ルーシュ
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№ | 462 | 463 | 464 |
名 | (A)奇術師 ルーシュ | (A)大奇術師 ルーシュ | (A+)希代の奇術師 ルーシュ |
AS | 幻影一討 | 幻影一討 | 幻影一討 |
SS | 不思議な手品 | 人気の奇術 | 魅惑の幻術 |
№ | 465 | 4138 | |
名 | (S)世紀の奇術師 マギカ・ルーシュ | (L)ミラクル超奇術 マギカ・ルーシュ | |
AS | 幻影一討 | 魅幻無形 | |
SS | 変幻自在 | 奇天幻想 |
正月ver
№ | 5444 | 5445 | 5446 |
名 | (SS)とっておきの奇術 ルーシュ | (SS+)新春びっくり奇術ショー ルーシュ | (L)前代未聞の大奇術 マギカ・ルーシュ |
AS | 奇想天外・無形 | 奇想天外・無形 | 幻夢幻惑・縛鎖 |
SS | いつもより多めに飛び出す鳩 | 初日の出ショータイム | 初日の出ショータイム |
共通情報
名前 | マギカ・ルーシュ | CV | - | 種族 | 術士 |
登場 | - | ||||
世界 | 芸術が禁止され、色彩を失った無味乾燥の異界 | ||||
所属 | 奇術師 | ||||
特徴ワード | 世界に驚きと感動を! | ||||
関連キャラ | ボブ、ラピスラ | ||||
セリフ1 | 「私の奇術……あなたに見抜ける?」 | ||||
セリフ2 | 「ダメよ。私たち芸術家が諦めちゃ、全てが終わっちゃうわ。」 | ||||
セリフ3 | 「人々の驚く顔、楽しんでくれる顔。それを守るために私は、戦うわ」 | ||||
補足情報 | 一人放浪をつづけながら、奇術の腕を磨く少女 彼女の多彩な奇術の前に政府は全く太刀打ちできず、 いつからか彼女の存在は政府打倒を志す人々の心の支えとなる。 |
パーソナルストーリー
バックストーリー
世界に驚きと感動をもたらすため、
一人放浪を続けながら奇術の腕を磨く少女・ルーシュ。
その幻想的な秘術は多くの人々を魅了し、誰もが虜となってしまうといいます。
風に舞い、煙のように消え去るルーシュの幻術に統制府も手を焼き、
幾度となく仕向けられた刺客もことごとくあしわらわれるばかり。
いつしか彼女は政府に反感を持つ人々の間で伝説の存在となり--
やがて訪れる革命の機運を呼び起こすこととなっていきます。
※話の最初に戻る
消えゆく芸術
世界には、重苦しい空気が立ち込めていた。 | ||
B・A・Dな、時代になっちゃったわねぇ。 | ||
ここは〈芸術が禁止され、色彩を失った無味乾燥の異界〉。 | ||
でも、こんな腐った世界だからこそ、私はマジックをみんなに見せたいのよ。 | ||
ほんと、あなたって真面目よね。 | ||
だ・け・ど、そんなあなただからこそ、このおかしな世界をチェンジできるかもしれないわ。 | ||
世界中の人々の行動は、統制府が全てを管理していた。 | ||
彼らは人に労働の喜びを与え、働く以外のことを禁止した。 | ||
働くことこそが、喜び。人生の目的。 | ||
それ以外は、生きるのに不必要――。 | ||
だから、芸術やエンターテイメントは、全てこの世界から追放しろ――。 | ||
踊りのない世界なんて信じられないわ。こんな世界、捨てちゃおうかと思ったこともあったわ。 | ||
ダメよ。私たち芸術家が諦めちゃ、全てが終わっちゃうわ。 | ||
そうよね……フフフッ。 | ||
ルーシュは、仲間のMr.ボブと共に世界中を飛び回って、人々にマジックを披露していた。 | ||
エンターテイメントというものが、統制府により根絶やしにされて以来―― | ||
ルーシュたちのような旅の芸人や芸術家は、どこに行っても歓迎された。 | ||
だが、それだけに統制府の目に付きやすく……。 | ||
彼らが放った憲兵から身を隠し続けなければならなかった。 | ||
いくら禁止されたとしても、美しいものを美しいと思う素直な気持ちは誰にも止められないわ。 | ||
それは人が持つ権利だからよ。 | ||
ルーシュは遠い地平を見つめていた。 | ||
ゆっくりと朝日が昇っていく。 | ||
こうしている間にも、世界のどこかで統制府による芸術家の弾圧が行われている。 | ||
人々の心は、荒む一方。 | ||
そんな人たちにマジックを見て欲しい。 | ||
ひとりでも多くの人に、「楽しい」という感情を取り戻して欲しい。 | ||
ルーシュは、心の中で祈っていた。 | ||
ルーシュ、どうしたの? 遠くをじっと見て。 | ||
なんでもないわ。新しいマジックのネタを考えていたの。 | ||
ほんとあなたの頭には、マジックしかないのね。 | ||
と、Mr.ボブは呆れ気味につぶやいた。 | ||
ルーシュたちは、旅の途中で小さな村に立ち寄った。 | ||
村には、毎日課せられる重労働で疲れ切った顔をした若い人たちが―― | ||
ただ石のようにうつむいて座っている。 | ||
ひどい……。 | ||
芸術やエンターテイメントを禁止されたこの世界は、疲れた心に癒しを与えることは許されない。 | ||
地獄のような世界だった。 | ||
ここは、私の奇術でみんなを楽しませてあげたい……! | ||
この村に滞在する予定はなかった。 | ||
しかし、あまりに殺伐とした村の様子を見て、ルーシュのエンターティナーの血が騒いだ。 | ||
みんな! 今から、マギカ・ルーシュのマジックショーをはじめるよ! | ||
ルーシュの声に、それまで死人のようだった人々の顔に生気が宿った。 | ||
「マギカ・ルーシュといえば、統制府に逆らいながら各地で奇術を披露して回っている子か?」 | ||
「こんな村に、プロのマジシャンが来てくれるなんて……ありがてぇ」 | ||
楽しみに餓えていた村の人々は、ルーシュに群がった。 | ||
ルーシュは、ひとりひとりの目をしっかり見つめながら、今まで磨いたマジックを披露していく。 | ||
観客たちから驚きの声が上がるたびに、ルーシュはマジシャンとしての喜びに満たされる。 | ||
(大好きなマジックを披露して、大勢の人に喜んでもらえる。こんなに嬉しいことはないわ) | ||
即席のマジックショーは、順調に進む。 | ||
ルーシュが次のネタに取り掛かろうとした、その時―― | ||
統制府の憲兵がやってくるわよ! ルーシュ、村のみんなも、早く逃げて! エスケープよ! | ||
そんな、これからだったのに……! | ||
憲兵と聞いて、村人たちは蜘蛛の子を散らすようにそれぞれの家に戻っていった。 | ||
即席のマジックステージにお客は誰もいなくなった。 | ||
ルーシュ、YOUも早く逃げなさい! | ||
ルーシュたちは、辛くも憲兵達の手から逃れることができた。 | ||
デンジャラスな状況だったわねー。でも、こうして無事だったのだからG・O・Dに感謝ね。 | ||
許せない……私のショーを邪魔するなんて! | ||
普段、滅多に怒ることのないルーシュだったが、今回はさすがに激昂している。 | ||
あら、ルーシュ。ずいぶんとアングリーじゃない? こんなのいつものことじゃない。 | ||
ショーの邪魔をされるのは、一番許せないのよ。 | ||
どうせなら、憲兵たちにも私のマジックを見せればよかったかも。 | ||
ノー! それは随分、スゥイートな考えね。 | ||
捕まって、ひどい目に合わされるに決まってるわ。 | ||
そうかな……? | ||
あなたのショーを待ち望んでいる人は、他にもいるわ。 | ||
今度は憲兵達が絶対にこないような場所を選んでショーをレッツプレイしましょう。 | ||
そうね。気持ちを切り替えましょう。 |
※話の最初に戻る
ルーシュたちは、憲兵たちの目をかい潜りながら次の村にたどり着いた。 | ||
「おお、最近評判の奇術師、マギカ・ルーシュが来たぞ!」 | ||
「よかった。やっと楽しみのない日々から解放されるんだ……」 | ||
村の住人たちはよほど娯楽に飢えていたらしく、ルーシュたちを手厚く歓迎した。 | ||
こんな風に大歓迎されちゃうと、こっちもやる気が出るわね。 | ||
今日は特別に、今まで成功したことのないマジックを見せちゃおうっかなー。 | ||
あら、そんなマジックがあるの? 一体どんなマジックなの? | ||
人体切断マジックよ。 | ||
あらそうなの~。じゃあ、私は急用を思い出したから、ここでリターンさせてもらおうっと。 | ||
来た道を引き返そうとするMr.ボブの肩を力強く掴んだ。 | ||
ノーグッドよー! 完成していないマジックの実験台になるのはー! | ||
今から、猛特訓しましょう。そうすれば、夜のショーには間に合うわ。 | ||
それでもノーなのぉー! | ||
ルーシュのマジックショーは、大盛況のうちに終わった。 | ||
デンジャーな状況だったわ……。本当に殺されると思っちゃった。 | ||
不安だった人体切断マジックも、紙一重で成功した。 | ||
楽しみに餓えていた村人たちは、ルーシュ渾身のマジックの連続に、終わりまで大興奮だった。 | ||
久しぶりに最後までショーを続けることができたわ。最高の日ね。 | ||
ルーシュは、奇術師として満ち足りた気持ちになった。 | ||
その時、ルーシュの元にある知らせが飛び込んでくる。 | ||
仲間である幻想絵師のラピスラ・モネが憲兵に捕まったという知らせだった。 | ||
ホワッツ!? どうしてラピスラが!? あの子は、統制府に逆らってないわ! | ||
風の噂では、統制府はこれまでの規制をより一段と強め……。 | ||
過去に芸術家として活躍した実績があるだけで、反動分子として拘束することにしたらしい。 | ||
統制府の連中は、私たちのような存在を根絶やしにするつもりみたいね。 | ||
私たちアーティストは、この世界では生きる価値もないってことなの? | ||
……いつかそういう時が来ると思っていたわ。わかってて私は奇術師を続けているの。 | ||
そうね……。だけどラピスラは違うわ。あの子は、絵が好きなだけな子なのよ。 | ||
このまま放っておくわけにはいかないわね。 | ||
ルーシュは険しい表情をしている。 | ||
まさかルーシュ? | ||
マジックの使い道は、人に見せて楽しませるだけじゃないわ。 | ||
これまでも、統制府の憲兵たちの手から逃れるために奇術を利用してきた。 | ||
他人の目をくらませたり、惑わせたりするのは、マジシャンの真骨頂だ。 | ||
統制府に拘束されたラピスラ奪還に向かったルーシュとMr.ボブ。 | ||
ふふ、一体どこを見ているの!? | ||
「なっ! 消えた!?」 | ||
「今のはまやかしだ! 逃すな、追えー!」 | ||
営所の警備兵の目を巧みに惑わしながら、ルーシュはラピスラを無事救い出すことに成功した。 | ||
ありがとうルーシュちゃん! | ||
どうってことないわ。奴らに変なことされてない? | ||
別になにも……あ、でも、あたしの描く絵について色々聞かれたよ。 | ||
最近は、色々うるさいから描くのを我慢してたんだけどな。 | ||
どっちみち捕まるなら、遠慮せず思いっきり描いておくべきだったかもね。 | ||
やっぱり統制府は、この世界から本格的にアートを根絶やしにするつもりのようね。 | ||
そんなの絶対に許せない……。 | ||
ルーシュは、拳を握りしめる。 | ||
「こっちにいたぞ! 取り囲め!」 | ||
オーノー! まさか、もう追いついてきたの!? ちょっと早すぎじゃない!? | ||
ど、どうしよう。 | ||
どうやら、完全に取り囲まれてしまったらしい。 | ||
Mr.ボブ、あなたはラピスラと共に逃げて。 | ||
あなたはどうするのよ!? | ||
ひとつに固まって逃げるよりは、別々に逃げた方が、敵の目をごまかせるでしょ? | ||
そうだけど……。 | ||
時間はないわ。ラピスラをお願いね! | ||
と、言うなりルーシュは、ショーで使っていた煙玉を地面に投げつける。 | ||
あたり一帯、煙に包まれた。 | ||
煙が晴れた頃には、Mr.ボブもラピスラも消え去っていた。 | ||
ひとりルーシュだけが、逃げずに残っていた。 | ||
私が時間を稼ぐわ。だから、できる限り遠くに逃げて。 |
※話の最初に戻る
くっ……。 | ||
暗い牢にルーシュは拘束されていた。 | ||
逃げ出せないように、ルーシュは冷たい柱に荒縄で固縛されている。 | ||
「おい、本当か? あの奇術師のマギカ・ルーシュを捕らえたというのは」 | ||
「今まで散々統制府に逆らってきた反逆者だ。たっぷり、絞ってやるぜ」 | ||
憲兵たちの話し声が牢まで届いてくる。 | ||
これから、いったいどんな目に合うのか……ルーシュは想像したくもなかった。 | ||
(想像する必要もないというのが、正しいかもね) | ||
固縛されたままの状態で、ルーシュはひっそりと微笑む。 | ||
やがて軍靴を踏み鳴らしながら、屈強な憲兵たちが牢に入ってくる。 | ||
「マギカ・ルーシュだな? 貴様をこれから、取り調べる」 | ||
「おとなしく、こちらに従った方が身のためだぞ?」 | ||
……。 | ||
ルーシュは返事をしなかった。 | ||
憲兵のひとりが近づいて、手に持った警棒を振り上げる。 | ||
「痛い目にあいたくなかったら、おとなしく返事をしろ!」 | ||
硬い鉄製の警棒が、ルーシュの腹部を打った。 | ||
だが、妙に手応えがない。 | ||
「なっ! これは人形だ……」 | ||
本物のルーシュはここにはいない。 | ||
すでに牢を抜け出して脱獄している。 | ||
「まだ、そんなに遠くまで行っていないはずだ! 追え! 絶対に逃がすな!」 | ||
牢を抜け出したルーシュは、単身暗い道をひたすら駆けていた。 | ||
縄抜け名人の私を、いつまでも縛り付けておけると思ったのかしら? | ||
しかし、脱獄したはいいものの、行くあてがあるわけではない。 | ||
新しく考えたマジックを披露するまで、死ぬわけにはいかないわ! | ||
今は、とにかく憲兵たちに捕まらないようにできるだけ遠くに逃げるまで。 | ||
だが、ルーシュは背後から迫る気配に気がつく。 | ||
まさか、もう追いつかれたの? | ||
憲兵の制服を来た男達が、もの凄い勢いでこちらに向かってくる。 | ||
さすが統制府の憲兵部隊というところ……。 | ||
この世界を支配しているだけはあるわね。 | ||
どこに行っても統制府の支配下だ。 | ||
安心できる場所は、もうどこにもないのかもしれない。 | ||
でも私は、戦い続けるわ。マジックができない人生なんて、私には何の意味もないもの。 | ||
まだマジックのタネは沢山用意してある。 | ||
人々を楽しませるネタに尽きた時……その時こそ、ルーシュはマジシャンをやめる時だ。 | ||
だからそれまで……。 | ||
「いたぞ! こっちだー!」 | ||
ルーシュは逃げ道を探したが、見当たらなかった。 | ||
……ここまでなの? | ||
マジックができない世界に生きるぐらいなら、いっそのこと……。 | ||
諦めるなんて、あなたらしくないわね。 | ||
Mr.ボブ!? どうしてここに!? | ||
遅くなってごめんなさい。あなたを助けにきたわ! | ||
Mr.ボブの背後には、かつてルーシュがマジックを披露して感謝された村人たちが従っている。 | ||
「貴様ら、統制府に逆らうつもりか!?」 | ||
みんな、こんな色彩のない世界で生きるのは、嫌だって言ってるわ。 | ||
私たちから、アートを奪う人たちには、お・し・お・き、しなきゃいけないわねっ! | ||
(戦闘終了後) | ||
「ぐはっ!?」 | ||
「き……貴様たち、このまま無事で済むと思うなよ!?」 | ||
またいらっしゃ~い! | ||
Mr.ボブと村人たちの助けで、ルーシュは無事に憲兵たちの手から逃れることができた。 | ||
ありがとう。おかげで助かったわ。でも……。 | ||
助かったというのに、ルーシュの表情は曇ったままだった。 | ||
言わなくていいわ。私も、ついてきてくれた村のみんなも覚悟の上だから。 | ||
覚悟って……みんな、これから統制府の憲兵に追われる身になるのよ? それでいいの? | ||
私もそれは言ったわよ。でも、みんなの決意は固いみたいね。 | ||
「もう楽しみのない人生を送るのは勘弁だ」 | ||
「ワシらは人間だ。芸術を愛する心まで奪われたくないわ!」 | ||
村人たちは、次々に統制府への不満を口にする。 | ||
みんなルーシュの姿を見て、奮起されたみたいね。頑張ってきたかいがあったわね? | ||
そう……。 | ||
これまで自分がしてきたことは、無駄じゃなかった。 | ||
それがわかっただけで、ルーシュの胸は一杯になった。 | ||
それじゃあ、みんなのために特別なマジックを披露させてもらうわ。 | ||
ルーシュは、夜空に向かって手を掲げた。 | ||
その場にいるみんなは、一体なにが始まるのかと息を飲む。 | ||
今日から新しい一年がはじまる。そのタイミングは、私が指を鳴らした瞬間――。 3・2・1とルーシュが数を数えたあとパチンと指を鳴らした。 すると地平の向こうから、明るい陽が昇りはじめる。 | ||
すごいわ! ビューティホーな朝日だわ! | ||
村人たちも、みんなあっけにとられている。 | ||
「ルーシュ様が太陽を出したのか? まさか、そんなことができるわけない」 | ||
みんあが驚いている顔をみて、ルーシュは満足そうに笑みを浮かべている。 | ||
(人々の驚く顔、楽しんでくれる顔。それを守るために私は、戦うわ) | ||
それじゃあ、行きましょうか。私たちの新天地に。 | ||
統制府の息のかかっていない場所は、きっとどこかにあるはず。 | ||
希望を抱えたまま、ルーシュとその一行は進み続ける。 | ||
芸術のない世界とは、これでおさらばね。 | ||
私には見えるわ。目の前に、色とりどりの美しい世界が広がっている……。 | ||
そうね。私たちで、そういう世界を作っていきましょう! |
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