってるよ。
さっきまでにへにへしていたノインが、突然、真面目な顔になっているのを見て──
私は、驚いてしまった。
ノインの渾天儀を使えば、星から一斉に祝福を降らせることができるよ。にへにへ~。
本当に? でも、今は……。
ソラナは晴れた空を見上げた。
星は、今も空の向こうで輝いているんだ。ノインたちには、見えないだけでさー。
じゃあ星の祝福を、地上のみんなに届けることができるの?
もちろん! にへにへ……にへにへっ!
いつも以上に明るく笑いながら──
ノインは、渾天儀をくるくると回しはじめた。


ノインの星術士の力で、星の祝福は、地上の人々が持つチョコレートに降り注いだ。
私たちは、改めて胸を撫で下ろすと同時に、ノインに感謝したのだった。
やっぱり、大賢者と呼ばれるだけあって、凄い人だったのね……ちょっぴり見直した。
星詠みの聖女としてお礼を言います。ありがとう、ノインちゃん。
にへにへ~。
渾天儀の上で、ノインは照れたように笑う。
でも、ノインの教育係として言うわ。今後、渾天儀の使用は禁止します。
やだ~。厳しい人は、やだ~。あっちいけ~。
没収されないだけ、助かったと思いなさい。
ノインちゃんの力は凄いわ。でも、その力を無闇に使うと、とても大勢の人たちに迷惑がかかるの。
私の言ってること、分かりますよね?
子どもを諭すようにゆっくりと語りかけるソラナ
すると、ノインは素直にこくっとうなずいた。
でも、来年のステラの祝祭に、また星の祝福を配るでしょ?
その時は、また渾天儀の力を使ってよ。その時まで、こいつは封印しておくよ。にへにへ。
まあ、年に一回、いたずらで使うんじゃないならいいかな。
今度渾天儀をいたずらで使ったら、神様たちの怒りは頂点に達するだろう。
そうなると、次はどんな罰が待ち受けているのか、私にも想像つかない。
でもでも~。来年まで待つのは退屈だよ。来月あたりに、使っちゃいたいな~。
ダメ! 星の祝福は、意味なく配るものじゃないんだから。
話を聞いていたソラナが、なにかを思い出したようにぽんっと手を打った。
来月……星の祝福を配るのは、いい考えかもね。
ええ!? どうしたのソラナ!? ノインのわがままを真に受ける必要ないのに!
実は以前から、聖なるチョコレートを貰った人たちからお願いされてたことがあるの。
その願いとは──「受け取った愛をお返ししたい」というものだった。
ふーん。ステラの祝祭から一月後に、お返しする日を新しく作るの?
そうなの! それでこそ、お互いの気持が通じ合うと思うの!
ソラナらしい優しさだね。ま、そういうことなら、反対はしないかな。
本当?
じゃあ、一月後にまたノインは、渾天儀を動かしていいんだね? やったー! にへにへにへ~。
だけど、星の運行を遅らせたり、早くしたりはなしよ?
あくまでも、星の祝福を配るだけだから。いいわね?
うん、わかったよ! にへにへ~。
本当にわかってるのかなと思いながら──
けど、教育係として出来の悪い生徒にちょっぴり期待したりもしている。
それじゃあ、帰りましょうか。
うーん……もうちょっとゆっくりしていかない? せっかくいい天気なんだからさ。
ひなたぼっこ? なんだかヒカリらしくなくていいかも。
そうかな?
本当は、ひなたぼっこでも星を見るのでも……なんでもよかった。
ぽかぽかお日様の下で、みんなでお昼寝だね。にへにへ~。
ソラナと一緒にいられれば、私はそれでいい。
でも、ソラナはなんて思ってるのかな。
なんて思いながら隣を見ると、ちょうどソラナも私を見てて……お互い目があった。
とっさに目を逸らして、飛び跳ねる心臓を押さえつけながら空を見上げた。
聖界の空は、今日も青く透き通っている。


たまには地上から見上げる空も、いいものね……。ね? ヒカリ。

うん、とても新鮮だね。

そらから、およそひと月後の朝。
ソラナの星の祝福を、約束どおりノインが渾天儀で降らせたのでした。
星の祝福は、白い幾筋もの光となって地上に降り注ぎました。
それを目撃した地上の人々は、白い雨が降ったと噂するのでした。
やがて、その日は「白い日」と呼ばれることになり──
チョコレートを貰った相手に、お返しする日として、地上の人たちの間に定着したのです。

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