フリーレ
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共通情報
名前 | フリーレ・ギフト | CV | - | 種族 | 術士 |
登場 | - | ||||
世界 | どこまでも広がる氷の異界 | ||||
所属 | - | ||||
特徴ワード | ただ、温もりを求めて | ||||
関連キャラ | ピピア | ||||
セリフ1 | 「これが恋かしら」 | ||||
セリフ2 | 「……あなたは、どうして笑っているの?」 | ||||
セリフ3 | 「教えて……誰か……」 | ||||
補足情報 | 氷精が舞う、どこまでも広がる氷の世界にひっそりと暮らす少女。 優しい彼女の心とは裏腹に、彼女が寄り添う者は凍てつき、氷像と化し、死を迎える。 |
パーソナルストーリー

バックストーリー
澄み切った、透明な音がする。
冷えきった体に、その音は染み入るように響いた。
「あなたは、どこから迷い込んだの?」
どこまでも広がる氷の世界。赤い核の透けた氷精が舞う、
美しくも虚しい世界で、彼女は誰とも知らない旅人に声をかけた。
……旅人は、自分に積もった雪を気にするでもなく、涙を流した。
それはすぐに薄氷となって風に乗り、雪景の果てに消えていく。
「どうして、泣くの?」
彼女はそっと旅人に寄り添うと、その頭を抱きかかえた。
暖かく、柔らかな熱が、ゆっくりと凍った旅人の体と心を溶かしていく。
「どうして?」
針金のように凍てつき、ごわついた髪を、少女の指が撫でた。
この世界に降り続ける雪のように、彼女の優しさには限りがなかった。
少女の指先が旅人の髪をとかしていく度に、
旅人の表情は絶望に満ちたものから、少しずつ穏やかなものへと変わっていく。
しかし、それを見ていた少女の表情は、対して段々と曇っていった。
「……あなたは、どうして笑っているの?」
そして、不思議そうに、首をかしげながら――
「……私は、こんなに哀しいのに」
口元だけを微笑ませて、彼女は言った。
旅人の頬に添えられた手が、急速に温度を失っていく。
後頭部に感じていた膝の柔らかさは、今すでに無い。
頭を撫でる細い指先も、今はつららのように冷たかった。
「あなたが、教えて?」
……旅人は、彼女の周りに広がる数多の氷と同様に色を失い、
静かに佇むだけだった。
少女を慰めるように、氷精が周囲を舞う。
氷精の羽根が擦れ、澄み切った、透明な音がした。
冷えきった彼女の体に、その音は染み入るように響く。
「あなたが、教えてよ……」
少女は、帰ってくるはずのない問いを繰り返す。何度も、何度も。
彼女は――フリーレ・ギフトは、やがて小さな足跡を残して、
旅人の元から去っていった。
自分とは違う、暖かく、優しい誰かを求めて。
「教えて……誰か……」
彼女は、今日も銀世界をさまよう。
あてもなく、ただ、ぬくもりを求めて。
※話の最初に戻る
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