ロニールの書物
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シーラに限らず、この時代の調香師は、みんなロニール・クムが記した「調香大全」を読んでいた。 | ||
その本には──世界で最初の調香師は、フロリア・リリーだと記されている。 | ||
フロリアが調香師になる前にも、当然ながら香水を作る人はいた。 | ||
しかし、彼らは単なる香りを生み出すだけの香水職人。 | ||
人の心を動かすような、特別な香水は、まだ存在していなかった。 | ||
フロリア・リリーが、最初の調香師と呼ばれている理由は── | ||
香りによって人の感情を動かす、特殊な「香水」を初めて作ったからだ。 | ||
![]() リリー親子が訪れたという塩の湖とは、ここのことなのですね? | ||
ここは香水の素材として重宝されている月輪花の生息地でもある。 | ||
![]() | ファム・リリーも、きっとこの湖を訪れたのね。そして、月輪花を持ち帰ったのでしょう……。 | |
シーラは、遠足に来た子供のように興味津々で辺りを意味なく歩き回った。 | ||
ロニールの本に名前が挙げられている調香師たちは、子どもの頃からの憧れの存在。 | ||
だから、暇があれば素材集めにかこつけて、調香師たちのゆかりの場所を巡り歩いている。 | ||
![]() | やっとここにこれた……。これで、伝説の調香師フロリアに一歩近づけた気がします! | |
調香大全には、フロリアの生い立ちが、まとめられている。 | ||
それは、著者のロニールがマテリアル研究者として、各地を旅しながら集めた情報だった。 | ||
フロリアの生い立ちは……シーラのような若い調香師たちには、 | ||
非常に興味が惹かれる内容だった。 |
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