名もなき慟哭
タグ一覧
>最終更新日時:
アウルム卿も人が悪い。何故、斯様な存在があると伝えてくれなかったのでしょう。 | ||
思念体。魔法時代の遺物……憎悪や慟哭の亡霊。アレらはそう呼ぶと仰られました。 | ||
思念だの、亡霊だの、何を勘違いしている。 | ||
言語の通じない、ただのモノを我々の知る言葉でくくるな。 | ||
冷たい声音に、君の背筋が凍りつきそうになる。 | ||
しょせんは"モノ"でしかない、とディートリヒは言う。 | ||
仮に亡霊の類であったとして、だから何だというのだ。 | ||
戦争をするのに細かい理由がほしいのなら、貴族にでも喧嘩を売ることだ、ローヴィ。 | ||
…………。 | ||
ディートリヒの言葉は、その声音とともに、ずしりとした重みを与える。 | ||
思念体や亡霊がいようがいまいが関係ない、とディートリヒは言ってのけた。 | ||
我がドルキマスの地に踏み入れたことを後悔し、奴らは朽ち果てる。 | ||
その亡霊とやらも、私が炙り出してやろう。 | ||
戦争の意味を、味わわせてやるのだ。征くぞ。 |
コメント(0)
コメント
削除すると元に戻すことは出来ません。
よろしいですか?
今後表示しない