竜の帰還
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![]() ドロシー参上だ! カモンドロシー! | ||
| くッ……なんて耳障りな音……。 | ![]() | |
| 君とウィズ以外には、あれが不快な音に聞こえるらしい。 | ||
| 巨大戦艦の横につけ、乗り込もうとした途端、飛び乗ってきた少女は満面の笑みを浮かべている。 | ||
| アレが私たちのクニを奪った〈イグノビリウム〉だっていうの? | ![]() | |
| どうして〈イグノビリウム〉がドラゴンを連れてるの……? | ![]() | |
![]() | ドロシー! ドラゴン! 使う! いっけードロシー! | |
| 違うわね。アレは、使役でも友好でもないわ。何か力を使って、利用しているといったところね。 | ![]() | |
| 信じられない……。 | ![]() | |
| 〈イグノビリウム〉……許せないわ。 | ![]() | |
| ライサが武器を大きく振るう。 | ||
![]() | ドロシーも許せない! ここはドロシーのだ! ドロシーのものだ! | |
![]() | ドラゴンはドロシーのものだ! ドロシーが手に入れたドラゴンだ! | |
| 歪な魔力がドロシーの周りに浮き上がっている。 | ||
| おどろおどろしい……こんなの、ドラゴンが可哀想だよ……。 | ![]() | |
![]() | おどろおドロシー! アハハッ! ドロシーだ! | |
| 愉快げに笑いながら、ドロシーはそのようなことを繰り返す。 | ||
| こんなわけのわからない"ガキ"に、私たちのクニ、私たちの拠点が奪われたっていうの!? | ![]() | |
| バカバカしくて笑えてくるわ。もうこれ以上、耳障りな音を聞く必要はないわ! | ![]() | |
| さあ、お前たちッ! 出てきなさい! ここから先は、何をしてもいいわよッ! | ![]() | |
| ドラゴンの咆哮に負けない、"強烈な"ライサの声に、体の奥底が熱くなる。 | ||
| 今にも飛びかかりそうなライサを見やって、あのドラゴンをお願い、と君は言う。 | ||
| ドロシーと名乗る少女──いや、〈イグノビリウム〉と対峙した。 | ||
| ドロシーがロッドを片手に魔力を込め始めた。 | ||
| ……そうね。苛立っていて我を見失っていたわ。 | ![]() | |
| 私たちの大切な子どもたちを助けるのが先決。ええ、そうね。 | ![]() | |
| あの馬鹿なガキは、あなたに任せるわ! | ![]() | |
| その言葉に大きく頷き、君は、戦う姿勢をとった──。 | ||
| (戦闘終了後) | ||
| 爆ぜるような音のあとで、ドロシーが膝をつく。 | ||
| 君は加減をせずに戦ったが、それでもまだ彼女は戦えるようだった。 | ||
![]() | あうッ……! くっ……まだやれる! ドロシーは、まだいける! | |
| ドロシーが叫びながら立ち上がり、再びロッドを構えた。 | ||
| 瞬間── | ||
| 連れ去りなさい。 | ![]() | |
| 巨大なドラゴンが、ドロシーの衣服を掴み、軽々と持ち上げてしまった。 | ||
![]() | くぅぅぅ! ドロシーを離せ! ドロシーは自由だ! | |
![]() | 負けない! ドロシーは負けない! ノグズエル様に失態は見せられない! | |
| ……ライサの瞳が、かつて敵であったものを睥睨し続けていた。 | ||
| 魔法使いさん、大丈夫? | ![]() | |
| 君は大丈夫、と言う。 | ||
![]() | さあ、帰るわよ! 私たちの里に! | |
| 君はほっとして、息を吐いた。 | ||
![]() | あなたもありがとう。助かったわ。 | |
![]() | もちろん、まだ戦争は終わっていないけれど。 | |
| みんながウォラレアルの里に向かう中、取り残されないよう君も魔道艇へと走った。 | ||
| 君の眼下に今、ライサたちの故郷がある。 | ||
| 昔は美しいところだったのだろう。 | ||
| しかし、長く人の手を離れていた為に、家屋は朽ち、土地は荒れ果てていた。 | ||
| ライサたちは既に船から降り、奪還した里の空気を味わっているようだ。 | ||
| やっぱりいいですね! 故郷っ! | ![]() | |
![]() | ……そうね。 | |
| 無邪気にはしゃぐキャナルとは対照的に、ライサの表情は暗い。 | ||
| ライサさん……? | ![]() | |
![]() | まだ喜べないわね、やっぱり。 | |
| ライサは膝をつき、地面に穴を掘り始める。 | ||
| ……手伝います。 | ![]() | |
| キャナルはそう言うと、瓦礫のなかから手頃な木片を集めはじめる。 | ||
![]() | 随分と長い時間がかかってしまったわ。 | |
| キャナルの集めてきた木片をライサが掘った穴に立てていく。 | ||
| しばらくして、彼女たちは幾つもの墓標を建て終えた。 | ||
![]() | まだ私たちの戦争は終わっていない……。 | |
| 長い祈りを捧げたあとで、ライサは君を見上げる。 | ||
![]() ……魔法使いさん。あなたの力、もう少し貸してもらうわね。 | ||
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