イベント大好き!
タグ一覧
>最終更新日時:
![](https://cdn.static.gamerch.com/js/lazyload/lazyload.png)
「あわわわわわ……」
生徒会室に忘れ物をしたシャーリーは、
忘れ物のことを忘れてしまうくらいの光景を目にして慌てて階段を駆け下りていた。
「おう、シャーリー。忘れモンは見つかったか?」
「あのえっと、その、明日でいいかな! うん!」
「……なんかあったのか?」
「なんにもない!! なんにもないよ!!」
「お、おう……? 本当に大丈夫か、なんか変だぞお前」
「全然変じゃないよ!! うん!! あははは!」
血の気の引いた顔でゼンマイ仕掛けの人形のように笑い出すシャーリーに、
ヴォルフは久しく感じていなかった恐怖を感じた。
「……何を見たんだ、シャーリー」
「何も……何も見ていません……」
首をふるふると振りつつ、震えながら、シャーリーは素早く後ずさる。だが──
「痛っ……も~、何ぃ?」
シャーリーは、運悪く後ろを通った人影にぶつかってしまう。
彼女が振り返ると、そこには制服姿のミユキが居た。
「ごごごごめんなさいミユキ先輩」
「……? どうしたのよそんなに慌てて」
「いいいいえわたし何も見てません、修羅場とかそんなの見てないです」
「ほう、修羅場」
「あっ」
シャーリーがうっかり口にした言葉に、ミユキは耳ざとく反応する。
そしてそれはヴォルフも同じだった。
「修羅場……? おいシャーリー、マジでお前何を見た」
ただ、彼の場合はシャーリーのことを本気で心配している。
対するミユキは単にゴシップ好きのそれだった。
「面白そうな話じゃな~い、ちょっと聞かせてよぉ~♪」
前門のヴォルフ、後門のミユキという状況に、
シャーリーは思わず靴のブースターのスイッチを入れ、逃げる準備を整える。
「シャーリーちゃぁ~ん、ねえねえ、誰と誰の修羅場ぁ?
ほら、先輩に言ってごらんなさいよぉ」
「おい待て、先輩に話してみろ、な?
怖くねェから、俺がついてる。だから──」
「わたしは何も見ていませーーーーん!!」
叫びながら、シャーリーは白い煙を引き垂直に空へと飛び上がる。
その光景を見ながら、ヴォルフとミユキは思った。
これは何かがあると。
……しばらくののち、
シャーリーは身を隠すために少し離れた部室棟に着地した。
「た、たしか一番端の部室、空き部屋だったよね……!」
彼女は発明品を置く場所に困ったとき、時々そこを借りていた。
慣れた手つきで扉のカギを開け、中へと体を滑り込ませる。
するとそこには──
「おや、シャーリー君ではないか」
「なっ、なんであんたココに……!?」
「あわわわわわ……!?」
やたら距離の近い、サロメとダンケルの姿があった。
コメント(0)
コメント
削除すると元に戻すことは出来ません。
よろしいですか?
今後表示しない