ラト
(1コメント)№ | 3635 | 3636 | 3637 |
![]() | ![]() | ![]() | |
名 | (SS)必罰の闇骸布 ラト | (SS+)真なる世界の意志 ラト | (L)蓋天の神罰者 ラト・ファルネーゼ |
AS | グラトニーマンティス | グラトニーマンティス | オブシダンレイン |
SS | ルナティックエクリプス | クルーエルナイトフォール | クルーエルナイトフォール |
共通情報
名前 | ラト・ファルネーゼ | CV | - | 種族 | 戦士 |
登場 | - | ||||
世界 | あらゆるものが闇に落ちていく異界 | ||||
所属 | 墨染めの世界が創りだした生命 | ||||
特徴ワード | 光の天敵 | ||||
関連キャラ | ルフ | ||||
セリフ1 | 「ねえ、あの光は、この世界を変えてくれるらしいわよ」 | ||||
セリフ2 | 「ラトは絶望して死んでいった……罰しなきゃいけないわよね、貴方を!」 | ||||
セリフ3 | 「すぐ行くからねルフ……! 私が、私がァア!! アッハハハ!!」 | ||||
補足情報 | あらゆるものが闇に落ちていく異界が 「光」をもたらしたルフに対抗すべく生み出された生命。 "ラト"の名前はルフが光をもたらした際に死を迎えた少女の名前を譲り受けた。 |
パーソナルストーリー

バックストーリー
闇へ、闇へ。
この異界はあらゆるものが闇に落ちていく。
あらゆるものは、冷たく暗い、静寂の中へ。
星一つなく、月すらもなく、明けない夜がそこにはあった。
べっとりと貼り付くような漆黒の空には、黒い太陽が笑っている。
混沌色の世界で、人々は何かを探すように、地面を見ながら生きていた。
無論、墨染めの世界には何もない。
痩せた世界と同様に、人々はすでに生命を育むことを諦めていた。
だが、その世界に一条の光がもたらされる。
ルフ・ファルネーゼという渾天の神罰者は、世界を覆い尽くしている闇を払おうと、
その神罰の矢で世界を変えようと奮戦していた。
「ねえ、聞きたいことがあるんだけど」
ルフの矢が空を切り裂いたのと同じ頃、とある人間の少女が、
その生命を閉じようとしていた。
衰弱し、死を待つだけの彼女は、聞こえてきた声に目を開いた。
「ねえ、あの光は、この世界を変えてくれるらしいわよ」
彼女はその時、本物の闇というものを見た。
闇は、少女の姿をして、爛々と光る冷たい瞳で彼女を見下ろしていた。
「でも、貴方はここで終わり。
救われないまま終わる貴方は、あの光を見てどう思う?」
言葉にされた絶望に、人間の少女は涙を流した。
彼女の表情は、悲しみとも怒りともとれる表情に染まっている。
「そうよね、悔しいわよね……ねえ、貴方の名前は?」
「……ラ……ト……。ラト……」
切れ切れのかすれた言葉で、少女は自分の名を呟いた。
「ラト。貴方の名前を私にくれない?
私が貴方の悔しさを、あの光にぶつけてあげるから」
闇の言葉に、少女はうなずく。
迷いなく、怨嗟に瞳を染めて。
「フフ……それじゃあさよなら、ラト」
「さよ……なら……ラト……」
互いに互いの名を呼びながら、二人のラトは別れを口にする。
そして、それが人間の少女ラトの最後の言葉となった。
「この世界の人々をたぶらかして……夢を見せて……」
残されたラトは、動かなくなった少女を見下ろしてそうつぶやく。
彼女はそれから、黒い太陽を見つめながら口の端を歪に持ち上げ笑った。
「許せない……絶対に許さないんだからァアア!!」
翼のように広がる闇をはためかせて、彼女は翔ぶ。
光の矢が放たれた方向へ。
人々は確かに光を望むかもしれない。
だが、世界は光がもたらされることを望んではいなかった。
闇というただ唯一不変の絶対的な概念に満ち溢れていた世界に、
「光」という新たな概念を持ち込んだその異物――
ルフ・ファルネーゼを、世界は全力で排除しようと考えた。
その結果、ルフに似せて創りだされたのがラトだった。
彼女は、ルフを滅ぼすために、
何も生まない墨染めの世界が創りだした唯一の生命だった。
だが、今のラトには新たな目的が生まれていた。
「希望なんて持たなきゃ絶望しないのに……貴方が希望の光を振りまくから、
ラトは絶望して死んでいった……罰しなきゃいけないわよね、貴方を!」
人々に希望をちらつかせた偽りの救世主を罰する。
叶うことのない夢を見せた代償を、払わせなければならない。
「すぐ行くからねルフ……! 私が、私がァア!! アッハハハ!!」
瞳を爛々と光らせながら、歯を軋らせて歪な笑みを浮かべながら、
ラトは闇を纏って空を駆ける。
狂喜の声を上げて、偽りの救世主を滅ぼそうと。
闇と光の戦いが今、始まる――。
※話の最初に戻る
コメント(1)