ヘヴィ・ラヴ
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いよーしっ! さあ張り切っていくにゃ! | ![]() | |
![]() | おー……。 | |
──妙にイキイキとしているウィズと、完全に燃え尽きているイツキ。 | ||
──そんなひとりと一匹を連れて、君は相変わらずギブミーチョコレー党から逃げていた。 | ||
![]() | しかしアキラの奴、いつの間に会長と仲良く……? | |
はいはい、ゴチャゴチャ悩んでも仕方ないにゃ。まずは安全な場所を確保するにゃ。 | ![]() | |
![]() | はぁ……そうだな。多分、生徒会室ならそう危険は無いと思うけど。 | |
その代わりにリンカと鉢合わせる可能性も高くなるにゃ? | ![]() | |
![]() | ぐ……そ、そりゃ当然だろ? 生徒会のメンバーだし、俺は別に……。 | |
──わかりやすく狼狽えるイツキをひたすらイジるウィズ。 | ||
──少しイツキが不憫に感じ、君はウィズを抱き上げて歩き出した。 | ||
あーもう、何するにゃ! 今からが面白いところなのに……。 | ![]() | |
──はいはい、と君は返し、イツキに行こう、と声をかけた。 | ||
![]() | まったく……なんて日だよ、今日は。 | |
──君は本当にね、と言い苦笑する。まだクエス=アリアスには帰れそうにない……。 | ||
![]() | うわっ!? | |
きゃっ……! | ||
──生徒会室へと向かう途中、先行していたイツキが曲がり角で誰かにぶつかった。 | ||
大丈夫かにゃ? | ![]() | |
──君とウィズが駆け寄ると、そこには……。 | ||
![]() | ||
![]() | いたたた……。 | |
──ニコラを押し倒すように廊下に倒れこんでいる、イツキの姿が。 | ||
![]() | いいいいイツキ君!? | |
![]() | うわっ! すまんニコラ、急いでて……。 | |
──慌てて立ち上がろうとするイツキ。だが……。 | ||
![]() | いたっ、か、髪が……。 | |
──ニコラの髪が、偶然にもボタンに絡まってしまい、上手く立ち上がれない。 | ||
![]() | えっ? あ、ゴメン! ちょっ、これどうしたら……。 | |
──そしてそこに運悪く、ギブミーチョコレー党員たちが殺到してきた。 | ||
あー……これは……。 | ![]() | |
[GC党隊長] | マスグレイヴ貴様……ニコラちゃんのチョコだけでは飽きたらず本体までも……!! | |
![]() | へあっ!? な、なんで渡そうとしてるの知ってるのよ!?それに本体って何!? | |
![]() | えっ? | |
![]() | いやいや! 違くて! これはその……! | |
![]() | ま、魔法使い! 見てないでなんかフォローしてくれよ! | |
──わかりやすーいラブコメの体を示し始めた眼前の状況に、君は閉口する。 | ||
──ウィズはというと、普段はやらない「自分のしっぽ追いかけ」に夢中だ。 | ||
![]() | ぐっ……と、とにかくこれは違うんだ! 俺はただ……。 | |
![]() | やだちょっとイツキくん、痛いってば……! | |
![]() | あああ悪いニコラ……! ど、どうすればいいんだよ! | |
──と、場の空気がなんだかしっちゃかめっちゃかになり始めた、その時だった。 | ||
貴様らァ……校内で……さらに私の目の前で……ストロベリィな展開だと……? | ||
──地獄の釜の底で100万回反響したような恨みのこもった声が、廊下を揺らす……。 | ||
──とてつもない悪寒を感じた君が振り返ると、そこには……。 | ||
![]() | ||
![]() | キャピキャピした青春の1ページの匂いがするわ……許しがたい……。 | |
![]() | 独身女の前でこの所業……許しがたいわ……まったくもって許しがたい……! | |
──「ギブミーチョコレー党外部顧問」という腕章をつけたサロメの姿が。 | ||
[GC党班長] | 顧問! 彼奴らチョコよりも甘い空間を作り出してますぜ! | |
![]() | そうみたいねぇ……濃厚なお取込み中、申し訳ないわねぇお二人さん……! | |
──彼女の周囲には、なんだかこう……ドス汚れた感情を含む魔力が渦巻いている。 | ||
──だが、ニコラとイツキはそれどころではない。 | ||
いたた、待って、慌てないでってば……。 | ![]() | |
わ、悪い。えーとこっちをこうして……難しいなコレ……。 | ![]() | |
──顔、近いよ……。 | ![]() | |
あっ、えーとゴメン……。 | ![]() | |
──そして当然、そんな彼らの先ほどのようなやり取りは、周囲の空気をより甘くする! | ||
![]() | うらみはらさでおくべきか。 | |
──目を血走らせたサロメは、既に周囲が見えていない! | ||
あー、まあ、その……助けてあげたほうがいいんじゃないかにゃ? | ![]() | |
──イツキとニコラを放っておくわけにもいかず、君は渋々カードに手を伸ばした! | ||
(戦闘終了後) | ||
![]() | 取り乱しました。 | |
だにゃ。 | ![]() | |
──廊下に転がっているギブミーチョコレー党の党員たちの隅で……、 | ||
──サロメは正座しながらベソをかいていた。どうやら、やはりチョコが原因らしい。 | ||
![]() | せっかく作ったんだけど……なんだかサイズが少し大きくなっちゃって……。 | |
![]() | 渡そうとしたら、『愛が重い』って言われて……うぅ……。 | |
あー……。 | ![]() | |
──彼女が抱えているチョコは、正直1年分と言っても過言ではないサイズ。 | ||
──チョコの物理的な重さでなく、愛すらも重いと評されたサロメに、君もあー……と思う。 | ||
──イツキとニコラをかばったつもりだったが、何故かサロメが不憫に見えてきた。 | ||
なんというか……その、元気を出すにゃ……きっと受け止めてくれる人がいるにゃ。 | ![]() | |
──君もウィズと一緒になって、そうだよ、いい人がきっと……とサロメをなぐさめる。 | ||
──ふと気になり、君がイツキとニコラに目をやると……。 | ||
![]() | いっ、たた! ちょ、ちょっと待って。 | |
![]() | ご、ごめん。こういうの慣れてなくて……やっぱり俺のボタンを切ったほうが……。 | |
![]() | いや、イツキ君に迷惑かけられないし……毛先だけちょっと切れば大丈夫だから。 | |
![]() | ソレこそ駄目だ、せっかく綺麗な髪なんだから、大事にしないと。 | |
![]() | イツキ君……。 | |
サロメを止めないほうがよかったかもしれないにゃ。 | ![]() | |
──君は無表情のままウィズの言葉にうなずく。今なら魔王が相手でもやれる気がした。 | ||
![]() | ねえ……ねえ、ちょっと! | |
![]() | あの二人は放っておいていいと思うんだけど……あの子は大丈夫なわけ? | |
──サロメに言われ、君がその方向に視線を動かすと、そこには……。 | ||
げっ。 | ![]() | |
![]() | ||
──深刻な表情でイツキたちを凝視する、アーシアの姿があった。 |
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