もうええわ!
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![]() ここはこんなものばかりだな……。 | ||
ディートリヒさんもお菓子は好きですか? | ![]() | |
![]() | 私は、戦争に明け暮れていた。戦争に狂っている。私を評して、そう言う者もいる。 | |
![]() | そんな私に、これが似合うと思うか? | |
そ、そんなことは……。 | ![]() | |
言いよどむラヴリの言葉を継いだのは、ヴィルフリートだった。 | ||
意外な人物が意外なものを好きだということで生まれるギャップが功を奏する場合もある。 | ![]() | |
と言い、ヴィルフリートはディートリヒにお菓子を渡した。 | ||
それを受け取り、ディートリヒは不敵に笑う。 | ||
![]() | 意表を突くということか……。貴君らしい、お利口ぶった姑息な考えだな。 | |
![]() | だが……いつか戦争の時代が終わったとき、必要とされるのはこの私よりも──。 | |
![]() | こういったものなのかもしれない。 | |
戦争に役立つものではありませんが、人を幸せにする魔法がありますから! | ![]() | |
![]() | 魔法か……いつ聞いても陳腐でうろんな言葉だ。 | |
![]() | しかし、お菓子の魔法とやらは私にも容易に想像できる。 | |
まったく素直じゃないにゃ。 | ![]() | |
![]() | ムッ! | |
まだまだ甘いな、ディートリヒよ。 | ![]() | |
君たちが気づかないうちに、こちらをつけ狙っていた魔物の一撃がディートリヒを襲った。 | ||
ずんでのところで、ヴィルフリートの大鎌がそれを阻止した。 | ||
![]() | いらぬことを……。 | |
くくく……! | ![]() | |
![]() | ふん。そんなことよりも、まずはこの危機を乗り越えねばなるまい。 | |
そうだった。いまはまずこの魔物たちをなんとかしなければいけない。だが──。 | ||
君は少しだけうれしくなる。彼らに背後を預けることがとても──。 | ||
とても頼もしい気がしたからだ。 | ||
(戦闘終了後) | ||
魔物たちはディートリヒとヴィルフリートの連携になす術もなく、四散した。 | ||
さすがにゃ! | ![]() | |
![]() 君もあまりの強さに思わず感嘆した。敵にすれば恐ろしいが、味方にすれば心強い。 そんなふたりである。 | ||
![]() | 死にぞこないたちの帝王よ。なかなかやるな。貴君と組むのも、悪くない。 | |
ならば手を貸せ。我と共に世界を手に入れるぞ。まずはこれを読め。 | ![]() | |
ヴィルフリートはディートリヒに冊子を一部渡した。 | ||
![]() | なんだ、これは? | |
台本通りに読むだけでいい。何も最初からうまくやれとは我も言わん。 | ![]() | |
何が始まるにゃ? | ![]() | |
さあ、と君も首をかしげ、ふたりの様子を見守った。 | ||
![]() | これを読めばいいのか……。(咳払い) | |
![]() | 元帥と。 | |
帝王の。ショートコント。「ハイテク芸者ガール、ゴーウエスト」 | ![]() | |
![]() | 待て。 | |
なんだ。 | ![]() | |
![]() | これはなんだ? なんの真似だ? | |
知れたことを。無論、漫才ではないか。我がボケで貴様がツッコミ。 | ![]() | |
我は常々、我の最高のギャグを引き立てる最高のツッコミを探していた。 | ![]() | |
それが貴様だ、ディートリヒ。その冷徹さ、反骨精神、無意味に偉そうな態度。 | ![]() | |
優れたツッコミの資質を全て兼ね備えている。ではやり直すぞ。 | ![]() | |
![]() | 元帥と。 | |
帝王の。ショートコント。「おでんが背中に入ってますねん」 | ![]() | |
![]() 待て。 | ||
はうっ……! ……地味に痛くて長引く腹部を殴るツッコミ……。 | ![]() | |
これは、平凡な頭をはたくツッコミに新たな地平を開くかもしれんぞ。貴様、やはりやるな。 | ![]() | |
![]() | 人の話を聞け。私はやるとはいってない。 | |
つま先を思いっきり踏む! 素晴らしく地味に痛い! さすが我の見込んだ男。もっとだ! | ![]() | |
![]() | …………。 | |
ここで何もしない。すると見せかけてしない! いいぞ……! | ![]() | |
![]() | ふん! | |
はう……! と見せかけてする! いいぞいいぞ。さあ最後にあの一言を言うんだ! さあ! | ![]() | |
![]() | ……下らん。貴君と道化の振りなどやっていられん。 | |
からの~? からの~? | ![]() | |
![]() | ……? もういい。やめさせてもらう! | |
どうもありがとうございましたー。……上出来だ。世界も夢ではない。 | ![]() | |
君は呆然と目の前で起こったことを眺めていた。 | ||
まあ、なんというか……。 | ||
あのふたりは置いていくにゃ。 | ![]() | |
![]() | う、うむ。早くデザートンを倒さないとな。 | |
![]() | さあ、行きますよー♪ | |
君たちはスィー島の混乱を収拾すべく先を急いだ。 | ||
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