メイラン

冬枯れの木々が芽吹き、鮮やかな緑色を彩る若葉の季節。

彼女ーースウ・メイランは”植物の成長と癒しを司る神官”として、
今年も無事この季節を迎える事ができたことを心から喜んでいた。
反面、他の異界には”戦乱が続き、荒廃した緑無き大地の世界”も
数多く存在すると伝え聞く……。

「植物の緑には、人々に生きる力を与え、復興・再生への道しるべとなる筈です」
「私は、他の世界にも新緑の持つ生命の息吹を届けたい」




あれからどれだけの国を旅して来ただろう……。

兵士達の血が流れる戦乱の国、荒廃した大地、
長い日照りで干ばつに悩む土地。

旅の道中で出会った、疲弊し生きる希望を失った人々、
親を亡くした子供達、復興を夢見て汗を流す民との交流は、
彼女ーースウ・メイランの”夢”を、
”生涯貫くべき使命＝志”へと成長させた。

「私は全て世界の人々に生きる希望、新緑の持つ生命の息吹を届けたい」
「人々と世界を癒してあげたいんです」

そして彼女は後の世に、聖女の呼び名で後世に伝えられる…

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