白波の打ち寄せるビーチ
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![]() | やあ! よく来てくれたね、我が教え子たち。そして愛すべき異世界の友人たちよ! | |
……なんつーか、満喫してますね、学園長。 | ![]() | |
![]() | はっはっは。そう見えるかね? | |
![]() | 生徒会以外の参加者も続々と到着しているぞ。たとえば……ほら、見たまえ。 | |
![]() | へい、らっしゃい! って、あれ。なんだ、生徒会ーズか | |
変なあだ名つけるのやめてアキラ君。語呂よくないし。 | ![]() | |
こんなトコで何やってんだよ、おまえ……。 | ![]() | |
![]() | 見りゃわかるだろ? 海っつったら海の家! 海の家っつったら男の鉄板屋台で決まりよ! | |
あのなあ、おまえ何しにきたと思ってんだ……リンカも、なんか言ってやってくれ。 | ![]() | |
アキラ君、タコ焼き6つね。あ、紅ショウガは抜きでお願い。 | ![]() | |
注文しろって意味じゃなくてさ!! ていうか、タコ焼き気に入ってたのか!? | ![]() | |
![]() | あー、君たち。ちょっといいかね? | |
![]() | このビーチを進んだ先に、旅館がある。この合宿の間は、そこに泊まってくれたまえ。 | |
![]() | なお、旅館への道は、彼が案内してくれる。 | |
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![]() | お任せいただこう! | |
![]() | 私はリチャード。旅館のボーイにして王子だ。 | |
おい待ていま一瞬で意味わかんなくなったぞ。 | ![]() | |
いいじゃねぇか、イツキ。かわいいペンギンの言うことだぜ。 | ![]() | |
基本、動物に甘いよな、おまえ……。 | ![]() | |
![]() | では諸君。私についてきたまえ。見事、旅館まで案内してみせようぞ! | |
よろしくお願いしまーす! | ![]() | |
──君たちは、リチャードの案内に従って浜辺を歩いていく。 | ||
──道中、魔物が襲いかかってきたが、君と生徒会、およびアキラの敵ではなかった。 | ||
なんでビーチにこんなに魔物がいるの~! もぉ~、これじゃ遊べないじゃない~! | ![]() | |
ヴォルフセンパイ、さっすがですねー! どうしたらそんなに強くなれますか!? | ![]() | |
たいしたことじゃねぇよ。いいか、ノア。おまえも周囲にもうちょっと気を配りゃ──、 | ![]() | |
──ノアは、メンターのヴォルフにべったりだ。ヴォルフも、それを敬遠する風ではない。 | ||
…………。 | ![]() | |
──そのさまに、リンカはややムッとした表情を見せている。 | ||
あー……。 | ![]() | |
──そのリンカに、イツキは、声をかけるにかけられず、頭をかいている。 | ||
む……。 | ![]() | |
──そして、そんなイツキを見るニコラは、不機嫌そうに唇をとがらせている。 | ||
青春だにゃあ……。 | ![]() | |
おうおう、どうした兄ちゃん、ニコラさん、リンカさん! あ、さては腹が減ったな! | ![]() | |
──微妙な空気をものともせずに踏み込んだアキラが、3人にじろりとにらまれた。 | ||
![]() | さあ、到着したぞ、皆の衆。 | |
──そんなとき、浜辺の真ん中でリチャードが足を止めた。 | ||
あ? 到着って、旅館なんかないじゃねえか。 | ![]() | |
![]() | いや。そなたらの宿泊先ならここでまちがいないとも。 | |
![]() | さあ、心おきなく泊っていってくれたまえ。──地獄という名の宿になァッ!! | |
──振り向いたリチャードが、ヴォルフに突進する。 | ||
ぐはぁっ! | ![]() | |
──リチャードの頭突きに吹き飛ばされ、浜辺にダウンするヴォルフ。 | ||
センパイッ! | ![]() | |
ヴォルフ! | ![]() | |
待て、リンカ! 敵に囲まれてる! 下手に動くな! | ![]() | |
でも、ヴォルフが! | ![]() | |
ノアがそばについてる! ヴォルフはあいつらに任せろ! | ![]() | |
っ……! | ![]() | |
──うめくリンカにかまわず、リチャードと、彼の配下が襲いかかってくる!! | ||
くっ……、邪魔よ! | ![]() | |
先走るなって言ってるだろ、リンカ! | ![]() | |
──イツキたちは、敵の包囲に苦戦している。いつもの連携なら切り抜けられるはずだが…… | ||
チームワークが乱れてるにゃ。このままじゃ押しきられるにゃ! | ![]() | |
![]() | これがウワサに聞くクロム・マグナ生徒会か? ふん、それにしてはたわいないものよ! | |
──てぇぇえええぇええいっ! | ![]() | |
![]() | ごはっ! | |
──敵の群れを強引に跳ね飛ばしながら突進したノアが、一気にリチャードに体当たりをかけた。 | ||
今ですっ、魔法使いセンパイ! | ![]() | |
──その声にこたえ、君は全力で魔法を放つ。 | ||
![]() | ぐはあー! | |
──君の魔法を受けて、リチャードは倒れ……配下たちは、散り散りに逃げていった。 | ||
な、なんとかなったぁ……もう、なんなのいったい~。 | ![]() | |
ヴォルフ! 大丈夫!? | ![]() | |
いてて……。 | ![]() | |
ヴォルフ先輩ってばさ~、ホントならあのくらい避けられたっしょ? | ![]() | |
面目ねぇ。あんなかわいいペンギンが襲いかかってきたってのがショックでよ……。 | ![]() | |
も~、イツキ先輩も言ってたけど、ヴォルフ先輩、動物に甘すぎだよー? | ![]() | |
──どうやらヴォルフは無事なようだ。リンカが、ほっとした顔を見せる。 | ||
![]() | リンカ。 | |
──そこに、イツキがやや硬い表情で声をかける。 | ||
![]() | オレたち生徒会は、学園を守るため、いつも冷静な判断をしなきゃいけない。そうだろ? | |
![]() | 仲間を心配する気持ちはわかる! でも、おまえは……! | |
──イツキの口調は、いつになく厳しい。彼自身、何かにいらだっているような……。 | ||
イツキ君……。 | ![]() | |
![]() | ……わりぃ。熱くなった。ちょっとアタマ冷やしてくる。 | |
──イツキは足早にその場から離れていく。 | ||
──リンカはうつむいて、何も言わずにいる。 | ||
──潮の香りを含んだ気まずい空気が、べったりと肌に絡みつくようだった……。 |
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