セシーリア
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ハロウィンver
№ | 2765 | 4853 |
名 | (SS)夜宴の夢見 セシーリア・ヴェルレ | (L)夢で夜更かし セシーリア・ヴァルレ |
AS | 良い夢、見てね | 遊び疲れて、一眠り |
SS | 一晩寝たら大丈夫! | 転んで擦りむいても平気だよ! |
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パーソナルストーリー
バックストーリー
バックストーリー(ハロウィン)
「くえす=ありあす」のお散歩はセシーリアの毎日の楽しみだ。
今日もウトウトと心地の良い眠気に誘われ、
夢の中の世界「くえす=ありあす」へとセシーリアは入っていった。
今日の「くえす=ありあす」は特別にぎやかだ。
たぶん何かのお祭りの真っ最中だった。
街中に露店が並び、アメ細工や見たこともないふわふわのお菓子が甘い匂いをさせている。
街の人々はいつもと違う変わった格好をして、
セシーリアを見つけると決まってお菓子を与えてくれる。
「あら、お嬢ちゃん。可愛い衣装ね。
このしっぽもすごくよく出来てるわ。さ、言って御覧なさい」
そう、この言葉を言えば、かならず大人のひとはお菓子をくれた。
——とりっく、おあ、とりーと。
「イタズラされたらたまらないわ。
これで許してくれるかしら、かわいいお化けさん」
セシーリアはこの「くえす=ありあす」が気に入った。
とても気に入った。
このお祭りがずっとずっと終わらなければいいと思った。
——とりっく、おあ、とりーと。
——とりっく、おあ、とりーと。
この夢がずっと続けばいいと思った。
そんなふうに、セシーリアが「くえす=ありあす」のお散歩を続けていると、
恐ろしい眼でセシーリアを睨みつける黒猫と出会った。
黒猫はセシーリアを睨みつけながら、こちらに向かってきた。
セシーリアはとても恐ろしくなって、
おともの子犬を抱えて、祭りの雑踏の中に逃げ込んだ。
黒猫は逃げても、逃げても、セシーリアを追いかけてきた。
とうとうセシーリアは疲れ果てて、路地裏でへたり込んでしまった。
もちろん黒猫はすぐ近くにやってきていた。
「ようやく見つけたにゃ。キミがこの騒ぎの原因にゃね」
おびえるセシーリアにむかって黒猫はそう言った。
なんのことか分からなかった。
「キミが帰らないから、ハロウィンがいつまでも終わらないで、
同じ日を繰り返しているにゃ」
そう言って、さらに詰め寄ってきた。
ウィズ、と後からやってきた魔法使いが黒猫を呼ぶと、
黒猫はその肩に飛び乗り、耳元で何かをつぶやいた。
魔法使いはセシーリアの頭を撫でて、優しく諭した。
みんなが心配しているから帰りなさい、と。
そう言われると、セシーリアはすごく寂しい気持ちになった。
おウチのみんなに会いたくなった……
セシーリアは「くえす=ありあす」の夢から醒めた。
楽しい夢が終わってしまい、少しだけ悲しい気持ちになった。
でも、最後に魔法使いが教えてくれた言葉が、悲しい気持ちを振り払ってくれた。
——楽しい時が終わったら、それは美しい思い出になるんだよ。また来年会おうね。
セシーリアはポケットから残りのお菓子を取り出して、ひとつ、口に放り込んだ。
※話の最初に戻る
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