アカリ
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クリスマスver
№ | 3074 | 5378 |
名 | (SS)聖夜、魂と舞う アカリ・ヨトバリ | (L)聖夜に微笑む巫女 アカリ・ヨトバリ |
AS | 罪洗う清めの灯 | 天つ祝詞の太祝詞 |
SS | 鎮魂の灯篭おくり | 清められた魂たちの恩返し |
共通情報
名前 | アカリ・ヨトバリ | CV | - | 種族 | 術士 |
登場 | - | ||||
世界 | 和ノ国 | ||||
所属 | - | ||||
特徴ワード | 孤独な少女、安らぎ | ||||
関連キャラ | - | ||||
セリフ1 | 「もう迷わないで」 | ||||
セリフ2 | 「だから……還れるよ。あなたたちは、あなたたちの世界に還っていいんだよ……」 | ||||
セリフ3 | 「……ありがと。大丈夫よ。寂しくなんかないわ」 | ||||
補足情報 | 魂を浄化し、還す力を持つ。 |
パーソナルストーリー
バックストーリー
時に、異界と異界を結ぶ門が開く。
異なる世界に流れ込んだ『力』は、やがて己を見失い、魔物となって人を襲う。
倒された魔物は、『力』に戻る。
そしてまた、己のこともわからぬままに魔物と化して、倒される……それを繰り返すのだ。
罰として永遠の苦悶を与えられた罪人のように。
苦しみ続ける魂は、どこにも行けず虚ろにさまよい、禍々しい罪とけがれを帯びていく……
「――こっちだよ」
四季のある異界『和ノ国』の片隅で、そんな彼らを呼ぶ声がある。
静やかに舞う1人の少女。
さまよえる魂たちが、おずおずと近づいていくと、彼女はそっと手を伸ばす。
小さな手が触れたとたん、ぽっ、と魂に灯りがともった。
踊りながら、少女は次々に手を触れていく。その周囲を魂の灯篭が舞い、夜を照らす。
少女がともすのは、浄化の火。
清められたる魂は、深き闇路を自ずと照らし、還るべき道を見出す。
そして、少女の導きを受け、自らが生まれた異界へと戻っていくのだ。
「――世に、罪という罪はあらじ……清められないものはない……」
踊りながら、少女は歌う。
「長い苦難はもう終わり。ここが流浪の終着点。
清め火が、あなたたちの穢れを祓い、行く先を照らしてくれる。
だから……還れるよ。あなたたちは、あなたたちの世界に還っていいんだよ……」
揺らぐ無数の灯火が、静かに天へと昇りゆく。
いずれの鬼火も、深き夜陰に、軽やかなる舞の軌跡を刻んでいた。
長き呪縛と苦悶から解き放たれたことを、喜ぶように――
還り道を照らす少女に、感謝の気持ちを示すように。
異なる世界に流れ込んだ『力』は、やがて己を見失い、魔物となって人を襲う。
倒された魔物は、『力』に戻る。
そしてまた、己のこともわからぬままに魔物と化して、倒される……それを繰り返すのだ。
罰として永遠の苦悶を与えられた罪人のように。
苦しみ続ける魂は、どこにも行けず虚ろにさまよい、禍々しい罪とけがれを帯びていく……
「――こっちだよ」
四季のある異界『和ノ国』の片隅で、そんな彼らを呼ぶ声がある。
静やかに舞う1人の少女。
さまよえる魂たちが、おずおずと近づいていくと、彼女はそっと手を伸ばす。
小さな手が触れたとたん、ぽっ、と魂に灯りがともった。
踊りながら、少女は次々に手を触れていく。その周囲を魂の灯篭が舞い、夜を照らす。
少女がともすのは、浄化の火。
清められたる魂は、深き闇路を自ずと照らし、還るべき道を見出す。
そして、少女の導きを受け、自らが生まれた異界へと戻っていくのだ。
「――世に、罪という罪はあらじ……清められないものはない……」
踊りながら、少女は歌う。
「長い苦難はもう終わり。ここが流浪の終着点。
清め火が、あなたたちの穢れを祓い、行く先を照らしてくれる。
だから……還れるよ。あなたたちは、あなたたちの世界に還っていいんだよ……」
揺らぐ無数の灯火が、静かに天へと昇りゆく。
いずれの鬼火も、深き夜陰に、軽やかなる舞の軌跡を刻んでいた。
長き呪縛と苦悶から解き放たれたことを、喜ぶように――
還り道を照らす少女に、感謝の気持ちを示すように。
バックストーリー
冬至が過ぎて、あとは正月を待つだけという年の暮れ、
和ノ国でも「くりすます」の宴がそこかしこで催される。
呉服屋は赤や白、緑を基調とした反物をこの時期の「粋(いき)」として売り出し、
料亭なども様々な「限定めにう」を掲げ、街中に色とりどりの灯りがともる。
「んー。いい匂い」
そんな「くりすます」の晩、アカリ・ヨトバリは少し時期遅れのゆず湯に浸かると、
新調した「くりすます色」の振袖に帯を締めた。
「ふふ……、そんなに似合うかしら♪」
それは威勢の良い呉服屋の番頭におだてられるまま、一式あつらえた着物だったのだが、
アカリはまんざらでもない様子で猩々木(ポインセチア)の簪を挿すと街へ繰り出した。
――と言っても、アカリには特に予定はない。
なんとなく街の熱気にあてられて、聖夜を歩いてみたくなったのだ。
しかし街の賑わいは相当なもので、アカリはすぐに人混みに酔ってしまった。
茶屋の床几に腰を下ろし、抹茶で一服しながら通りを歩く人の群れを眺めるアカリ。
目抜き通りは俗に言う「浪漫てっく」な夜を楽しむ恋人達でごった返している。
アカリには、恋人の腕をとって幸せそうに歩く、自分と同年代の若い女ばかりが目についた。
気が付けば、茶屋の客まで二人連ればかりである。
「……やれやれ。こんなの着てくるんじゃなかったかな」
おろしたての振袖の裾を弄びながら、アカリは自分がとても場違いな所に迷い込んでしまった様な気持ちになった。
ふと空を仰ぐと、ちらちら雪まで降り出して、――ため息。
「帰ろかな……」
――帰り道、しとしと降りだした牡丹雪に混ざって、淡く光る球が一つ、また一つとアカリの周りに寄って来た。
それらは行き場を失い彷徨う死者達の魂――放っておけば人に災いをもたらす存在である。
「あら、あなた達も寂しいの? いいわ。私についてらっしゃい」
アカリはそう言うと、魂を引き連れて神祠のある山へと向かった。
山頂の境内は、街の喧騒が嘘の様に静まりかえっている。
「――さぁ、お帰り。私が見送ってあげるから」
アカリは、浄化した魂を灯篭に込め天へと流していく。
「みんな、もう一人じゃないよ。ゆっくりお休み」
ついてきた魂達をすっかり見送るとアカリはまた一人、ポツリポツリと家路についた。
なんだかとっても寒くって、冷たくって、ほろりと一粒、涙がこぼれる。
――そこに先ほど流したはずの魂が、ふわりと舞い戻ってアカリの頬をそっとぬぐった。
「……ありがと。大丈夫よ。寂しくなんかないわ」
そう言って顔を上げたアカリはハッと息をのむ。
「――すてき」
そこには色とりどりの光で飾りつけられたモミの木が一本――キラキラとアカリを照らしている。
「こんなに綺麗な贈り物って初めて! みんな、本当にありがとう!」
そう言って、アカリは頬を淡い桃色に染める。
彼女の笑顔に光の群れは輝きを増し、聖夜の巫女を一際美しく飾りたてた。
和ノ国でも「くりすます」の宴がそこかしこで催される。
呉服屋は赤や白、緑を基調とした反物をこの時期の「粋(いき)」として売り出し、
料亭なども様々な「限定めにう」を掲げ、街中に色とりどりの灯りがともる。
「んー。いい匂い」
そんな「くりすます」の晩、アカリ・ヨトバリは少し時期遅れのゆず湯に浸かると、
新調した「くりすます色」の振袖に帯を締めた。
「ふふ……、そんなに似合うかしら♪」
それは威勢の良い呉服屋の番頭におだてられるまま、一式あつらえた着物だったのだが、
アカリはまんざらでもない様子で猩々木(ポインセチア)の簪を挿すと街へ繰り出した。
――と言っても、アカリには特に予定はない。
なんとなく街の熱気にあてられて、聖夜を歩いてみたくなったのだ。
しかし街の賑わいは相当なもので、アカリはすぐに人混みに酔ってしまった。
茶屋の床几に腰を下ろし、抹茶で一服しながら通りを歩く人の群れを眺めるアカリ。
目抜き通りは俗に言う「浪漫てっく」な夜を楽しむ恋人達でごった返している。
アカリには、恋人の腕をとって幸せそうに歩く、自分と同年代の若い女ばかりが目についた。
気が付けば、茶屋の客まで二人連ればかりである。
「……やれやれ。こんなの着てくるんじゃなかったかな」
おろしたての振袖の裾を弄びながら、アカリは自分がとても場違いな所に迷い込んでしまった様な気持ちになった。
ふと空を仰ぐと、ちらちら雪まで降り出して、――ため息。
「帰ろかな……」
――帰り道、しとしと降りだした牡丹雪に混ざって、淡く光る球が一つ、また一つとアカリの周りに寄って来た。
それらは行き場を失い彷徨う死者達の魂――放っておけば人に災いをもたらす存在である。
「あら、あなた達も寂しいの? いいわ。私についてらっしゃい」
アカリはそう言うと、魂を引き連れて神祠のある山へと向かった。
山頂の境内は、街の喧騒が嘘の様に静まりかえっている。
「――さぁ、お帰り。私が見送ってあげるから」
アカリは、浄化した魂を灯篭に込め天へと流していく。
「みんな、もう一人じゃないよ。ゆっくりお休み」
ついてきた魂達をすっかり見送るとアカリはまた一人、ポツリポツリと家路についた。
なんだかとっても寒くって、冷たくって、ほろりと一粒、涙がこぼれる。
――そこに先ほど流したはずの魂が、ふわりと舞い戻ってアカリの頬をそっとぬぐった。
「……ありがと。大丈夫よ。寂しくなんかないわ」
そう言って顔を上げたアカリはハッと息をのむ。
「――すてき」
そこには色とりどりの光で飾りつけられたモミの木が一本――キラキラとアカリを照らしている。
「こんなに綺麗な贈り物って初めて! みんな、本当にありがとう!」
そう言って、アカリは頬を淡い桃色に染める。
彼女の笑顔に光の群れは輝きを増し、聖夜の巫女を一際美しく飾りたてた。
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