チョコの森
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![]() まっちゃ村といとご村の人々と別れ、君たちはスィー島の新たな名所を訪れた。 そこは森だった。 | ||
すごいにゃ。 | ![]() | |
四方を取り囲むように自生する木々を君は見た。 | ||
この森の木々の枝になっているのは、深緑の葉ではなく、芳醇な香りを放つチョコである。 | ||
ひとつ取ってもいいかな? と君はラヴリたちに訊ねる。 | ||
![]() | どうぞ、どうぞ。この島にあるお菓子は自由に食べてください。 | |
![]() | おいしいものはみんなで分ける。それが私たちのルールなんだよ。 | |
![]() | だがデザートンはそんなことはお構いなしにお菓子を独り占めにしている。 | |
許されることではない、と君は思った。 | ||
懲らしめないとダメにゃ。 | ![]() | |
![]() | うん。でも、かわいそうですね。 | |
かわいそう? ラヴリの言った意味が分からず、君はオウム返しに聞き返した。 | ||
![]() | ひとりで食べても寂しいですから……。 | |
![]() | うむ。そうだな。それはただお菓子を食べているだけだ。 | |
![]() | みんなで食べるからおいしいし、楽しいんだよね♪ | |
そうかもしれないと、君は答えた。 | ||
![]() | お菓子がある時とない時じゃ幸せな気持ちが全然違うんですよ。それがお菓子の魔法なんです! | |
![]() | せっかくなので、みんなで幸せな気持ちになろうじゃないか。 | |
プレミオは森の木々になるチョコをみんなに手渡し、そう言った。 | ||
君はこくりとうなずき、チョコを食べた。 | ||
![]() 甘い……。 | ||
誰かいるにゃ。 | ![]() | |
森の奥に進むと、チョコの木の陰に男がひとり佇んでいた。 | ||
その男のまとう言いようのない不穏な気配は、一目見て、彼が只者ではないと教えてくれる。 | ||
あのー? もしかして私が呼んだ助っ人の方ですか? | ![]() | |
![]() | 助っ人? さあ、知らんな。 | |
でもとてもこの世界の住人とは思えないにゃ。 | ![]() | |
![]() | 我は不死者の帝王ヴィルフリート。 | |
![]() | ここは甘いものが多い。 | |
![]() | だが、甘いものの次はしょっぱいものが食べたくなる。そしてまた甘いもの……。 | |
![]() | どうやら妙な袋小路に迷い込んでしまったようだ。 | |
お菓子を楽しんでもらっているならよかったです。 | ![]() | |
楽しんでいるのかな? と君は首をかしげる。 | ||
たぶん私たちにしてあげられることはなさそうにゃ。 | ![]() | |
助っ人でないのなら、彼に無理を言うこともできない。 | ||
君たちはその場を立ち去りかかる。 | ||
![]() | 待て。……我も連れていけ。 | |
どうしてにゃ? | ![]() | |
![]() | くくく……。 | |
なんだか難しい人だな、と思いながらも、君たちはヴィルフリートと共に森を進むことにした。 | ||
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