苛烈なる対峙の章
(0コメント)| 己の魔力に姿を与え、具現化させる異界── | ||
| その奥深き山中にて、いずれ劣らぬ魔力を秘めた猛者が対峙していた……。 | ||
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| 破ってあげる……。 | ![]() | |
幾多の強者を破り、〈煉獄華〉と恐れられている武術家──リエン。 | ||
![]() | 爆ぜ散るがいい!! | |
数多の術理を修め、邪術外法にさえ通じるという魔道士──ダムザ。 | ||
![]() イマジネイティブ☆ロックオン! ガトリン・チャンバー、スタンバーイ! | ||
つやめく翼は天使の証(自称)、ざっくりときめきレジェンドナース──ガトリン!! | ||
![]() | 誰だ!!! | ![]() |
![]() ガトリンですよ? ざっくりときめきレジェンドナースの。 | ||
| ひとっかけらもわかんないんだけど。 | ![]() | |
![]() | ガトリンとやら。どうやら、内なる魔力の具現を以って、不思議な器物を使うようだが── | |
![]() | 今やこの地は、我らが決戦の死地なり。命が惜しくば、即刻退散するがよい!! | |
| わたしく、具合の悪そうな方を見つけては、強制治療する旅をしてまして~。 | ![]() | |
![]() | 聞いて? | |
| それで、顔色の悪いあなたを見かけましたので、ぜひ治させていただこうかなー、と! | ![]() | |
![]() | いや、これは、大魔術の負荷に耐えるため、魔力の具現化で肉体を強化した結果であって── | |
| イマジネイティブ☆ロックオン! ガトリン・チャンバー、ヘルファイアー!! | ![]() | |
| 巨大な注射器(?)から、すさまじい勢いで謎の液体が高速連続射出され、ふたりを襲う!! | ||
![]() | ギャー!! | ![]() |
| ちょっと何マジ聞いてないんだけど!! なんであたしまで巻き込まれるわけ!? | ![]() | |
![]() | そんなことを言っている場合か! とにかく逃げるぞ、〈煉獄蛾〉! | |
| 誰が〈蛾〉よ! 〈華〉だっつーのー!! | ![]() | |
| ぞばばばばばばばばば……!! | ![]() | |
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| ……世の中ってさ。 | ![]() | |
![]() | うむ。 | |
| なんつーか……広いわよね……。 | ![]() | |
| ガトリンの目から逃れて、岩陰に隠れたまま──ふたりは、こそこそ会話を交わす。 | ||
| その間……逃げたふたりを見失ったガトリンが、獲物の銃口から謎めいた薬を連射している。 | ||
![]() | うむ……魔力を具現化しうるということは、イメージ次第でなんでもありということだからな。 | |
それにしたってありゃないでしょーよ。何よアレ。さらっとすごい魔力してんだけど。 | ![]() | |
![]() | 我らに匹敵するほどの魔力……あの連射はうかつに浴びるわけにはいかんぞ……。 | |
| 言って、ダムザが岩に手をかけると……、もろくなっていたその部分が、崩れてしまった。 | ||
![]() ──ぞばっ!? | ||
| ガトリンの連射が岩へと殺到──ふたりは、あわてて岩陰から跳びのいた。 | ||
| ちらりと岩に目をやると、謎の薬を受けた部分が融けて、無惨な穴をさらしている……。 | ||
| そこにいたぞばか……。 | ![]() | |
![]() | 語尾ッ!? | |
| 患者さんは、おとなしくしててください。お薬浴びたら、すこんと一発リフレッシュできますから! | ![]() | |
![]() | あの。岩。穴。 | |
| あ、ちょっと岩を溶かす成分が混じってますけど、人体には無害ですんで。ええ。 | ![]() | |
![]() | 信じない!! | |
| 誰も信じないなんて、そんな悲しいこと言わないでくださいよ!! | ![]() | |
![]() | あんたを信じないって言ってんの!! | |
| かたくなハートは溶かすに限る! ガトリン・チャンバー、ゴートゥーヘル!! | ![]() | |
![]() | ほらだってそういうこと言うー!! | |
| 結局。 | ||
| リエンとダムザは、ガトリンの"お薬"を受け、びしょ濡れとなったのだった……。 | ||
![]() | うわー、これマジ強制的に元気出るー……。 | |
| ちゃんとイマジナリー調合してますから。でも、ダムザさんの顔色は治りませんねー? | ![]() | |
![]() | だからな? これは魔力の具現化によって肉体を強化した結果、こういう見た目なだけでな……? | |
![]() | あーあ。仕合どころじゃなくなっちゃった。 | |
| 仕合? ケンカじゃなかったんですか? | ![]() | |
![]() | あたし、武術家だから。各地の強者と仕合して、そんで武の腕を磨いてるわけ。 | |
| へぇー。変わってますね! | ![]() | |
![]() | あんたが言う? | |
![]() | わしは、恐るべき魔力を持った女が村人や武人を襲っておると聞き、こらしめようと思うてな── | |
![]() | オトリとなって山をうろついていたところ、〈煉獄蛾〉に遭遇し、すわこやつか、と……。 | |
![]() | 〈華〉だっつの! だいたい、何よそのウワサ! 手合わせは申し込むけど、襲うとかしてないし! | |
![]() | だが、村人はおろか、武人たちさえひとひねりにするほどの魔力を持つ女となると、そうそう……。 | |
| ふたりの視線が、ひとりに集中。 | ||
| ぞば? | ![]() | |
![]() | (こやつだ……) | |
![]() | (絶対こやつだ……) | |
| ともかく、話はわかりました。 | ![]() | |
| これも、何かのデスティニー。わたくしたちで、その女の人をこらしめようじゃないですか! | ![]() | |
![]() | ええー……。 | ![]() |
| 山に、黄昏が墜ちてゆく。 | ||
| これが、のちの世に〈魔轟三鉄傑〉と呼ばれる三人の出会いだと、歴史書には刻まれているが……。 | ||
| あてにしないほうがいいかもしれない。 | ||
>>解き明かされる真贋の章
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