イドラ
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№ | 3848 | 3849 | 3850 |
名 | (SS)渇望する剣士 イドラ | (SS+)果てしなき力の衝動 イドラ | (L)黒翼の使徒 イドラ・ダールベルク |
AS | 鋸牙剣舞 | 鋸牙剣舞 | 斬咲きの鴉羽 |
SS | スクリームディエッサー | サイレンスマキシマイザ | サイレンスマキシマイザ |
共通情報
名前 | イドラ・ダールベルク | CV | - | 種族 | 神族 |
登場 | - | ||||
世界 | - | ||||
所属 | - | ||||
特徴ワード | 暴虐と蹂躙に堕ちた天使 | ||||
関連キャラ | - | ||||
セリフ1 | 「…まだ足りないのか」 | ||||
セリフ2 | 「やめろ……ッ! 聞きたくないッ!!」 | ||||
セリフ3 | 「——これは、私からの呪いだ」 | ||||
補足情報 | 平和を願い、あらゆる争いを収めてきた天使。 多大な犠牲を払い、自身の無力を嘆くことで、更なる力を身に付けた。 その力がもたらすものはもはや平和からはかけ離れていた。 |
パーソナルストーリー
バックストーリー
イドラ・ダールベルグは渇望していた。
かつて神界を構成した7異界を飛び回り、争いを収めてきた。
天使を率いて、戦ったこともある。
己の剣と仲間を信じ、平和と安寧を求めていた。
だが、それは過去のことだ。
剣に付着した血を振り払い、彼女は小さく息を吐いた。
周囲にはかつて国と呼ばれたものの残骸が広がっている。
人も人ならざるものも、既にここにはない。
「まだだ……まだ足りない……」
彼女は、神界の崩壊によって居場所をなくし、
ある異界に辿り着いたいまも、歩みを止められずにいる。
ひとり、またひとりと仲間を失った。
心にも体にも、多くの傷を負った。
守れなかった人、守れなかった世界の亡霊が、
いまもイドラの背後で嘆いている。
「足りない」「足りない」「足りない」
彼女が求めるのは、力だ。
己の力が足りないがゆえ、数えきれないほどのものを死なせてしまった。
遠い昔、夢を語り合った異界の神や天使は、
いまの彼女を見て何を思うだろう。
——これは彼女への呪いだ。
だから倒れられず、足も止められない。
争いのない世界を夢見た彼女はいつしか力を欲し、
武力によって制圧することしかできなくなっていた。
暴虐と蹂躙によって相対するあらゆるものを抑えつけてきた。
いまやイドラこそが力そのものだった。
平和な世になればいい——あの思いは、既に遠く色褪せている。
(助けて……)
枯れ果ててしまいそうなほど弱々しい声がする。
「誰……? 誰かいるの?」
イドラは慌ててあたりを見回した。
何もない。誰もいない。
(助けて……)
だが耳朶を打つ声、頭に焼き付く声はやむことがない。
「やめろ……ッ! 聞きたくないッ!!」
かぶりを振り、大剣をふるって残骸を蹴散らす。
か細いひとつの声が、徐々に増え、百になり、千になり……。
耳を塞いでも叫んでも消えることのない巨大な怨嗟となっていた。
「……まだ足りないのか」
イドラは呟く。
誰も満たされていない。
過去、イドラが抱いた夢もまだ叶っていない。
争いが続く限り、彼女は進まなければならない。
このままでは、誰一人として、イドラを許してはくれない。
己が力で人も世も喰らい尽くせば、いずれ悲鳴も慟哭も聞こえなくなるだろう。
いまはせめて泣き叫べばいい。
亡霊となり我が内を彷徨うがいい。
死んでもなお苦しみに喘ぐがいい。
「——これは、私からの呪いだ」
彼女は身の内を這いまわる意識に向け、不敵に笑った。
だが、その声が止んだ時、彼女は初めて知ることになるだろう。
争いも、人も、国も、世界も……かつて自身が愛したものが、
何一つ残されていないことに。
※話の最初に戻る
コメント(1)
コメント
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L状態にしか注目していなかったのですが、バックストーリーと合わせて見てみると
だんだんと堕ちていった感じがよく表れていますね。0
削除すると元に戻すことは出来ません。
よろしいですか?
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