リンカの想い
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イグニーマの校舎までやって来た君たち。 | ||
イグニーマの学生たちは皆、屋内にいるようで、辺りは鎮まりかえっている。 | ||
![]() | ……ヤツら、まだ気付いていないようだ。よし、作戦はこうだ。まずは──。 | |
今やアクアシアの指揮権は完全にユキヤが握っているようで、イツキはひとり蚊帳の外にいる。 | ||
![]() | よし、みんな配置につけ。それでイツキには……っと。 | |
ユキヤはイツキを見て、不敵な笑みを浮かべる。 | ||
![]() | オレたちが前方から攻め込んでる隙に、後方からリンカを討て。 | |
リンカを……オレが? | ![]() | |
![]() | まさか出来ないとは言わないよな? 相手は仲間でもなんでもない。オレたちの敵なんだ。 | |
(イツキ、一体どうするにゃ?) | ![]() | |
(ここはとりあえずヤツに従おう。リンカだって話せば分かってくれるはずだ) | ![]() | |
イツキはそっとささやくと、ユキヤに頷き自分の配置へと向かおうとする。 | ||
![]() | そうさ、やればいいんだ。 | |
イツキの背中にユキヤは満足気に言葉をかける。 | ||
その時だった。 | ||
アクアシアの面々を橙の炎が照らしだす。 | ||
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![]() | ……あなたたちの動きは全てお見通しよ。みんな、一気にアクアシアを叩きましょう! | |
![]() | ……悪く思わないでね、イツキ君。これも作戦なのよ。 | |
リンカ……ニコラ……どうして……。 | ![]() | |
![]() | クソッ! イグニーマとエクレアルが結託してやがったのか? | |
気づけばイグニーマとエクレアルの混成部隊に囲まれてしまっていた。 | ||
![]() | 畜生! お前たち、迎撃するぞ! | |
しかし、不意を突かれたアクアシアの面々は、陣形を完全に乱している。 | ||
![]() | イツキ! お前は作戦通りリンカを狙え! 討ちとって仲間だと証明してみせろ! | |
……わかってるよ! 魔法使い! オレと来てくれ! | ![]() | |
君たちはイツキと共に本体と分かれ、イグニーマの本陣を目指して包囲突破を試みる。 | ||
イツキと君たちが本体と分かれ、リンカのいるイグニーマ本体へ向かっていた頃、 | ||
アクアシアの本隊は、エクレアルの猛攻により、ユキヤを残して既に散り散りに敗走していた。 | ||
寄ってたかって、やりたい放題やりやがって。 | ![]() | |
![]() | ……これで終わりよ。 | |
と、ニコラはユキヤに狙いをさだめ、雷撃を纏った矢を放つ。 | ||
しかし、その矢はユキヤに当たる手前で、厚い氷の壁に阻まれる。 | ||
![]() | ……アタシの矢が、弾かれた? なんて魔力なの……。 | |
ユキヤの前には黒い魔力を帯びた氷の壁が出来上がっている。 | ||
……魔法属性の相性など所詮は副次的な要素にすぎない。強さの本質は己の魔力そのものだ。 | ![]() | |
![]() | ニコラ先輩! ひとりがダメならふたりで行きましょう! | |
![]() | ふたりより三人だ。ジョージさんの……いや、イグニーマのためにもここでアクアシアを……。 | |
![]() | ってカエデ先輩? 最近めっきり大人っぽくなったと思ってたらもしかして……。 | |
![]() | うるさい! 今は戦いに集中するんだ! | |
三人はそれぞれの武器に魔力を込めながら、ジリジリとユキヤとの間合いを詰めていく。 | ||
その他のエクレアルの学生たちも、三人を援護するようにその後ろを固める。 | ||
さすがに数が多すぎるな。一旦退くか……。 | ![]() | |
と、ユキヤは手にした鉄球に魔力を込め、それを地面に叩きつける。 | ||
閃光が収まると、そこにユキヤの姿はなかった。 | ||
![]() | 探します? わたし、探知機持ってますけど。 | |
![]() | 放っておきましょう。アクアシアを完全に叩くのは、アタシたちのためにならないわ。 | |
![]() | リンカ先輩に同盟持ちかけてアクアシア襲撃させたり……ユキヤ先輩逃したり……。 | |
![]() | ニコラ先輩、なんかすっごい本気ですね。 | |
![]() | ……当たり前じゃない、これは戦いなんだから。 | |
イグニーマの学生たちをかき分け、君たちはついに敵陣の中央──リンカの前に出た。 | ||
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![]() | イツキ……結構苦戦しているみたいね。 | |
と、リンカは一気に間合いを詰めると、炎をまとわせた刀を振り下ろした。 | ||
……クッ。 | ![]() | |
イツキがリンカの攻撃を受け止める。 | ||
リンカ、なんでアーシアを……? | ![]() | |
![]() | 別にアーシアを傷つけるつもりはなかったわ。ただ、そうする必要があったから。 | |
……なんだよそれ。意味わかんねぇよ。 | ![]() | |
リンカはなおも激しくイツキに向かってくる。 | ||
ヴォルフ! リンカを止めてくれよ! | ![]() | |
![]() | ……オレたちは戦うことに決めたんだ。いつ止めるかは、リンカ次第だ。 | |
と、ヴォルフはイツキを冷たく突き放す。 | ||
リンカ、オレたちずっと協力して戦って来たじゃないか。 | ![]() | |
![]() | そんな思いは、全部生徒会室においてきたわ。 | |
そう言うと、リンカは手にした刀から一層激しい炎を放ち、イツキを吹き飛ばした。 | ||
……っぐ! | ![]() | |
![]() | ちょっとしゃべり過ぎたみたい……。ヴォルフ、行きましょう。 | |
![]() | ああ……。みんな、戦いは終わった。帰還するぞ! | |
君たちをその場に残し、イグニーマの面々を引き連れてリンカとヴォルフは去っていく。 | ||
畜生……リンカもヴォルフもニコラも……どうしちまったんだよ……。 | ![]() | |
イツキ……。 | ![]() | |
そこに、どこからかエマが現れる。 | ||
イツキ君! 大丈夫? | ![]() | |
ああ……みんなは? | ![]() | |
クラスへ戻ってる……正直、もうボロボロだけど……。さ、イツキ君も帰ろ? | ![]() | |
……ほっといてくれ。 | ![]() | |
と、イツキはエマの差し伸べた手を払うと、ひとり歩き去って行く。 | ||
キミ、イツキが心配にゃ! あとを追うにゃ! | ![]() | |
ウィズの言葉に頷いて、君はイツキの背中を追った。 |
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