学園長の失踪
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学生たちの後を追ってきた君たちは、講堂の前までやってきた。 | ||
以前、君が学園祭で訪れた時には、ここでミスクロム・マグナ コンテストが行われていた。 | ||
きっとダンケルもこの中にいるはずにゃ! | ||
講堂へ入ろうとする君たちを、背後から聞き覚えのある声が呼び止める。 | ||
おお、魔法使いじゃないか!? | ||
振り返った先にいたのは、クロム・マグナ魔道学園の生徒会副会長、イツキ・マスグレイヴだ。 | ||
久しぶりだな。 今回は一体どんな用だ? | ||
私たちは別に用とかないにゃ! 突然呼び出されただけにゃ! だからさっさとダンケルに──。 | ||
その時、ウィズの言葉を遮るように、再び鐘が鳴った。 | ||
間もなく全校集会が始まります。遅刻者、欠席者にはペナルティが課せられます。 | ||
話は後だ、とりあえず中に入ろう。 | ||
イツキの後に続き、君たちは講堂の中へ入る。 | ||
講堂の中は既に多くの学生がひしめいている。君はその中に知った顔を見つける──。 | ||
彼女はリンカ・ワイアット。この学園の生徒会長だ。 | ||
遅かったじゃない、イツキ。生徒会副会長が遅刻してどうするのよ。 | ||
ごめんごめん。表でこいつらに会ってさ……。 | ||
あら、あなたたち。久しぶりね。今日は一体どうしたの? | ||
どうしたもこうしたもないにゃ。またしてもこれが光って── | ||
と、ウィズは君のポケットから学生証を口にくわえて取り出す。 | ||
ひふぁふいふぁらふぉ……。 | ||
君はウィズの口から学生証をとってやる。 | ||
気付いたらもうここにきてたにゃ! 多分今回もあの変人学園長が私たちを──。 | ||
と、ウィズの言葉をリンカが遮った。 | ||
しっ。もう集会が始まるみたい。 | ||
リンカの視線の先、壇上に一人の女性が現れる。 | ||
時間ですね。それでは全校集会を始めます。 | ||
あれは誰にゃ? | ||
さぁ……。 | ||
はじめまして。私はアムベル・ケイ。この学園の理事長です。 | ||
理事長だってさ。オレも初めてみるよ。 | ||
と、イツキはウィズに耳打ちをする。 | ||
実は……ダンケル学園長が失踪しました。 | ||
彼女の言葉に学生たちがどよめく。 | ||
(失踪……? どういうことにゃ?) | ||
そう囁くように尋ねるウィズにイツキは首を横に振る。 | ||
……そういえば最近見てないな。 | ||
イツキの私語が聞こえたのか、壇上のアムベルは君たちを一瞥してから話を続ける。 | ||
……現在、彼を捜索していますが、今は最上級生の卒業を控えた大事な時期でもあります。 | ||
そこで、当面の間、学園の運営については理事長である私が直接指揮を執ることになりました。 | ||
みなさん、どうぞよろしくお願いします。話は以上です。解散して下さい。 | ||
そして彼女は一礼し、舞台から下りていった。 | ||
心配ね。あの学園長に限って何かトラブルに巻き込まれるようなことはないと思うけど……。 | ||
どっちかといえば、いつもトラブルに巻き込む側にゃ。 | ||
ははっ。確かにそれは言えてるな。 | ||
生徒会のみんなに話を聞いてみましょうか? 今から会議があるのよ。 | ||
会議? | ||
ええ。もうすぐ卒業式だからその打ち合わせをするの。 | ||
卒業式? そういえば壇上で話していたアムベルもそんなことを言っていた、と君は思った。 | ||
もしかして、イツキたちが卒業するのかにゃ? | ||
……まぁな。 | ||
イツキはなんとなく寂しそうな、複雑な表情を浮かべる。 | ||
じゃ、そろそろ行きましょうか。 |
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