猫やんと狐やん
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話を聞いてみようと、ウィズがふたりに近づいたところ── | ||
![]() あれ? 人がいるよー。 | ||
向こうも、こちらに気づいたみたいにゃ。 | ![]() | |
獣耳を生やしたふたりの少女が、こちらに近付いてきた。 | ||
![]() | おや。黒い猫やんに、変わった服装の人たちだね。 | |
![]() | こんにちは~。 | |
妙に陽気なふたりだ。 | ||
君も釣られて、こんにちはと頭を下げ、自己紹介を済ませる。 | ||
![]() | ひょっとして、この島の住人かい? ワタシたち、サプライズで飛ばされてきたんよ。 | |
君たちは、顔を見合わせた。 | ||
違うにゃ。……というか、そんな風に見えるのかにゃ? | ![]() | |
![]() | いんや、見えないな? というより、ワタシたちの仲間? | |
飛ばされてきた、という意味では仲間かもしれないにゃ。 | ![]() | |
![]() | あー、黒い猫やんもサプライズをくらったんだねえ。化かすのは、ワタシの専売なんだけど。 | |
そんなの私たちに聞かれても困るにゃ。 | ![]() | |
君も、うんうんとうなずく。 | ||
アルティミシアと名乗った少女は軽やかに進みでる。 | ||
![]() | こんにちは、猫ちゃん。あれ、こちらの猫ちゃんのお耳、すっごく可愛い。 | |
いや~そんな風に褒められると困るにゃ。 | ![]() | |
と、照れているウィズの背中をツンツンと突いた。 | ||
あっ、そうだったにゃ。雑談に費やしている時間はなかったにゃ。 | ![]() | |
君はデザートンについて、何か知ってることがないか、ふたりに尋ねてみた。 | ||
![]() | なんだいその……デザートンってのは? | |
![]() | なんだか、美味しそうな名前だねー? | |
絶対に美味しくないと思うわ……。 | ![]() | |
同感だな。 | ![]() | |
ピークとプレミオは、同時にうなずく。 | ||
![]() | そもそも、ワタシたちも、どうしてここにいるのかわかってないしねぇ。 | |
![]() | 気づいたら、こんなとこにいたの。 | |
私たちと一緒にゃ。 | ![]() | |
![]() | だけど、ここは美味しいものばかりなので、ラッキーだったよー。これてよかった! | |
![]() | そうだ。君たちもこれ飲んでみるといいんじゃないかい? | |
それなら、向こうでたっぷり飲んできたにゃ。 | ![]() | |
![]() | あれ、そうなのかい? 残念だね。 | |
![]() | それより、向こうに赤色の湖があるよ。行ってみよ? | |
![]() | でもなんつーかねえ。どんなのかわからないと妙にドキドキしちゃうねえ。 | |
ふたりは、君たちを置いて赤い色の湖まで行ってしまった。 | ||
自由な人たちにゃ。 | ![]() | |
あのふたりを見失っちゃ、手がかりを失うことになるわ。追いかけましょう。 | ![]() | |
新しい湖を見つけたアルティミシアとコリンは、湖に顔を近づけて中のジュースを飲んでいた。 | ||
![]() | ここの湖の水も、すっごく甘くて美味しい! | |
![]() | うん、1度飲み始めると止まらなくなるねぇ。 | |
![]() | 甘い中にも、さっぱりとした後味……。 | |
コリンたちの言葉が気になった君は、その水を飲んでみた。 | ||
美味しいけど、なんだか不思議な喉ごしだ。 | ||
![]() | ねぇねぇ、向こうにまだ珍しい色の湖があるよ。 | |
ああ。あそこは、炭酸入りジュースの湖ですね。 | ![]() | |
![]() | ワタシは、珍しい物には目がないんだよ。さっそく行ってみようか。 | |
そんなことよりも、そろそろ先に進むにゃ。 | ![]() | |
ジュースの虜になっているアルティミシアたちにそう声をかけた矢先── | ||
![]() え? ええ!? これってどういうことなの? 湖の水が、変わってないかい? | ||
あ、本当だ。一体、どうしたんでしょうか? | ![]() | |
この水の匂いは……。 | ![]() | |
まさか、これって……!? | ![]() | |
ピークとプレミオ、そしてラヴリが、その水を手ですくって口にしてみる。 | ||
やっぱり、カフェオレの味……! | ![]() | |
何にゃ? | ![]() | |
と、尋ねるウィズの背後で、アルティミシアが呆然と立ち尽くしていた。 | ||
![]() | そんな、さっきまでの甘さが……なくなってる。 | |
![]() | こんなの……。 | |
絶望しながらも、ふたりはもう一口、手ですくって薄茶色の水を口にする。 | ||
![]() | ……すごく美味しいよ。 | |
![]() | 中に潜む、密かな甘み……こんな味も楽しめるなんて、ついてるね。 | |
でも、どうしていきなり全部の湖が、カフェオレ味になったにゃ? | ![]() | |
どこかにある湖の源流から、カフェオレが流れ込んできているのだろうか? | ||
もしかすると、これもデザートンの仕業……? | ||
湖の源流に行って確かめてみましょう! | ![]() | |
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