猫やんと狐やん
(0コメント)| 話を聞いてみようと、ウィズがふたりに近づいたところ── | ||
![]() あれ? 人がいるよー。 | ||
| 向こうも、こちらに気づいたみたいにゃ。 | ![]() | |
| 獣耳を生やしたふたりの少女が、こちらに近付いてきた。 | ||
![]() | おや。黒い猫やんに、変わった服装の人たちだね。 | |
![]() | こんにちは~。 | |
| 妙に陽気なふたりだ。 | ||
| 君も釣られて、こんにちはと頭を下げ、自己紹介を済ませる。 | ||
![]() | ひょっとして、この島の住人かい? ワタシたち、サプライズで飛ばされてきたんよ。 | |
| 君たちは、顔を見合わせた。 | ||
| 違うにゃ。……というか、そんな風に見えるのかにゃ? | ![]() | |
![]() | いんや、見えないな? というより、ワタシたちの仲間? | |
| 飛ばされてきた、という意味では仲間かもしれないにゃ。 | ![]() | |
![]() | あー、黒い猫やんもサプライズをくらったんだねえ。化かすのは、ワタシの専売なんだけど。 | |
| そんなの私たちに聞かれても困るにゃ。 | ![]() | |
| 君も、うんうんとうなずく。 | ||
| アルティミシアと名乗った少女は軽やかに進みでる。 | ||
![]() | こんにちは、猫ちゃん。あれ、こちらの猫ちゃんのお耳、すっごく可愛い。 | |
| いや~そんな風に褒められると困るにゃ。 | ![]() | |
| と、照れているウィズの背中をツンツンと突いた。 | ||
| あっ、そうだったにゃ。雑談に費やしている時間はなかったにゃ。 | ![]() | |
| 君はデザートンについて、何か知ってることがないか、ふたりに尋ねてみた。 | ||
![]() | なんだいその……デザートンってのは? | |
![]() | なんだか、美味しそうな名前だねー? | |
| 絶対に美味しくないと思うわ……。 | ![]() | |
| 同感だな。 | ![]() | |
| ピークとプレミオは、同時にうなずく。 | ||
![]() | そもそも、ワタシたちも、どうしてここにいるのかわかってないしねぇ。 | |
![]() | 気づいたら、こんなとこにいたの。 | |
| 私たちと一緒にゃ。 | ![]() | |
![]() | だけど、ここは美味しいものばかりなので、ラッキーだったよー。これてよかった! | |
![]() | そうだ。君たちもこれ飲んでみるといいんじゃないかい? | |
| それなら、向こうでたっぷり飲んできたにゃ。 | ![]() | |
![]() | あれ、そうなのかい? 残念だね。 | |
![]() | それより、向こうに赤色の湖があるよ。行ってみよ? | |
![]() | でもなんつーかねえ。どんなのかわからないと妙にドキドキしちゃうねえ。 | |
| ふたりは、君たちを置いて赤い色の湖まで行ってしまった。 | ||
| 自由な人たちにゃ。 | ![]() | |
| あのふたりを見失っちゃ、手がかりを失うことになるわ。追いかけましょう。 | ![]() | |
| 新しい湖を見つけたアルティミシアとコリンは、湖に顔を近づけて中のジュースを飲んでいた。 | ||
![]() | ここの湖の水も、すっごく甘くて美味しい! | |
![]() | うん、1度飲み始めると止まらなくなるねぇ。 | |
![]() | 甘い中にも、さっぱりとした後味……。 | |
| コリンたちの言葉が気になった君は、その水を飲んでみた。 | ||
| 美味しいけど、なんだか不思議な喉ごしだ。 | ||
![]() | ねぇねぇ、向こうにまだ珍しい色の湖があるよ。 | |
| ああ。あそこは、炭酸入りジュースの湖ですね。 | ![]() | |
![]() | ワタシは、珍しい物には目がないんだよ。さっそく行ってみようか。 | |
| そんなことよりも、そろそろ先に進むにゃ。 | ![]() | |
| ジュースの虜になっているアルティミシアたちにそう声をかけた矢先── | ||
![]() え? ええ!? これってどういうことなの? 湖の水が、変わってないかい? | ||
| あ、本当だ。一体、どうしたんでしょうか? | ![]() | |
| この水の匂いは……。 | ![]() | |
| まさか、これって……!? | ![]() | |
| ピークとプレミオ、そしてラヴリが、その水を手ですくって口にしてみる。 | ||
| やっぱり、カフェオレの味……! | ![]() | |
| 何にゃ? | ![]() | |
| と、尋ねるウィズの背後で、アルティミシアが呆然と立ち尽くしていた。 | ||
![]() | そんな、さっきまでの甘さが……なくなってる。 | |
![]() | こんなの……。 | |
| 絶望しながらも、ふたりはもう一口、手ですくって薄茶色の水を口にする。 | ||
![]() | ……すごく美味しいよ。 | |
![]() | 中に潜む、密かな甘み……こんな味も楽しめるなんて、ついてるね。 | |
| でも、どうしていきなり全部の湖が、カフェオレ味になったにゃ? | ![]() | |
| どこかにある湖の源流から、カフェオレが流れ込んできているのだろうか? | ||
| もしかすると、これもデザートンの仕業……? | ||
| 湖の源流に行って確かめてみましょう! | ![]() | |
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