ガールさん
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[ 作品No04 ] HalloweenNightじゃない日常
今日も今日とて、何か面白いことは無いかと、私、吸血鬼サキュナは空を飛びまわっていた。
「ハロウィン中は騒がしいんだけど、終わると暇よね。」
ふと、眼下から白い煙が立ち上るのが見えた。
白い煙の正体は湯気で、湯気の出元を辿ると、森林の中にお菓子の家が見えた。
湯気はそこから出ているようだ。
「ふむ。」
家主に気取られないように最低限の距離を空けたあと、家の中を覗いてみると、
セリナがテーブルの上に突っ伏しているのが見えた。
死んだような虚ろな眼をして顔を横に向けて伏せている。
お菓子の家の中にホラー映像。なかなかシュールね。
と思いながら私はそこから興味を消して、飛行を続けることにした。
「待ちなさい。」
「何か用?」
気がつけば近くにセリナが立っていた。最近気配を感知する距離が延びたようだ。ちっ。
いや、ひょっとしたら家の中にいたのは幻影で待ち伏せされたのかもしれない。
「友人が死にそうな状態で放置されているのをスルーした理由を答えなさい。」
はて?
契約と報酬でしか人とつながる手段が無く、
挙句の果てに最終的には味方が全員いなくなってキレてた女が
友人を前提に語りだして、しかも強制的に助けを求めているぞ?
これは不可解な話ね。
という顔をしてみるが、相手はスルー。
「ここ数日、誰とも会話してなくて寂しくて死にそうになってるのよ。かわいそうだとは思わないの?」
「うん。(色々な意味で)かわいそうだね。じゃあ帰るわ。」
「待ちなさい」
「悪かったわ。悦に入ったプレイ中に、邪魔されるとむかつくわよね。ホント。反省してる。」
「待ちなさいってば!」
めんどくさい奴だなあ、と私は応じる。
「あーはいはい。わかった。何の用よ?」
「いいから話相手になりなさい。今新しい計画を考えているの」
「四六時中悪い事考えてるのって、心がすさまない?
寂しいのはわかったけどまずその性格を計画的に直した方が身のためよ?」
「酷い目にあいたいの?」
「ごめんなさい。」
とりあえず実力だけはあるから逆らう事が難しい。
本気でスルーするべきだった。でもお菓子の家って神出鬼没だし。テロみたいだなぁ。
お菓子の家に入り、テーブルに座っていると、紅茶が出てくる。
紅茶を飲みながら、改めてセリナを見てみると血色の悪い肌とクマだらけの目が見える。
また、徹夜でしょーも無い事を考えていたのだろうか。
「今回はね、まずは前回の障害となったプフとタバサを抑えようと思うの。」
という前振りをしつつ、セリナはテーブルに紙の束を広げた。
「無駄に凝った、計画書ね。ふむふむ、お菓子でプフを釣って、それを人質にタバサも釣る、と。妥当に外道な計画ね。
疑問なのは、1行で済む内容をわざわざ時系列で書き込んで、何故か私が参加する前提になってるの? ってところね。」
「簡単な内容でも綿密に配慮して計画する事が、失敗を減らす美しい仕事ってものよ。」
私の疑問は疑問とも思わないか。ハッピーな生き方してるわね。
「これさー、エミーとかジルとかBTキャットが助けに来たらどうすんの?」
「え、なんで? そんな理由ないでしょ?」
「前回見事にその状況になったじゃない……。まあ前回は一応理由があったのもいるけどさ……。」
「あれだって、エミーはクッキーで釣ったんでしょ? 今回はそんな余裕はないわ!
でもジルとBTキャットはよくわかんなかったのよね……だいたいアンタも何で裏切ったのよ!」
報酬が無くても、人は流れる者だという意識が本当に無いらしい。
「だいたいタバサやプフの回りにいっつも味方が増える理由がよくわからないのよね……
いつもそれが想定外で……今度調査してみようかしら……。」
「セリナ、いるー?」
突然、玄関扉が叩かれ、声が聞こえてくる。
この声はまさしく今話題に出していたタバサのものだ。
セリナは驚いたのか、背筋をピンと伸ばして少しの間硬直し、その後玄関に向かっていった。
「一体何の用よ?」とドアを開けるセリナ。
「魔法の調剤を採集に来ていたら、お菓子の家を見かけたものだから……って
やっぱりまた、徹夜してる! ダメじゃない! もう少し生活に気を使わなきゃいけないっていったのに!」
「うっ……うるさいわね! あんたなんかにそんな気を使ってもらう義理ないでしょ……!」
「もう……こんな酷い顔色して、綺麗な顔してるのに台無しじゃない。ちょっと台所借りるわよ。」
「ちょっと勝手に人の家の物触らないでよ!」
…………。
言葉ほど態度では拒否をしていないご様子。
これはもう慣れたお決まりのパターンなのだろうなと、認識。
タバサは相変わらずどこまでも善人だなあ……と眺めつつ、
「こいつ、タバサにちょっかい出したいだけなんじゃないのかしら……。」
そんなふうに思いながら冷めた残りの紅茶を口にした。
※話の最初に戻る
「ハロウィン中は騒がしいんだけど、終わると暇よね。」
ふと、眼下から白い煙が立ち上るのが見えた。
白い煙の正体は湯気で、湯気の出元を辿ると、森林の中にお菓子の家が見えた。
湯気はそこから出ているようだ。
「ふむ。」
家主に気取られないように最低限の距離を空けたあと、家の中を覗いてみると、
セリナがテーブルの上に突っ伏しているのが見えた。
死んだような虚ろな眼をして顔を横に向けて伏せている。
お菓子の家の中にホラー映像。なかなかシュールね。
と思いながら私はそこから興味を消して、飛行を続けることにした。
「待ちなさい。」
「何か用?」
気がつけば近くにセリナが立っていた。最近気配を感知する距離が延びたようだ。ちっ。
いや、ひょっとしたら家の中にいたのは幻影で待ち伏せされたのかもしれない。
「友人が死にそうな状態で放置されているのをスルーした理由を答えなさい。」
はて?
契約と報酬でしか人とつながる手段が無く、
挙句の果てに最終的には味方が全員いなくなってキレてた女が
友人を前提に語りだして、しかも強制的に助けを求めているぞ?
これは不可解な話ね。
という顔をしてみるが、相手はスルー。
「ここ数日、誰とも会話してなくて寂しくて死にそうになってるのよ。かわいそうだとは思わないの?」
「うん。(色々な意味で)かわいそうだね。じゃあ帰るわ。」
「待ちなさい」
「悪かったわ。悦に入ったプレイ中に、邪魔されるとむかつくわよね。ホント。反省してる。」
「待ちなさいってば!」
めんどくさい奴だなあ、と私は応じる。
「あーはいはい。わかった。何の用よ?」
「いいから話相手になりなさい。今新しい計画を考えているの」
「四六時中悪い事考えてるのって、心がすさまない?
寂しいのはわかったけどまずその性格を計画的に直した方が身のためよ?」
「酷い目にあいたいの?」
「ごめんなさい。」
とりあえず実力だけはあるから逆らう事が難しい。
本気でスルーするべきだった。でもお菓子の家って神出鬼没だし。テロみたいだなぁ。
お菓子の家に入り、テーブルに座っていると、紅茶が出てくる。
紅茶を飲みながら、改めてセリナを見てみると血色の悪い肌とクマだらけの目が見える。
また、徹夜でしょーも無い事を考えていたのだろうか。
「今回はね、まずは前回の障害となったプフとタバサを抑えようと思うの。」
という前振りをしつつ、セリナはテーブルに紙の束を広げた。
「無駄に凝った、計画書ね。ふむふむ、お菓子でプフを釣って、それを人質にタバサも釣る、と。妥当に外道な計画ね。
疑問なのは、1行で済む内容をわざわざ時系列で書き込んで、何故か私が参加する前提になってるの? ってところね。」
「簡単な内容でも綿密に配慮して計画する事が、失敗を減らす美しい仕事ってものよ。」
私の疑問は疑問とも思わないか。ハッピーな生き方してるわね。
「これさー、エミーとかジルとかBTキャットが助けに来たらどうすんの?」
「え、なんで? そんな理由ないでしょ?」
「前回見事にその状況になったじゃない……。まあ前回は一応理由があったのもいるけどさ……。」
「あれだって、エミーはクッキーで釣ったんでしょ? 今回はそんな余裕はないわ!
でもジルとBTキャットはよくわかんなかったのよね……だいたいアンタも何で裏切ったのよ!」
報酬が無くても、人は流れる者だという意識が本当に無いらしい。
「だいたいタバサやプフの回りにいっつも味方が増える理由がよくわからないのよね……
いつもそれが想定外で……今度調査してみようかしら……。」
「セリナ、いるー?」
突然、玄関扉が叩かれ、声が聞こえてくる。
この声はまさしく今話題に出していたタバサのものだ。
セリナは驚いたのか、背筋をピンと伸ばして少しの間硬直し、その後玄関に向かっていった。
「一体何の用よ?」とドアを開けるセリナ。
「魔法の調剤を採集に来ていたら、お菓子の家を見かけたものだから……って
やっぱりまた、徹夜してる! ダメじゃない! もう少し生活に気を使わなきゃいけないっていったのに!」
「うっ……うるさいわね! あんたなんかにそんな気を使ってもらう義理ないでしょ……!」
「もう……こんな酷い顔色して、綺麗な顔してるのに台無しじゃない。ちょっと台所借りるわよ。」
「ちょっと勝手に人の家の物触らないでよ!」
…………。
言葉ほど態度では拒否をしていないご様子。
これはもう慣れたお決まりのパターンなのだろうなと、認識。
タバサは相変わらずどこまでも善人だなあ……と眺めつつ、
「こいつ、タバサにちょっかい出したいだけなんじゃないのかしら……。」
そんなふうに思いながら冷めた残りの紅茶を口にした。
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作品№01~03 >>> イラストは上から順(※作品№順)に書いていったものですが、雑だった線や色が、段々レベルアップできてるかなとw ミカエラ(※作品№2)はちょっと変わった格好してますが、これは丁度ミクコラボが来たときで、 鏡音リンの衣装をミカエラに着せてみようという発想で描いてます。(発想自体は別の方から) 作品№04 >>> SSの方(※作品№4)は正直初めて書いてみたものなので稚拙だとは思いますが、思い切って。 こちらのサイトのバックストーリーの文体が読みやすいと思ったので参考にさせてもらってます。 |
コメント(1)
コメント
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イラストも小説も某スレで楽しませて頂いてましたw
小説も含めて、レベル高いなーとじろじろ見させて頂きましたが、
やっぱり鏡音ミカエラが他の方のアイデアから即興で描けるのはすごいなと、そう思いました。0
削除すると元に戻すことは出来ません。
よろしいですか?
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