戦慄のラプソディ
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──事故とは、予測できないから事故と呼ばれるのである。 | ||
──昔の偉い人がそう言ったかは定かではないが、君の眼前の光景はまさしく事故だった。 | ||
![]() | こ、これ……どういう……。 | |
──狼狽えるアーシアは、倒れたままのイツキとニコラを見て後ずさる。 | ||
──その足音を聞いて、イツキがアーシアの存在に気づいた。 | ||
![]() | アーシア!? あ、いや、これはだな、ボタンにニコラの髪が。 | |
![]() | いたたた、イツキ君、もっと優しく……! | |
![]() | な、なななな……!? | |
──ニコラの言葉に、アーシアの顔が真っ赤に染まっていく。誤解しているのは明白だった。 | ||
──完全に涙目のアーシアに、サロメがゆっくりと近づいていく。 | ||
アーシアちゃん、よく聞きなさい。 | ![]() | |
![]() | へっ? あ、えっ……? | |
──混乱している彼女を落ち着かせるように、微笑みながらサロメは言った。 | ||
多くの別れがあなたをより美しく飾り立てるのよ……! | ![]() | |
今そういう事態を混乱させる発言はやめてほしいにゃ!! | ![]() | |
![]() | ……ッ!! | |
あーもーホラ言わんこっちゃないにゃ……。 | ![]() | |
──サロメにより誤解甚だしい認識を強く植え付けられ、アーシアはにげだした! | ||
![]() | ま、魔法使い! アーシアの誤解を解いてくれ! | |
![]() | いたたたた、いたいってばもー! | |
![]() | ご、ごめん……! | |
──恐らくしばらくイツキは動けないだろう。君は大きな大きなため息をつきながら……。 | ||
──逃げていくアーシアの後を追った。 | ||
やっと追いついたにゃ……。 | ![]() | |
──逃げるアーシアを追いかけながら、君たちは再び中庭へと出てきていた。 | ||
──中庭の広場には大きな人だかりができているが、今はそれどころではない。 | ||
![]() | はぁ……はぁ……あの、魔法使いさん、一体どうして……。 | |
──まだ混乱しているアーシアに、君はなんとか事情を話そうと状況を整理する。 | ||
──なんとか頭の中で話がまとまったところで、君が説明を始めようとした時。 | ||
![]() | ||
![]() | あら、あなたたち……今日はどうしたの、何か用事? | |
りっ、リンカ……! べ、別に大したことじゃないにゃ、誤解を解こうと……。 | ![]() | |
![]() | 誤解って……それに妙に慌ててない? ねえ、何かあったの? | |
──い、いや別に……とシドロモドロに君は言う。 | ||
──少し前にアキラにリンカがチョコを渡していたのを聞くべきか否か、君は迷った。 | ||
──だが、そんな疑問は君の視線の先にある、とんでもない光景で吹き飛んでしまう。 | ||
![]() | ||
──なんと、体をかがませたヴォルフが、シャーリーの顔に顔を近づけ……! | ||
![]() | ……ちょっと、魔法使い? 私を無視してよそ見なんて……、 | |
![]() | えっ。 | |
──君の視線を追ったリンカが、君と同様に固まる。 | ||
──さらにその視線を追いウィズも固まり、ついでにアーシアも固まった。 | ||
──顔を離したシャーリーは何故か涙ぐんでおり、ヴォルフはにっこりと笑っている。 | ||
![]() | …………。 | |
──そしてついに、ショックからか、リンカはその場にヘニャンと崩れ落ちてしまった。 | ||
わわわっ!? だ、大丈夫ですか? | ![]() | |
次から次へと災難が続くにゃ……。 | ![]() | |
──若干疲れ始めた君に、さらに災難が襲う。 | ||
──中庭の広場に集まっていた集団が、何故か君たちの方向へと殺到してくるのだ! | ||
みんなー!! あっつまれー!! | ||
![]() | ||
──背後を振り返ると、そこには特設ステージで手を振るMIU☆MIUの姿が! | ||
──ステージ上には、「MIU☆MIU☆すーぱーゲリラライブ!」という看板がある。 | ||
まさか……! | ![]() | |
──そう、君のいる場所は、ステージと集団の丁度中間地点に位置していたのだ! | ||
わわわっ!? | ![]() | |
──君たちは集団に巻き込まれ、為す術無くステージの上へと叩き上げられる。 | ||
![]() | あれー? 今回のライブはバトル形式なのかな? まあいいけどね! | |
──勘違いしたMIU☆MIUに状況を説明する間もなく、マイクに魔力を集め始めた! | ||
ああもう! なんで今日に限って話を聞かない輩が多いんだにゃ!! | ![]() | |
──自分の気持ちを代弁したウィズの言葉に強く同意し、君は身構えた! | ||
![]() | さあ、新曲いっくよー! 『片恋☆ラプソディ』!! | |
(戦闘終了後) | ||
![]() | あーん! 負けたぁ~! | |
──多少苦戦したが、君はなんとかMIU☆MIUにライブバトルで勝つことが出来た。 | ||
……キミはアレかにゃ、歌の才能もあるのかにゃ? | ![]() | |
──正直何が勝敗を分けたのか理解しておらず、君は困りながら苦笑いを浮かべた。 | ||
──ともかく、倒れたリンカとアーシアの誤解を早く解こう。 | ||
──君はそう言うと、ウィズと一緒にステージを降り……、 | ||
[MIU☆MIUファン] | あっ! 魔法使いが逃げるぞ!! 追え! | |
[GC党隊長] | MIU☆MIUにまで手をだすとは、奴もターゲット候補だ! 捕まえろ! | |
──2つの集団に捕まらないよう、全力で走り出した! | ||
──だが、連戦と気苦労のせいで、君の足はもつれてしまう……! | ||
[MIU☆MIUファン] | 今だっ!! かかれーー!! | |
[GC党隊長] | 確保ォーーーー!! | |
──もうだめだ、と君は覚悟を決め、目をぎゅっと閉じる……! | ||
──その時だった! | ||
「つまんねえことで騒いでんじゃねぇ!! | ||
──強烈な一喝に、周囲が静まり返る。 | ||
──恐る恐る目を開けた、君の前に立っていたのは……。 | ||
![]() ……無事か? | ||
──そう言い背中越しに笑う、ヴォルフの姿だった……! |
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