孤立
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にゃにゃ! 煙が出てるにゃ! | ||
ウィズの声に顔を上げた先、アクアシアの校舎から煙が上がっているのが見える。 | ||
一体何が! | ||
君たちは慌てて校舎へ駆け込み、教室へと急いだ。 | ||
イツキ君! | ||
君たちの姿を見つけたエマが駆け寄ってきて、慌てた様子で状況を報告する。 | ||
イグニーマが、リンカさんたちが襲ってきたの……。 | ||
それで、みんなを守ろうとしてアーシアちゃんが……。 | ||
と、エマは教室の奥で横たわるアーシアに目をやる。 | ||
アーシア! | ||
イツキは彼女へ駆け寄る。 | ||
大丈夫か……。 | ||
うん、なんとかね……。 | ||
アーシアちゃんはイツキ君の考えを尊重して、最後まで戦わなかったんだよ。 | ||
それで応戦しようとするみんなを必死に説得してた時に後ろから攻撃を受けて……。 | ||
ごめんね、イツキ君。みんなを守れなくて……。 | ||
アーシアは悪くない。クラスをまとめられなかったオレの責任だ。 | ||
イツキ君、アーシアちゃんは任せて。私、治癒魔法得意なの。 | ||
ああ、頼むよ。 | ||
うん、アーシアちゃん、立てる? 救護室行こっか? | ||
……うん。ありがとう。 | ||
と、エマはアーシアを抱えるように立ち上がり教室を後にする。 | ||
イツキ! お前、いい加減にしろよ! | ||
がっくりと肩を落とすイツキの胸ぐらを掴み、ユキヤが食ってかかる。 | ||
お前、怪しいんだよ。生徒会の奴らと妙に仲いいしさ。本当はお前、スパイじゃないのか? | ||
そんなことする訳ないだろ。 | ||
選べよ! お前を信じて手も出さずにやられたアーシアとアクアシアか、仲良し生徒会か! | ||
オレは……。 | ||
そう言いかけて、イツキは言葉を詰まらせる。 | ||
決まりだな。オレたちを売った裏切り者と一緒にいたら、勝てる戦も落としちまうよ。 | ||
ユキヤは突き飛ばすようにイツキから手を放す。 | ||
行こうぜ、みんな! アーシアの仇をとるんだ! | ||
と、ユキヤはアクアシアの学生たちを引き連れてクラスから出て行こうとする。 | ||
みんな……出て行っちゃうにゃ……。 | ||
教室中に、イツキの味方をする者はひとりもいなかった。 | ||
オレは裏切ってなんかねぇよ! 信じてくれよ! | ||
イツキの言葉に、ユキヤは立ち止まる。振り返ったその顔には不敵な笑みが浮かんでいた。 | ||
オレたちは今からイグニーマを攻める。信じてほしけりゃついてこいよ。使ってやるから。 | ||
……わかった。 |
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