天と地の兄弟
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| ある時、ミカエラはクリネアに呼び出された。 | ||
 | 一体何の用ですか。クリネア。 | |
| 少しお待ちくださいね。ミカエラ様。 |  | |
| その場所は、かつて天界と魔界の兵たちが戦った戦場だった。 | ||
| いまは静かでも、戦いの爪痕は変わらずに残っている。 | ||
| それはイザークとミカエラが袂を分かってから、紡がれた戦いの歴史の証である。 | ||
| 苦労しているようだな、姉さん。 |  | |
 | ||
 | イザーク！ クリネア、あなたの仕業ですか。 | |
| はい。ミカエラ様に必要だと思いました。 |  | |
| イザーク……。こんなところにいていいのですか？ あなたはいま、魔界の者のはず。 | |
| 心配いらない。魔王だから、自分の好きなように振る舞えるのさ。 |  | |
| だが、さすがに聖王と一緒にいるところを他の者に見られるのは、まずいかもな。 | | |
| 姉さんの方がね。……姉さん、一度オヤジと会ってみればいい。 | | |
| 聖王としての在り方に疑問があるなら……。直接会って聞いてみればいい。 | | |
| 亡くなった者に、どうやって会うというのですか？ | |
| イザークの言葉の中に、クリネアはある答えを見つけ出した。 | ||
| 彼女は、この事実をすぐに伝えようと、慌てた様子で言葉を紡いだ。 | ||
| いいえ、ミカエラ様。出来ます！ 会えますよ！ | | |
| ミカエラは怪訝そうに、クリネアを見た。 | ||
| あらゆる〈可能性〉を持つ場所があるじゃないですか。 | | |
| あそこに行きましょう！ | | |
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