ツバキ
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クリスマスver
№ | 1049 | 3189 | 5181 |
名 | (S)聖夜に瞬く斬煌 ツバキ・リンドウ | (SS)聖夜の赤い一輪 ツバキ・リンドウ | (L)聖夜を詠む冬咲花 ツバキ・リンドウ |
AS | 秘技・極月刀 | 秘剣・虎蘭刀三閃 | 天剣・獅子蘭飛襲尖 |
SS | 冬雷の騒めき | 寒空の双恋 | 粉雪舞う夜空の街で |
ツバキ&ハヅキ
№ | 2723 | 4745 |
名 | (SS)二輪の銀閃花 ツバキ&ハヅキ | (L)乱れ咲きの銀世界 ツバキ&ハヅキ |
AS | 後の先は得意技ですよ? | ここより先は必殺技でいきます |
SS | よっしゃ、ぶった切るぜ! | てめえらまとめて叩き切ってやる! |
バレンタインver
№ | 3440 | 5746 |
名 | (SS)紅赤に彩る恋花 ツバキ・リンドウ | (L)恋そよぐ雅紅華 ツバキ・リンドウ |
AS | 秘技・雷駆剣迅の構え | 秘剣・閃迅風雷羽 |
SS | 麗閃の剣陣 | 絶佳優麗の天剣舞 |
共通情報
名前 | ツバキ・リンドウ | CV | - | 種族 | 戦士 |
登場 | - | ||||
世界 | 和ノ国 | ||||
所属 | - | ||||
特徴ワード | 雅かなる乙女剣士 | ||||
関連キャラ | ハヅキ、エトワール、ミオ | ||||
セリフ1 | 「ほら、早く行こうっ。遅れたら……一刀両断だよ!」 | ||||
セリフ2 | 「めっ、挑発しないの。弱い人ほどよく吠えるんだから」 | ||||
セリフ3 | 「それに何ですかその格好は。 あなたは器量はいいんですから、おしとやかにしなさいとアレほど」 | ||||
補足情報 | エトワールの影響もあってハイカラ趣味。和歌を詠むのが好き。 |
パーソナルストーリー
バックストーリー
異界「和ノ国」より舞い降りし剣姫
春の夜に
赤椿一つ
ここに咲く
春の夜に
赤椿一つ
ここに咲く
バックストーリー
年の暮れ、深く白雪の積もった、とある夜。
吐く息が凍りそうな夜気の中、華やかな衣装をまとった人影二つ。
異界「和ノ国」に、今年もこの季節がやってくる。
宮廷で初めて催される聖なる夜の遊宴。
煌びやかに彩られた広間、異国から招かれた「おーけすとら」の演奏、
着飾った紳士淑女が優雅に踊る「だんす会」……
生まれて初めて届いた招待状。
ある幼き天才魔道士が教えてくれた遊宴の内容は、
どれもツバキの心を躍らせる。
高まる鼓動を抑えきれずに、ツバキは軽やかに走り出す。
「ほら、早く行こうっ。遅れたら……一刀両断だよ!」
宮廷から、「りはーさる」の旋律が聞こえてくる。
一夜限りの夢の舞台が今、幕を開く――
――――――――――――――――――――――――――
聖なる夜の遊宴も終幕を迎え、帰路につく人影二つ。
冬の夜の寒さも忘れて微笑みあう二人。
「おーけすとら」が奏でた音色は、
今もまだ余韻となってツバキの心を離さない。
「また、来年も一緒に……だよっ」
踊るように舞うように、歌を口ずさみながら……。
幼き魔道士の指先が描く”光の軌跡”は、
いくつもの色鮮やかな紋章を空に描き出す。
粉雪舞う夜空の街で、幻想的な輝きがツバキを包む。
特別な夜は、もう少しだけ続く――
バックストーリー
城下の西はずれ、刈り取りを待つ田圃を越えた丘の麓に、その屋敷はあった。
よく手入れされた道がまっすぐ突き刺さる門には「リンドウ」と書かれた表札があり、
斜めになっているそれを直しながら、屋敷の主であるツバキ・リンドウはため息をついた。
「立ち寄る時は、手紙のひとつくらい寄越してね、とあれほど言いましたよね」
「悪い悪い、ちょっと近場で用事があってな」
ムスッとした表情のツバキに対し、満面の笑みを浮かべているのは、
友人のハヅキ・ユメガタリ。
背中と腰に差した無数の剣を自慢気に鳴らしながら、
彼女は無作法に屋敷の敷居をまたいだ。
「勝負事はほどほどに、そのうち身を滅ぼしますよ?」
歩きながらハヅキの剣を受け取り、ツバキは不満げに口を尖らせる。
「それに何ですかその格好は。あなたは器量はいいんですから、おしとやかにしなさいとアレほど」
「だーっ! わかったわかった、とにかく、今は眠くて仕方ないんだ、客間借りるぞー」
「……もう!」
飄々と身を躱すハヅキに、ツバキは地団駄を踏む。
だが、ツバキはふっとその表情を柔らかくし、思い出すように空を仰いだ。
「……ホント、台風みたいな人なんだから」
ツバキは、ハヅキが初めて道場に来た時のことを思い出す。
剣の道を極めんがため、道場破りをしに来たあの頃のハヅキは、
それこそ抜身の刀のように気を立たせていた。
今では、あの頃のハヅキのことが少し懐かしく感じる。
「んが……」
「寝てるし」
客間へと向かったツバキは、勝手に出された布団の上で大の字になっているハヅキを見て、
本日二度目のため息をついた。
脱ぎっぱなしになっている服を畳みながら、ツバキは眠ったままのハヅキに話しかける。
「まったく……お腹出して寝てると風邪ひきますよ?」
「んー……」
「ヨダレたれてます」
「んあ……?」
「目が半開き。かわいくないです」
「あー……」
まるで母親のように話しながら、ツバキはテキパキとハヅキの周辺を片付ける。
この片付け好きも性分だなぁ、と思いながら、
ツバキが次の仕事にかかろうと立ち上がった--その時だった。
「おい、ハヅキとかいう女剣士はここに居やがるか!」
響く怒号。
察するに玄関の門からこの大声は聞こえている。
同時にバタバタと誰かが屋敷へと入ってくる音も聞こえた。
しかも土足で。
「……ハヅキ、お客様がいらっしゃってるわよ、あなたに」
「待ってました!」
バタバタと騒がしい足音に反応したのか、ハヅキは素早くヨダレを拭くと、
着のまま剣の束を掴み部屋を飛び出す。
それを見て、ツバキは三度目になるため息をつくのであった。
庭へと飛び出したハヅキに向け、屈強な男たちが数名で睨みを利かせている。
頭目と思しき男は一歩前に出ると、そのままの勢いで剣を抜いた。
「おいテメエ! 昨晩は色々世話になったな!
ウチの若いもんをシコタマぶちのめしやがって!」
叫ぶ彼の顔には、目のあたりを横切る真新しい青あざがクッキリと残っている。
おそらくは刀の鞘で思い切り殴られたのであろう、
ツバキはその跡を眺めたあと、ハヅキをジットリと睨んだ。
「あれ、やったの昨日のあなたでしょ」
「先に光りモン抜いたのは向こうだ。自業自得ってヤツ?」
「あきれた」
「喧嘩はこの街の華だぜ、楽しめよツバキ!」
言いながら、ハヅキは自慢の剣たちを空へ撒く。
ひとつひとつの剣はひとりでに鞘から抜け出ると、
意思を持ったようにハヅキを中心にして放射線状に地面へ突き刺さった。
「本当、いつも騒がしいんだからハヅキは」
その刃の円の中へ、ツバキは言いながら音もなく足を運ぶ。
腰に下げた長大な剣を一息で抜き放ち、その切っ先を男たちへ向けた。
「……やろうってのか。こっちは十人は居るんだぜ」
「こっちだって十本くらいは剣がある。一人一本ずつ相手してやろうか」
「めっ、挑発しないの。弱い人ほどよく吠えるんだから、そっとしておいてあげなさい」
「はーいツバキ先生」
「~~ッ!! やっちまえ!!」
激高した頭目の合図とともに、飛びかかる数名の男。
だが、剣を構え、互いに背中を預けたハヅキとツバキに、切れぬものは無い。
「行くぜツバキ、遅れんなよ!」
「ハヅキこそ、私の間合いに入らないで欲しいですね!」
庭のけやきの木は、赤い葉をつけ始めている。
そんな秋めいた騒がしいリンドウ屋敷の庭で、二つの銀閃がきらめいた。
バックストーリー
「はい、これ、ツバキにプレゼントだよ」
異邦の友人エトワールは、そう言って綺麗な小箱を私に差し出しました。
「ありがとう! たしか……『ばれんたいん』っていうんだっけ?」
「そうそう。大切な人に『チョコレート』を贈る日さ」
『ばれんたいん』に『ちょこれいと』……。
異国の言葉には、いつも独特な響きがあって、
その不思議な風情に、私はいつも興味をそそられます。
「よかったらツバキも、誰かにチョコを贈ってみたらどうかな?」
「そうね……私もやってみようかな!」
誰かに贈る――
そう言われて私の脳裏に浮かんだのは、
喧嘩っ早い、めんどくさがり屋の顔でした。
私は、エトワールから教えてもらって作った『ちょこれいと』の箱を手に、
あの子――ハヅキの姿を探します。
……あ、いました。
「お、ツバキじゃねーか。なんだ、アタシと果し合いでもしに来たのか?」
開口一番、物騒なことを言って不敵な笑みを浮かべるハヅキ。
「それはまたの機会にでも。今日はあなたに……」
私は、丁寧に梱包した箱をハヅキに見せました。
「なんだこれ? ……アタシにくれるってのか?」
「はい。今日は『ばれんたいん』といって、友達に『ちょこれいと』をあげる日なんですよ」
私の言葉に、ハヅキはきょとんとした様子で、
「ばれ……? ちょこれ……? はあ……お前って、ほんとハイカラなモンが好きだよな」
「まあ、そう言わずに。とても美味しいですよ」
「んじゃ遠慮なくもらうぜ。ちょうど小腹が空いてたとこだしな!」
ハヅキは、私の手から『ちょこれいと』の箱を奪い取ると、
乱暴に包装を破り、中の『ちょこれいと』を鷲掴みにします。
「あ、こら! そんなに一気に食べたらもったいないじゃない!」
「うっさいなー、どう食おうとアタシの勝手だろ?」
そう言ってハヅキは、鷲掴みにした『ちょこれいと』を、
まるでおにぎりを食べるかのように、一気にパクパクと食べ始めてしまいました。
「おお、案外うまいじゃねえか! ちょっと甘すぎる気もするが、
これはこれで……うぐっ!?」
「ハ、ハヅキ!? どうしたの?」
するとハヅキは、みるみる顔が赤くなっていきました。
「な、なんひゃこれ……妙に、酔ってひたぞ……きゅう……」
「ハヅキっ! い、一体どうして……あ!」
そこで私は、エトワールから教わった材料である「洋酒」を、
多めに入れたことを思い出しました。
あの洋酒、とても美味しかったからついたくさん入れちゃったけど
……さすがに多すぎたかな?
ひとまず私は、酔ったハヅキを膝枕しました。
しばらくして、ようやく酔いが醒めた様子のハヅキは、
「……あ~、ひでえ目にあったぜ」
「う……ごめんなさい……」
私が謝ると、ハヅキはおもむろに口を開いて、
「……なあ、その、ちょこなんとかってやつ……ダチにあげる菓子なんだって?」
「ええ、そうですよ。エトワールからそう教わりました」
「ふ~ん……そっか」
それだけ答えると、ハヅキは何やら考え事をはじめ、
ぽつぽつと言葉を紡ぎます。
「……あいにくアタシは、ちょこなんとかを持ってねえから、
お前にやれるものはない」
別にお返しを期待してたわけじゃないけど、
そんなはっきり言わなくてもいいじゃないですか……。
「……だから今度、アタシの行きつけの甘味処に連れてってやるよ。
それで貸し借りなしな」
それだけ言って、ハヅキは私から顔をそむけました。
「もう、素直にありがとうって言えないんですか?」
「ふん、アタシがそういう柄じゃねえって、お前が一番よくわかってるだろ?」
「……まあ、そうなんですけどね」
『ばれんたいん』……たまにはこういう日もいいものね。
エトワールに感謝しなきゃ!
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