よろず誤字承ります
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![]() | えーーー! 猫神様じゃない?! | ||
ごめんなさいにゃ! つい調子に乗ってしまったにゃ……。ホラ、キミも謝るにゃ! | ![]() | ||
そうウィズに促され、なぜか君も一緒に頭を下げる。 | |||
喧嘩神輿に出場することとなった君たちは、ミコトに真実を打ち明けることにしたのだった。 | |||
それはウィズが猫神でないことを見抜いたセイの助言でもあった。 | |||
![]() | で、ではどうやって猫神……じゃなかった、ウィズ様たちはこちらの世界へいらしたのですか? | ||
君は真相──祭りの最中に突然別の異界であるここへ来てしまったこと──を話す。 | |||
![]() | ふむふむ……なるほど……それで? | ||
ミコトは手元の紙にメモを取りながら君たちの話を聞いていく。 | |||
![]() | あ! | ||
と、ミコトの手から一枚の紙がこぼれ落ちる。 | |||
ん? なんだコレ? | ![]() | ||
![]() | あ、私の和歌ですっ。ウィズ様たちと出会う前に仲間をつくるために詠んだヤツですっ。 | ||
そういやお前、和歌の神だって言ってたな。詠んだ歌が本当になるんだっけ? なになに? | ![]() | ||
と、スオウはミコトの和歌を詠もうとする。 | |||
![]() | 「『祭りね』と、君は私の手を引いて、喧嘩神輿に挑まんとする」ですっ。中々良い歌でしょ? | ||
良い歌っつうか、そのまんまっつうか……。っていうかお前! 字、間違ってんじゃん! | ![]() | ||
![]() | ……知ってます。祭りね「と」じゃなくて祭りね「こ」で! ……ん? あ! | ||
とミコトが何かに気づいたように驚く。 | |||
どうしたにゃ? | ![]() | ||
![]() | ……あわわ、何でも無いです! 全くもって何でも無いです! 全然だいじょうぶです! | ||
だが、言葉とは裏腹に、うつむきブツブツとぼやき始めるミコト。 | |||
![]() | 私、なんてこと……これじゃあまさかウィズさまたちは……。 | ||
![]() | ……お参りされても誤字ばっかりで、全然役に立てなくて……ご利益ぽいんと20だし………。 | ||
![]() | うう……こんなんだからマトイちゃんやトミちゃんにもフラれるんだ……! | ||
ほんとに大丈夫かにゃ……? | ![]() | ||
![]() | ……だ、だいじょうぶ……です……。 | ||
全然大丈夫そうに見えないミコト。だが、スオウはそんな彼女に明るく声をかけた。 | |||
まあ、こうして喧嘩神輿に出られたんだから、結果としては良かったんじゃねぇか? | ![]() | ||
戦いなら俺たちに任せておけばいい。 | ![]() | ||
![]() | ありがとう……。そうだよね! 今回は誤字ったことで逆にいい方向に転がった感じだよね! | ||
ミコトは皆に元気づけられ、いつもの明るい調子に戻る。 | |||
ようやく君は元気になった彼女に、改めてここがどんな異界なのかを聞いてみた。 | |||
![]() | はいっ。ここは「はっぴゃくまんの神々が住む異界」と言いまして……。 | ||
──ブッ! ギャハハハ! お前それ本気で言ってるのかよ? | ![]() | ||
ミコトの言葉に吹き出したスオウが笑いながらそう尋ねる。 | |||
![]() | 私、今何か可笑しいこと言いました? | ||
確かに俺らは「八百万の神々」だけどさ。この「八百万」は「やおよろず」って読むんだぜ。 | ![]() | ||
![]() | えー! 何ですかそれ? 初耳です! 何で? 「八」が「ヤ」なのはいいとして、 | ||
![]() | 「ヨロオズ」って何!? ぜんぜん読めないじゃないですか! | ||
……「ヨロオズ」じゃなくて「やおよろず」だ。……コレで和歌の神とは……。 | ![]() | ||
と、そこにナゴミがやって来る。 | |||
![]() | 皆さん、おまたせしました! 予選試合が始まりますので会場へ向かって下さーい! | ||
ナゴミの登場にセイは声を潜める。 | |||
いいか? みんなの前じゃ、ウィズはあくまで猫神様だからな? | ![]() | ||
分かってます! | ![]() | ||
よっしゃ! それじゃ暴れてやりますか!? 猫神様っ! | ![]() | ||
では、皆の衆、そろそろ行くかにゃ! | ![]() | ||
猫神ウィズを筆頭に、君たちはいざ試合会場へと向かう。 | |||
会場である境内につくと、予選は既に始まっていた。観客も大勢おり、辺りは熱気に満ちている。 | |||
これみんな神様なのかにゃ……? | ![]() | ||
はいっ。この異界には基本、ありとあらゆる物事にそれぞれ神様がいるんです。 | ![]() | ||
ありとあらゆるもの? | ![]() | ||
![]() | はい。山や海は勿論、台所やお手洗いの神様だっているんです。 | ||
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![]() | お米粒にだって神はいるのじゃ。ワタチのようにな! | ||
![]() | チュンチューン! | ||
と、そこにナゴミがやってきて、 | |||
![]() | こちら、猫神様ご一行の対戦相手、豊穣神のウカ様とそのお供、チュン坊様にあらせられます! | ||
![]() | 猫神よ! ソナタの強さは聞いておるが、ワタチとて神のハシクレ! いざ尋常に勝負じゃ! | ||
![]() | チュンチューン! | ||
![]() | さぁ、ここで時間となりました! 両者ハリキッて参りましょう! | ||
どうやら君たちの出番が来たらしい。 | |||
![]() 勝つのは猫なのか、雀なのか! とうなめんと本戦への出場をかけた一本勝負、開始です! | |||
(戦闘終了後) | |||
君の放った魔法を受けて、ウカはその場に膝をついた。 | |||
![]() | クッ。猫神ならまだしもお供のヤカラに屈するとは……。 | ||
やったぁ! お供の方! 見直しましたよ、私! | ![]() | ||
やるじゃねぇか! お供のヤツ! | ![]() | ||
……お前のお供、中々いい腕をしてるな。 | ![]() | ||
私の自慢のお供にゃ! | ![]() | ||
お供、お供と皆に呼ばれ、君はひきつりながらも笑顔で答える。 | |||
![]() | スマン、チュン坊……願いを叶えてやれなんだ。ワタチが不甲斐ないばっかりに、…。 | ||
![]() | チュンチュン……。 | ||
一体何をお願いしようとしていたんですか? ウカ様は……? | ![]() | ||
![]() | 知っての通り、下界では今戦乱の最中じゃ。年貢も年々が厳しくなっておる。 | ||
![]() | ワタチの力で人の食い扶持程度は実らせたのじゃが、こいつの分まで回らなくてな。 | ||
と、チュン坊のお腹が大きくグゥとなる。ウカはその腹を優しくさすりながら続ける。 | |||
![]() | かつては多くの米が奉納されていたのじゃが、もうそんな余裕もないようでの……。 | ||
![]() | 神輿座につき、こいつに腹いっぱい米を食わせてやりたかったのじゃ……。 | ||
なんか……すみません。 | ![]() | ||
![]() | いや、よい喧嘩であった。ワタチらはこれにて退散致そう……。 | ||
そしてウカは翼を広げて飛び去っていった。 | |||
さっすが神様にゃ。負けても潔いにゃ! | ![]() | ||
かっこいい神様ばっかりでもないぜ! 中にはひでぇヤツだっている。 | ![]() | ||
……それは私のことか? | |||
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と、軍服姿の神が声をかけてくる。君はスオウとセイから張り詰めた気配を感じる。 | |||
自覚があるなら世話ねぇぜ、カタバ……。 | ![]() | ||
……知り合いかにゃ? | ![]() | ||
戦神四十七柱の頭領、カタバ様です。その名の通り戦の神で、優勝候補の筆頭です……。 | ![]() | ||
![]() | フッ。今は四十五柱になってしまったがな……。 | ||
カタバはそう言ってセイとスオウを見下ろす。 | |||
![]() | しかし驚いた。姿を消した半端者が、封印したはずの猫神を連れて喧嘩神輿に参戦とは……。 | ||
カタバ……テメェの好きにはさせねぇぞ。 | ![]() | ||
![]() | お前らのような半端ものに何ができるというのだ。 | ||
……勝つのさ。お前に……。 | ![]() | ||
![]() | ふん……。まぁ、せいぜい決勝まで残ってみろ。 | ||
そう言って、カタバは君たちの前から立ち去っていく。 | |||
![]() | ……ったく、相変わらずいけ好かない野郎だぜ。 | ||
……? ス、スウちゃんとセイちゃんって、戦神だったの!? | ![]() | ||
![]() | ……あぁ。 | ||
![]() | そうなんだ。オレたち……って「スウちゃん」だと!?何だそのふざけた呼び方は? | ||
だって呼びやすいし、可愛いし。 | ![]() | ||
![]() | なんだよそれ! | ||
あ、セイちゃんにもアダ名つけてあげたかったんだけど、二文字だからむずかしくて……。 | ![]() | ||
![]() | ……いや、別にいい。 | ||
そ、それであのカタバって神と君たちのあいだに一体何があったにゃ? | ![]() | ||
あ、そうそう。なんか猫神様をフンインしたって言ってたけどフンインってなに? | ![]() | ||
![]() | フンインじゃなくて封印だよ、ふ、う、い、ん。 | ||
![]() | ……カタバは今回の喧嘩神輿で優勝する為に、歴代の優勝者を陰で封印したんだ。 | ||
カタバの目的は何にゃ? どんな願いを叶えようとしてるにゃ? | ![]() | ||
![]() | ……さっきの豊穣神の話、聞いただろう? 今下界では戦乱が続いている。 | ||
![]() | カタバの願いはその戦乱に参加することだ。 | ||
どうしてそんなことを……。 | ![]() | ||
![]() | 暴れたいんだろうよ。狂ってやがるんだ……アイツは……。 | ||
![]() | ……戦乱を長引かせたいんだろう。戦がなくなれば食いっぱぐれるからな……俺たち戦神は。 | ||
そ、そんな……。 | ![]() | ||
![]() | オレとセイは、アイツを止めに来たんだ。 | ||
![]() | そういうことだ。 | ||
うー。私何かすごく燃えてきましたよー! 勝ちましょう、絶対に! | ![]() | ||
ミコトの言葉に力強く頷いて、君たちは喧嘩神輿とうなめんと本戦へと向かう。 |
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