ミシェル
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№ | 860 | 861 | 862 |
名 | (A)鋼鉄姫 ミシェル | (A)赤鉄の姫 ミシェル | (A+)魔鋼の姫 ミシェル |
AS | 揺るがぬ意志 | 哀しみの制裁 | 哀しみの制裁 |
SS | 頭が高いわよ! | 頭が高いわよ! | さぁ 平伏しなさい |
№ | 863 | ||
名 | (S)魔鋼の神姫 ミシェル・ヴァイル | ||
AS | 鋼鉄の裁断 | ||
SS | さぁ 平伏しなさい |
クリスマスver
№ | 3168 | 5377 |
名 | (SS)遠き日の面影 ミシェル・ヴァイル | (L)新たなる肖像 ミシェル・ヴァイル |
AS | 亡き母への追憶 | 伝えられた揺籃歌 |
SS | 涙の虹を越えて | 血は涙を超え、想いに至る |
約束の地ver
№ | 5799 | 5800 | 5801 |
名 | (SS)”鋼”の国の王女 ミシェル | (SS+)愛に飢えた王女 ミシェル | (L)愛と幸せの神姫 ミシェル・ヴァイル |
AS | 限りなく注がれる愛情 | 誰にも言えない心の叫び | 父さまの子として、強く! |
SS | ずっと幸せでありますように | ”どうしてわたしはひとりなの?” | 母さまの子として、気高く! |
共通情報
名前 | ミシェル・ヴァイル | CV | - | 種族 | 術士 / 神族 |
登場 | - | ||||
世界 | 鋼鉄の剣と魔法に支配されし異界 | ||||
所属 | 鋼鉄姫 | ||||
特徴ワード | 昨日から未来へ | ||||
関連キャラ | アンジェリカ、ルーファス | ||||
セリフ | 「――私、幸せになるね、お父さん」 | ||||
補足情報 | - |
パーソナルストーリー
バックストーリー(幼年期)
――鋼鉄の剣と魔法に支配されし異界。
彼の地の古城にて、決別した父を想う孤高の鋼鉄姫。
年若い身ながらも、父をも凌ぐ力とカリスマ性はまさに王者の風格。
少女の抱く苛立ちが、世界を揺るがす刃となる――
年に一度だけ開かれる武術会。
屈強な戦士たちが名誉と生命を賭け刃を交錯させるさまを見ながら、
ミシェル・ヴァイルは一人の男を思っていた。
そこは鋼鉄の剣と魔法に支配されし、さる異界。
華美なドレス、
豪華な食事、
従順にして意のままに働く召使、
そして幾億の民を従える鋼の玉座。
「不自由」という言葉の存在しない世界に生まれ、
現世で考えうるあらゆるものに囲まれ育ったミシェル。
欲すれば得られ、
望めば与えられ、
思うがままに振る舞える、
誰もがうらやむ境遇にありながらしかし、
彼女を苛む一つの渇き。
脳裏に浮かぶのは、一人、北方の古城に居座る孤高の王。
激しく、雄々しく、
圧倒的なカリスマで
かつて国を治めていた最愛の憎悪。
強すぎるが故に争いを避けられず、
愛する妻を戦火に焼かれ、
笑い合える戦友を失い、
絶望の果て、ミシェルを捨て孤独と共に生きることを選んだあの男。
――眼前の戦いに決着がつく。
勝者は血染めの剣に雄叫びをあげ、敗者は大地に膝を折る。
莫大な賞金かかる武術会。
その真の目的は、鋼心王をも超える勇の者を探し出し、
彼の王に敗北を認めさせること。
「父さま……待ってて。わたしが貴方より上だってこと、わからせてあげるから」
天上天下唯我独尊、絶対無放の王女が望むのは、血を受け継いだ父の愛。
純な想いと歪んだ気持ち。
前代未聞のワガママは、果たしてどこへ向かうのか。
※話の最初に戻る
バックストーリー(青年期)
いつだったろうか、
あの頑な(かたくな)だった自分の気持ちが薄れ、
かつて果てしない憎悪を注いだ『あの男』へ、
一歩歩み寄ろうと考えたのは。
ミシェル・ヴァイルは自室で時計の音を聞きながら、
窓の外の夜闇に頼りなく舞う白い雪を眺めていた。
子供だったのだろう、きっと。
こうして成長した今、
あの時の自分を俯瞰して見ることが出来て、改めて彼女はそう思う。
そして、あの男も、きっと子供だったのだと。
過去この国に起きた戦禍は、あらゆる意味で全てを後退させた。
文明も、歴史も、鋼心王と呼ばれた父の心でさえ、
あらゆるものを悲しみのうちに沈め、過去へと引きずり戻した。
戻れない、過去へ。
そしてその過去が、鋼心王と呼ばれた父と、
ミシェルの心を捕えて離さなかった。
先の見えない未来に一歩一歩進んでいく度に、
幸せだった日々がどんどん遠ざかっていく気がして、
その日々にしがみついた父と、その日々を塗り替えようとしたミシェルは、
そのやり方こそ違えど、昨日という日々に囚われ続けていたのだ。
ずっとずっと。
時が過ぎ、ミシェルは懐かしい香りのする白い服に袖を通しながら、
昔を思い出し微笑んだ。
随分昔、だぶついていた袖も、引きずっていた裾も、
大きく隙間が空いていた腰も、今ではしつらえたように具合が良い。
……あの人も、こうしてこの服を着たのだろうか。
母の代から続く大きな姿見に自分を映し、
彼女はおぼろげな記憶を頼りに、鏡の自分に向かって笑いかけた。
「……へたくそね」
そうつぶやいた時、来客を告げる執事の声が彼女を呼んだ。
「客間に通して頂戴。……今日はもういいわ、あとは私が」
彼女は使用人達に伝えると、
赤く燃える暖炉の近くのソファに腰掛ける男の隣へ座った。
彼は一瞬驚いたように目を見開くと、
一瞬だけ悲しそうな顔をして、それからへたくそに笑った。
「どうしたの? わたしの格好、そんなにおかしい?」
「……いや、そういうわけじゃない。ただ――」
「ただ?」
聞き返したミシェルに、彼は遠くを見ながら、
思い出すようにつぶやく。
「よく、似合っていると思って」
「……そう。ねえ、あの人のこと、教えてよ。なんでもいいから」
パチンと暖炉の薪が跳ね、ミシェルの横顔を照らす。
優しく、昔を懐かしむような彼女の表情には、
かつて失った彼の想い人の面影が色濃く残っている。
「綺麗だったよ。今の、お前みたいに」
彼は、そう言うのが精一杯だった。
その先の言葉を紡げば、きっと思いが溢れてしまう。
まだ過去に自分は囚えられているのか――そう彼が思った時だった。
「――私、幸せになるね、お父さん」
いつだったろうか、あの頑なだった自分の気持ちが薄れ、
絶望の果てに捨てた娘に、もう一度会おうと思ったのは。
「だからさ、見に来てよ。娘の晴れ姿をさ」
ミシェルの言葉に、ルーファスは思わず口元を覆った。
押し込めた気持ちが涙になって彼の頬を流れていく。
囚われていたと思っていた過去が、
美しい思い出となって彼の中に蘇っていく。
――彼女は明日、想い合う人と未来へ進むための第一歩を踏み出す。
先の見えない未来に進むのが、こんなに楽しみだった日は無かった。
二人の抱えていた傷だらけの鋼の心は、きっと明日には癒えるだろう。
パチンと暖炉の薪が跳ね、ミシェルの横顔を照らす。
薄く涙に濡れた頬を、不器用で傷だらけの指が撫でた。
※話の最初に戻る
コメント(3)
コメント
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明示されているのを確認できなかったのですが、ユニコがお守役となったわがままお姫様ってミシェルのことなんでしょうかね?返信数 (2)0
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