怪獣との遭遇
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風邪が冷たいにゃ。 そうですね。ここからアイスのお城までは、少し肌寒いかもしれません。 | ||
よく見ると、海が広がっていて奥にはお城のようなものがぼんやりと浮かんでいた。 | ||
船に乗って向こうに渡るのだろうか。 | ||
君はそのことをラヴリに訊いてみた。 | ||
はい。あっちのお城はとっても冷え冷えで、美味しいアイスが食べられますよ。行ってみますか? | ||
それもいいかもしれないね、と君は答える。 | ||
寄り道になるかも……いや、もしかするとそこにも誰かがいるかもしれない。 | ||
街は静かにゃ……。 | ||
そうね。デザートンがみんなのお菓子を食べちゃうから、気持ちが落ち込んでいるみたい。 | ||
みんなが怖がる大食いって、いったいどれだけすごいにゃ……。 | ||
想像でしかないけれど、きっと大きな体をしているんだろう、と君は思う。 | ||
とにかくキミもここの問題を解決して、いい気持ちでお菓子を食べるにゃ。 | ||
お菓子を食べるとは言っていないけれど、不安を抱えている人を無視することはできない。 | ||
あれ。 | ||
黒猫のひとだ! | ||
にゃ!? | ||
君はばったり出くわした──あのアリエッタ・トワを見て、咄嗟に身構えてしまった。 | ||
……なんでアリエッタがいるにゃ。 | ||
もしかして、知り合い? | ||
君は頷く。 | ||
あのとき、あの場所で彼女が襲ってきたことを、君は忘れていない。 | ||
奇遇だね! 奇遇奇遇。あはは! | ||
アリエッタが、笑いながら手に持っていたお菓子を口にする。 | ||
アリエッタは何をしてるにゃ? | ||
友だち探してたんだよ。 | ||
友だち……あの異界にいた魔道士たちのことだろうか? | ||
えっとねー……うーん……あのー……わはは、名前知らない! | ||
彼女もラヴリの魔法で呼ばれたのだろうか。 | ||
君は首を傾げるが、ここにいるということは、つまりそうなのだろう。 | ||
とても凶暴──ではなく、とても力のあるアリエッタが来てくれるなら、 | ||
問題もすぐに解決できるかもしれない。 | ||
君はそう考え、アリエッタに話を持ちかけてみた。 | ||
うーん……ダメ。わたし、これから友だち探しに行くから! | ||
だがけんもほろろに断られ、アテが外れてしまった。 | ||
アリエッタは無邪気に笑いながら、君たちに手を振り、軽快な足取りでこの場を去ってしまう。 | ||
みんながみんな協力してくれるわけじゃないってことね。 | ||
ピークの言うように、必ずしもここに呼ばれた人たちが協力してくれるわけではない。 | ||
だからこそ、他に人がいたとしたら、どうやって協力を仰げばいいのか、考えなければならない。 | ||
大変な仕事になりそうにゃ。 | ||
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