争いは続く
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| ケンカの理由を探るべく、君はいちご村にやってきた。 | ||
| 聞き込みも兼ねて、村の茶屋に入った君はさっそくケンカのわけを訊ねた。 | ||
| ところがその話を振ると、さきほどまで人の好さそうな笑顔を見せていた村人も、 | ||
![]() | まっちゃ村のことは一言たりともしゃべりたくないですね。 | |
| の一点張りだった。 | ||
| 理由を言ってくれなきゃ、問題も解決できないわね。 | ![]() | |
| 君はピークの言葉に頷いて、メモに「収穫なし」と記しかけ── | ||
| ちょうとペンのインクが切れてしまい、文字が途切れた。 | ||
| こういうのすごくイライラするにゃ。 | ![]() | |
| どこからか声が聞こえた……。 | ||
ラッキープレゼント! | ||
| 君の周りを淡い光が包む。 | ||
| すると途切れたと思ったペンのインクが再びペン先から流れだし、「収穫なし」と記すと、 | ||
| ちょうどインクが切れた。 | ||
| こういうのって結構気持ちいい……。 | ||
| 少し小さな幸せを味わった君の肘をつんつんと誰かがつついた。 | ||
![]() ……どぉ? ……ハッピー? | ||
| たぶん……。と君は答えた。 | ||
![]() | そうよね~♪ ペンのインクが使い切れたらうれしいよね~♪ | |
![]() | しかも文字を書ききった後とかくぅ~ってなるよね~♪ | |
![]() | あたしはマール。みんなに幸運を届ける天使だよ。よろしくね。 | |
| よろしく、と君も返す。たぶんこの子も……。 | ||
| もしかして、君も魔法で呼ばれたのかにゃ? | ![]() | |
![]() | うーん。よくわからないけど、お菓子食べてたら急に、ここに来たからたぶんそうじゃない? | |
| ずいぶん楽天的なんだね、と君はマールに言った。 | ||
![]() | だってラッキーを届ける天使が不景気な顔してても仕方ないでしょ。 | |
| それもそうにゃ。 | ![]() | |
| ねえ、魔法使いさん。マールちゃんなら村のケンカも収集できるんじゃないかな? | ![]() | |
| たしかにさっきみたいにラッキーを起こす力があれば、それも可能かもしれない。でも……。 | ||
| マールの力はどのくらいのことができるにゃ? | ![]() | |
![]() | 基本、なんでもできるよ。 | |
![]() | 例えば、背中のかゆみを止めたり、ひとつの卵に卵黄をふたつにしたりとかできるよ。 | |
| あんまり大したことできないにゃ。 | ![]() | |
![]() | え~? それでもすごいんだよ~。 | |
| いっこうにケンカの原因がわからないまま、君が村の中をうろうろしていると、 | ||
| 再び、まっちゃ村といちご村のいがみ合いの声が聞こえた。 | ||
![]() | だいたいまっちゃ村はウチの村の後追いばかりで前から気に食わんかったんだ。 | |
| まっちゃ村がいついちご村の真似をした? 言ってみい! | ![]() | |
![]() | したじゃろうが、ウチが考えたいちごつかみ取り祭りを真似たじゃろうが。 | |
![]() | なにが抹茶つかみ取り祭りじゃ。ただ粉まみれになっただけじゃろが。 | |
| それを言うなら、そっちこそいちご茶を作ろうとして盛大に失敗していたのう。 | ![]() | |
| おおかた、その腹いせでウチの水車を壊して回ったんだろう。 | ![]() | |
![]() | なにおう? そっちこそ、ウチのいちごを全部残らず食べおって、姑息にもほどがあるぞ。 | |
![]() やーめてください! | ||
| ユッカは大上段に構えたハンマーを思いっきり振り下ろす。 | ||
| その衝撃で地面は震え、その場に居合わせた者は少しだけ浮き上がった。 | ||
| ケンカはダメですよ! | ![]() | |
| び、びっくりしたにゃ……。 | ![]() | |
| いまの水車の話が本当なら……私が解決してあげましょう。 | ![]() | |
| なにか方法でもあるのか? | ![]() | |
| もちろん! 私は時計塔の整備主任ですよ。水車くらい余裕で修理してあげます。 | ![]() | |
| というわけで……。ケンカの原因のひとつであった水車の修理にユッカが取り掛かった。 | ||
![]() | レンチをください。 | |
| はい♪ | ![]() | |
![]() | スパナ。 | |
| スパナプレゼント! | ![]() | |
![]() | プライヤー。 | |
| …………。 | ![]() | |
![]() | 最後はハンマー。 | |
| 君はユッカに巨大ハンマーを手渡した。それを肩に担うと、彼女はにやりと笑って言った。 | ||
![]() | よおし。行きますよー! ……水車、スタートーー! | |
| ユッカが水車の動力部にハンマーの打撃を加えると水車は見事に動き始めた。 | ||
| 同時に、抹茶を曳いていた臼も再び動き始める。 | ||
| 淀みのないその動きは、水車の完全復活を一同に知らせてくれた。 | ||
| ユッカがちゃんと整備するのは、意外と初めて見たかもしれないにゃ。 | ![]() | |
![]() | これでケンカする理由がひとつ減りましたね。 | |
![]() | ちょっと待ってくれ。まだウチのいちごが、いちご畑が残っているぞ。 | |
| あ、そうだったにゃ。 | ![]() | |
![]() | さすがに、いちご畑は私じゃどうにもできないよ。 | |
![]() | そんな時はあたしにお任せ! | |
| なんだかわからないけど、自信に満ちているにゃ。 | ![]() | |
| でもマールちゃんには何か考えがあるんだよね? | ![]() | |
![]() | ううん。なーんにも考えはないけど、自信だけはあるよ! | |
![]() とりあえずいちご畑に行こう! | ||
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