シェイナ
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№ | 4157 | 4158 | 4159 |
名 | (SS)原初の孤独 シェイナ | (SS+)虚空に淀む心 シェイナ | (L)拒絶の完全世界 シェイナ・メイヴ |
AS | 凶滅と欲望の翼 | 開闢する無限の黒翼 | 開闢する無限の黒翼 |
SS | 灰燼に帰す宵闇 | 灰燼に帰す宵闇 | 其れは破滅への白色矮星 |
共通情報
名前 | シェイナ・メイヴ | CV | - | 種族 | 魔族 |
登場 | - | ||||
世界 | - | ||||
所属 | - | ||||
特徴ワード | 唯我独世 | ||||
関連キャラ | ゲネス | ||||
セリフ1 | 「臭いがある。気配がある。必ずこの先にアレはいる。」 | ||||
セリフ2 | 「私はひとりでいたい。だというのに、私の中にはおまえがいる。」 | ||||
セリフ3 | 「私は私だけを愛している。私さえ存在していればいい。」 | ||||
補足情報 | 孤独でいることを好み、他者との関わりを嫌う少女。 誰とも関わりを持たぬよう、全てを破壊し、握り潰してきた。 |
パーソナルストーリー
ウィズセレクションストーリーズ ~ シェイナ・メイヴ編
紅蓮の双眸には、朽ち果てた城壁が映っていた。 | ||
細い腕に、深く……深い赤色が浮かんでいる。 | ||
何かを喰らったあとのように──。 | ||
その手からは、粘性の液体がこぼれ落ちていた。 | ||
……ここにはいない。 | ||
緋眼の少女、シェイナ・メイヴには、どうしても見つけなければならない"モノ"がいた。 | ||
何日も何年も探し続けていたが、しかし一向に出会えないでいる。 | ||
臭いがある。気配がある。必ずこの先にアレはいる。 | ||
シェイナには確信があった。 | ||
自信を仄暗い世界に叩き落としたあの女が、ここを進んだ先にいるという確信が──。 | ||
この世界に生まれ落ちてから、ひとりだった。 | ||
シェイナ・メイヴはそれゆえ、孤独でいることを好み、他者との関わりを嫌った。 | ||
だが世界は、彼女に優しくなかった。 | ||
人は人へと善意を押しつけ、愛と希望を語る。 | ||
他人との接触で安寧を得て、繋がり合うことで自分自信を守ろうとする。 | ||
シェイナはひとりになることができず、ひとりでいることを許されなかった。 | ||
……だから消してやった。 | ||
自身に必要のないありとあらゆるものを、この手で捻り潰し、住みやすい環境に整えただけ。 | ||
ゆくりなく差し伸べられた善の手を、シェイナは憎しみを込めて振り払った。 | ||
破壊されたあらゆるものが、今もなお傷跡として残っている。 | ||
やがて世界は、善意を与えるのをやめた。 | ||
──世界は、シェイナを嫌悪した。 | ||
だが彼女は破壊の手を止めず、世界を徹底的に潰そうとした。それは許されざる行為であった。 | ||
天よりの使いである"アレ"が彼女を深く、ただ深い底へと叩き落とした。 | ||
シェイナにとって、耐え難い屈辱であった。 | ||
必ずあの女を見つけ出すという意思を持って、彼女は歩み始める。 | ||
ようやく見つけた、ゲネス・クリファ。 | ||
あなたは……確か……。 | ||
シェイナの眼前に立つ女性は、間違いなく彼女の探し人だった。 | ||
今度こそ逃さない──シェイナの瞳が決然と語っている。 | ||
この愛おしき世界にいられなかった、哀れな子。シェイナ・メイヴ、思い出しました。 | ||
おまえに落とされてからずっと……私はひとりでいられなくなってしまった。 | ||
おまえのことが憎い。私の中に黒く淀んだ感情が芽生えた。 | ||
私はひとりでいたい。だというのに、私の中にはおまえがいる。 | ||
おまえをこの手で捻り潰すまでこの思いは消えない。 | ||
世界を忌み、世界に忌まれた子。シェイナ・メイヴ。あなたは決してひとりにはなれない。 | ||
許さない。 | ||
シェイナは、心の奥底で呟いた。 | ||
私の静かで平和な世界を、いたずらに破壊した天の使い。 | ||
私を捻り潰す四おというあなたの言葉。ええ、おそらくそれは容易でしょう。あなたは強い。 | ||
しかし〈祝福〉は既になされている。あなたをひとりにすまいと、ほら──。 | ||
──っ!? | ||
その美しい体の背後から〈祝福〉の手が伸びていますよ。 | ||
異形の魔物がシェイナの後ろに忍び寄り、四肢に触れようとしていた。 | ||
──シェイナは己の内に魔力を込める。 | ||
視界に飛び込んできた魔物に向けて、彼女は憎悪を解き放つ。 | ||
失せろ。私の視界におまえはいらない。 | ||
(戦闘終了後) | ||
あなたのその力を、正しき道に使えるのなら、あなたは世界に愛されたものを……。 | ||
私は私だけを愛している。私さえ存在していればいい。 | ||
魔物を打ち払ったシェイナは、揺らぐことのない瞳で、ゲネスにむけ言い放った。 | ||
〈祝福〉されたあなたは、本当の孤独には至れない。hとりで生きることはできない。 | ||
厭われ恐れられ避けられた、哀れな子。シェイナ・メイヴ。 | ||
──あなたの刃が、この身に届くことはありません。 | ||
そう言い残して、ゲネス・クリファはシェイナの前から姿を消した。 | ||
まるで"世界"に存在していなかったように、僅かばかりの気配も残さず。 | ||
……また追いつけなかった。 | ||
シェイナは小さく呟き空を仰ぎ見た。 | ||
だけれど必ず、私はおまえを排除する。 | ||
……私の世界のため。 | ||
シェイナの瞳に、強い炎の色が宿る。 | ||
彼女は歩みだした。彼女の愛する自分自身のために。 |
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