吹きすさぶ風
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君たちがカプリコ城に向かっていると、突然ものすごい追い風が吹き抜けた。 | ||
うわわわ……。 | ||
突風がようやく止み、君は薄めた目を開いた。 | ||
そこには、なんというか……暑苦しい男が立っていた。 | ||
どうだ、僕の運動能力は、すごいだろ? | ||
さてはデザートンの分身か……。 | ||
そうさ。俺はマッハ。運動能力が高くて、めちゃモテの男さ。 | ||
そこの金髪の翼の生えたガール。好きだろ? 足の速い男。 | ||
あの、すいません。言っている意味がよくわからないです。 | ||
どうしてわらかない? 女子は足の速い男が好きだろ。 | ||
そこの白い翼のガールは? | ||
え? 何ですか? 全然話聞いてなかったです。 | ||
なんだいキミ、やる気がないのか? | ||
あるか無いかで言えば、無いですよ。 | ||
はっきり言い過ぎじゃないかい? 少しは遠慮しなよ。 | ||
まあいいさ。俺とスピード勝負だよ。 | ||
どうしてそうなるにゃ。 | ||
でも、対決して倒さないといけないみたいだし、受けるしかないんじゃない? | ||
君はピークの意見に賛成した。理由はともかく彼らを倒さなくてはいけない。 | ||
そうしなければ、元の世界にも戻れない。 | ||
やれやれにゃ。で、どうやって勝負するにゃ。 | ||
簡単だ。先にカプリコ城に着いたものが勝つ。それだけだ。 | ||
ちょっと待ってください。それなら審判が必要じゃないですか? | ||
ん? それもそうだな。なら君たちの誰かがやるといいよ。どうせ僕が勝つんだけどね。 | ||
それじゃあ、ラヴリさん、プレミオさん、ピークさんでいいんじゃないですか? | ||
ラヴリは、事情を飲み込めず、首を傾げた。 | ||
……実は。 | ||
ルシエラはラヴリになにやら耳打ちする。それを聞いて、ラヴリもなにやら納得したようだった。 | ||
なんでもいいから、早くしてくれ。僕の足の速さみたいにな? | ||
と言って、したり顔でマッハはミレイユを見た。どうだと言わんばかりの表情である。 | ||
あの……急いだ方がいいですか? | ||
たぶん上手いこと言った、と思ったんじゃないですかねー。 | ||
「早い」と「足が速い」がかかっているにゃ。 | ||
ああ、なるほど。 | ||
そういう説明はスポーツマンシップに反するよ、君たち……。 | ||
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