子供達の楯
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![]() お菓子の国からはるか北、アイスの国。 広がる冷たく甘い世界には、訪れたものは誰もが魅了されてしまうという。 | ||
![]() ちょっと肌寒いね! 姉さん、平気? 猫ちゃんも大丈夫かい? | ||
何とか平気にゃ……うう、全部塩味にゃ……。 | ![]() | |
ただ、綺麗に見えるアイスも、他と同様に『涙味』になってしまっていた。 | ||
![]() | 今回の事件に深く関係しているというアイスの国のお姫様……。 | |
![]() | 方向はあっちだったっけ? 行ってみよっ! | |
![]() | ああ、姉さんはまた確かめもしないで……姉さん、待って姉さん! | |
双子らしい姉弟仲を目の当たりにして、君の心は少し安らぐ。 | ||
さあ、私たちも遅れないように行くにゃ! | ![]() | |
ウィズの声に押され、君は軽い踏み心地の新雪を、一歩踏み出した。 | ||
姫、ご無沙汰しております。 | ![]() | |
![]() あら、リコ、グリ。お元気でしたか? | ||
はい、お陰様で! | ![]() | |
![]() | それはよかった。 | |
透明感のある声で、姫と呼ばれた女性は微笑みながら返事をした。 | ||
それからゆっくりと君へと向き直り、小さく会釈をした。 | ||
![]() | はじめまして、見知らぬ魔法使いさん。私はアイスの実。この国の姫をしています。 | |
丁寧な挨拶に、君も相応の自己紹介を返す。それを見て、彼女はもう一度微笑みを浮かべた。 | ||
![]() | それで、今日は何のご用かしら? | |
実は……。 | ![]() | |
事情を尋ねるアイスの実に、グリは丁寧に事情を説明していく。 | ||
――というわけで、姫様がお菓子の国の王様と何をお話してたのかをお尋ねしたくて。 | ![]() | |
![]() | ……これって、絶対にお話しなきゃ駄目なのかしら? | |
少し寂しそうな目をして、アイスの実は君たちへ尋ねる。 | ||
![]() | それに……今あまりお話したくない気分なの。 | |
![]() | だから……放っておいてくれないかしら? | |
その次の瞬間、急激な冷気が周囲を襲う! | ||
冷気は、どうやらアイスの実の足元にある魔法陣から噴出しているようだ! | ||
こ……この魔力は……本気を出さないとダメにゃ! | ![]() | |
切れ切れに聞こえるウィズの声に、君は頷く。 | ||
お菓子の国に遊びに来たはずが、いったいどうしてこうなってしまったのか。 | ||
その問いを振り払うかのように、君はカードを手にし魔力を込めた! | ||
(戦闘終了後) | ||
アイスの実は、昔を思い出すように遠くを眺めると、つぶやくように話し始めた。 | ||
![]() あのお方と私とでは……身分が違ったのです、 そう、それはまるで水と油、天と地……、 そう。あのお方は『アイス』ではないのです……。 | ||
少し大げさな一礼を添えて、アイスの実は君たちへの話を終えた。 | ||
なるほど……そういう背景があったんですね。 | ![]() | |
なんだか切ないお話だね……姫様も悲しかったでしょ? | ![]() | |
![]() | ……あの時は、お互いに自分が見えていなかっただけでしょう。今はもう悲しくありません。 | |
アイスの実が語る身分違いの恋に、君たちは思わず心を打たれた。 | ||
……これで一件落着、というわけかにゃ? | ![]() | |
安心した表情のウィズに、君はまだだよ、と微笑み返す。 | ||
![]() | そうだよ、まだまだお菓子は『涙味』のまんまだもん! | |
![]() | さあ、甘いお菓子を取り戻しに行こう! | |
果たして、君たちは王様のもとへ辿り着き、甘いお菓子を取り戻すことが出来るのか。 | ||
それはまた次のお話で。 | ||
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