最古参の賢者
(0コメント)![]() この辺りのはず……なんだけどなぁ。 まだ全然見つからないねぇ……でも、もうすぐ近くに来てるはず! | ||
| コロンの話によれば、もう一人この事件の発端となる出来事を知る賢者がいるらしい。 | ||
| その賢者はお菓子の国の外れに住んでいるそうで、君たちは今その捜索の真っ只中だ。 | ||
| そろそろ甘いお菓子が恋しいにゃ……。 | ![]() | |
| 相変わらず塩味のお菓子をかじりながら、ウィズは不満を漏らす。 | ||
| リコはその横からウィズの顔を覗き込むと、手にしたお菓子をウィズへと渡した。 | ||
![]() | はい、どうぞ。猫ちゃんも大丈夫なやつ! | |
| ん、ありがとにゃ……んん~♪ | ![]() | |
![]() | あはは、やっぱりお菓子は甘くなくちゃね! | |
| そうにゃ~♪ | ![]() | |
| お菓子で笑顔になる二人を見て、君も気づかないうちに口元が緩む。 | ||
| ふと、先頭を進んでいたグリがチョコの茂みの奥に隠し通路を見つけたようだ。 | ||
![]() | ……あった。この先だよ、賢者の住む場所は。 | |
![]() | どんな人なんだろう? この国で一番の長老なんでしょ? | |
![]() | 僕も会ったことはないんだ。ただ。 | |
| ……ただ? | ![]() | |
| そこまで話してグリは少しタメを作ると、いたずらっぽく笑いながらこう続けた。 | ||
![]() | すごーく、イタズラ好きだってウワサだよ? | |
![]() いらっしゃーい! 長老のお家へようこそ! | ||
| 国のはずれにやって来た君たちを出迎えたのは、ずいぶんと年若い少年だった。 | ||
| すみません、長老とお話がしたいのですが……。 | ![]() | |
![]() | どうぞ? 話なら代わりにビスコが聞くよ! | |
| ええと……。 | ![]() | |
| (微妙に話が通じて無いにゃ。) | ![]() | |
| ニコニコと返事を返す少年に、グリもタジタジの様子。 | ||
| だがふと、君の目はその少年が持つ本に止まった。 | ||
| それには、とても強い魔力が、厳重な封印の下に収められているように感じられる。 | ||
| リコとグリの話も終わりに差し掛かり、君は改めて少年に向き直った。 | ||
| ……というワケなの。それで、長老に話をお聞きしたくて。 | ![]() | |
![]() | ふぅん、なるほどね! じゃあ、話を聞いたついでに遊ぼうよ! | |
| い、いえ、僕たちはただ、長老に話を……。 | ![]() | |
![]() | だーかーらー、もうお話は終わったでしょ? そのついで! | |
| ええっ!? ま、待って、うわわっ! | ![]() | |
![]() | 遊んでくれないとー、『賢者様』がおしおきしちゃうぞー! | |
| すごい勢いでダダをこねながら、ビスコはリコとグリの腕を掴んで離そうとしない。 | ||
| さらに、手にした本からは強力な魔力があふれ始めている。 | ||
| ……賢者様だろうと、駄々っ子にはオシオキしなきゃにゃ! | ![]() | |
| 君がうなずくと、ウィズと一緒に駆け出した。 | ||
| (戦闘終了後) | ||
![]() | ふぅー、楽しかったぁ! キミやるねぇ、久々に本気になったよ! | |
![]() | やっぱりたまには全力出さないと、体が鈍っちゃうからさ! | |
| 戦いを終えて、突然口調を変えたビスコに、ウィズと君は同時に驚きのため息をついた。 | ||
| なるほど、素はその口調なのかにゃ。 | ![]() | |
| ねえ、ビスコはお菓子の国が『涙味』になった発端を知ってる、って話だったけど……。 | ![]() | |
| 一体どういうキッカケだったの? | ![]() | |
| 不思議そうにリコが尋ねると、ビスコは楽しそうに笑いながらこう返す。 | ||
![]() | ボクが言えるのは、『アイスの国』がちょっと関係してる、ってことくらいかな? | |
![]() | きっとそこで真相がわかる、と思うよ! 行ってみるといいよ! | |
| ビスコはそう言うと、本を開いて杖を振る。 | ||
| 甘いクリームが渦を巻き、彼の姿はいつの間にか消えてなくなった。 | ||
| 好き勝手に暴れて勝手にどこかに行って……自由気ままな子供みたいな奴だったにゃ。 | ![]() | |
| アハハ、確かにそうかも! | ![]() | |
| ウィズの言葉に、君とリコも声を上げて笑う。 | ||
| アイスの国……となると、北か。また少し距離があるね。 | ![]() | |
| ごめんね、魔法使いさん。色々と連れ回すハメになっちゃって。 | ![]() | |
| 君はリコに向けて首を横に振る。 | ||
| なぜなら、君は冒険することが好きだし、何よりお菓子は甘いほうが良い、と思うから。 | ||
| 次に向かうはアイスの国。君のおかしな冒険はまだ、続く。 | ||
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